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幼女ヒロインは女の子を攻略しました ……どうしてこうなった?  作者: 九條葉月
第五章 聖女と○○○○編

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閑話 お姉様へのお願い(マリー視点)

すみません、予約投稿ができていませんでした




 お父様が黒幕だろうとお姉様から聞かされました。


 いえ、一体何の『黒幕』なのでしょうか? ……普通に考えれば王家への復讐に関してのことですが、しかし、“金瞳”を持つお姉様がわざわざそんな、わたくしでも推測できているようなことを伝えてくるでしょうか?


 お姉様は完璧なまでに完璧ですけれど、強いて欠点を上げるなら説明不足なところになるでしょう。自分は“金瞳”ですべて視えるのかもしれませんが、こちらとしては何のことだかさっぱり分かりません。


 わたくしの考えなど“金瞳”を使うまでもなくお見通しなのでしょう、お姉様はわたくしの疑問について解説してくださいました。お父様がわたくしを騙していたであろうこと。わたくしが『変竜の呪い』で苦しんでいることを知っていたのに、それでも解決方法があると教えてくれなかったに違いないと。


 それはきっと復讐のためなのでしょう。

 今は亡きお母様のため。王家に復讐するため。ドラゴンに変身できるわたくしの力を使おうとしたのでしょう。利用しようとしたのでしょう。


 怒るべき場面。

 憤るべき事態。


 だというのに、わたくしは、なぜだかお父様を恨めませんでした。


 口汚く罵っても許されるはずなのに。

 一発くらい殴っても許されるはずなのに。


 それでも、わたくしは……。


「……お姉様」


 自分でも驚くほど畏まった声を発すると、お姉様も居住まいを正してくださいました。


「うん、なにかな?」


 甘えすぎだと自覚していますが。

 都合良すぎだとは思いますが。

 それでもわたくしは、その願いを口にしました。



「――お父様を、助けてくださいませんか?」



 バカなことを言うなと叱られてもおかしくはありません。呆れられても不思議ではありません。

 なのにお姉様は、どこか嬉しそうに微笑んでくださいました。


「恨んでないの?」


「自分でもよく分かりませんが、恨んだり憎んだりといった感情はありません。ただ、ただ、悲しいだけで。何とかして欲しいと思うだけで」


「優しいね、マリーは」


 お姉様はまるで聖女のように慈愛溢れる笑みを浮かべて――



「――よし。とりあえず、ぶん殴ろうか」



 ……どうしてそうなった?


 思わずお姉様の口癖が移ったわたくしでした。




次回、2月3日更新予定です。

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― 新着の感想 ―
[良い点] マリーさんこそ聖女のように優しいですね! リリアさんはまた物騒な事をするそうですねw まぁ、今回はリリアさんの反応が普通だと思いますけどw
[一言] 壊れた人間は雑に殴って正気に戻るのもワンチャンあるし
[一言] どうしてって? そりゃあ嬢ちゃん、お前さんの父親が、まずは一発殴らないと目が醒めないアホウだからさ!() いや実際、誰がどう説得しようと、言葉で止められるなら止まってるだろ まずは殴ってでも…
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