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玻璃一族シリーズ

先輩に彼氏ができた

作者: 川里隼生

 9月30日。独り暮らしを始め、大学に入ってから日記を書く習慣をつけてみたが、意外と続くものだ。娯楽に使える資金が限られた生活をする上で、金のかからない趣味を見つけることは重要だと思う。今日で6ヶ月分のページが埋まり、アーカイブとして読み応えも出てきた。


 さて、今日は2年生の玻璃はり歩美あゆみ先輩について記述していきたい。彼女は経済学部に所属しており、サークルが同じ私によくしてくれている。惚れっぽい私が入学して1人目にときめいた人物でもある。もちろん、そのサークルとは、私が4月から在籍しているオカルトサークルだ。


 折角なので玻璃先輩の魅力について軽くまとめておこう。全体的に華奢で小柄だ。黒髪は高校を卒業し、大阪に来てから伸ばし始めたそうで、現在は肩より下まで伸びている。私服は黒系の動きやすそうなシャツにプリーツスカートが多い。弟がいるためか中性的な口調で、性格は年下の私に優しい。


 玻璃先輩は本当に幽霊が見える。玻璃先輩によると、人間に化けて生活するのが妖怪で、姿を消して生活するのが幽霊なのだそうだ。怪奇現象を起こすか否かで妖怪と幽霊を分類する私とは違う理論ではあるが、実体験を交えて語る先輩の言葉には強い説得力がある。


 その玻璃先輩だが、今日ある報告を私たちにした。彼氏ができたのだそうだ。活動拠点の部室にその彼氏を呼んでいた。そこには、私服で長身の男性がいた。隣の玻璃先輩が低身長なので余計に高さが強調されていたが、それでも目測185センチメートルはあったはずだ。


 なぜ彼を選んだのか、と部長が尋ねた。もしかしたら、部長も玻璃先輩に多少の未練があったのかもしれない。玻璃先輩はこう答えた。

「だってこの人、猫の妖怪ですよ」

 誰もが驚いた。言われてみれば、黒目が人間にしては不自然なほど細長く見えた。


 さらに部長が質問を続けた結果、玻璃先輩は人間の男より妖怪の男に興味があることがわかった。まるで『ゲゲゲの鬼太郎』だ。鬼太郎は妖怪でありながら人間の女にしか興味がない。猫の彼氏は日本語をまだ理解できておらず、まるで外国人を相手にしているようだった。ただ、玻璃先輩に懐いていることはわかった。


 本日の主な出来事は以上だ。現在のサークル内で唯一の女性メンバーである玻璃先輩に彼氏ができたことは、これからの活動にも影響を及ぼすだろう。玻璃先輩の反対を受けてこれまで行わなかった心霊スポット巡りを、男らしさを見せるために強行しようとする動きがある。何も起こらなければ良いのだが。

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