一番アホだなと思うのは何かな?
「お前はアホだなあ?」
「そうですか? まあ、自分でもそこまでかしこいとは思っておりませんが…改めて言われると…きついものがあります」
普段から私にはよく絡んでくる先輩がいた。それも学年一位になるぐらいの優秀な生徒。対して自分は劣等生ギリギリの中の下ぐらいの成績の男だ。
その日も、先輩は放課後に私を喫茶店に連れて行き、パフェを奢ってくれていた。
「アホなお前にはこういう教科書や参考書がいるだろう?」
「ありがとうございます…」
私が先輩を好きかどうかと言われると…良く分からない。ただ、少し苦手かなと思う。
特に嫌な人と云う訳ではない。親切だし、こちらの悪い所を指摘してくれるし、結構奢ってくれる。ダメなモノはダメと教えてくれる。
恐らくこの苦手意識は先輩のせいではなく、私の劣等感が産んでる事であろう。
「お前さんはさ。どうすれば物覚えが良くなるかなとか考えた事ないか?」
「そりゃありますけど…これでも必死に勉強してます。でもどうすればイイのか…」
勉強すれば誰でも賢くなれるなら苦労しない。優等生にはきっとその感覚は理解できないんだろうな…
しかし、目の前の先輩は簡単だよとウィンクをしながら…
「大事なのはいつだって危機感だよ。お前には危機感が足りてない」
「危機感?」
「人間一番記憶力が発揮されるのって、命の危機に瀕した時だろ? 勉強も同じさ。そうしなければ死ぬかも?と考えると記憶力なんて自然とあがる」
自然と上がれば苦労はしないのだが…優等生の言葉ってのはどうしてこうも、距離があるのだろうか…汗
「危機感なんて、どうすれば上がるんですか?」
「俺の場合は、畳の針を机に立たせて、寝たら脳天が刺さる状態で勉強したな…」
「うそっ!?」
「というのは、冗談で」
「ほっ…」
「これは、俺の曽祖父がやってた勉強法だな(実話)」
「うわっ~~~! 地味に本当でやんの!!」
この人の血筋はもしかしたら、根っからの勤勉家なんじゃないかと確信した瞬間だった。
「危機感を楽しめ…というのが正解。覚えないとマズイ、面白くない、ワクワクしないという。例えば俺は古文が好きなのだがそのきっかけがな…」
「何なんですか?」
優等生が勉強した理由…とても気になる…
「友人に綺麗な文で手紙を出せなくて焦ったから。駄文を何とかする為に古文を必死こいて勉強した」
「わりと劣等生でも親しみを覚える理由だった!?」
「はっはっはっは…お前も危機感を覚えれば優等生よ」
とにかく、このままではまずいな? と思う事が第一歩です。まったりと焦らず頑張りましょう~




