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第5話・千代女の気持ち、鉄砲の相談

遅くなりすいません。

誤字、脱字、感想等ありましたら宜しくお願いします。


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■天文16年(1547) 5月18日

甲斐国 躑躅ヶ崎館 三郎私室

・望月千代女

私はゆっくりと三郎殿の部屋に入る。

三郎殿が座ってお茶を飲んでいた。それに見た事もない食べ物まである。串になんかついている。………美味しそうです。


「食べる?千代女さん」


三郎はすでに3本目となるくしを食べ終えて置き新しく皿から取って千代女に渡す。


「あ…ありがとうございます……いただきます…」


千代女は恐る恐る食べた。


「甘い……」



「それは良かった、沢山あるからどんどん食べていいよ」


「あ…りがとう、これはどう言った食べ物ですか?」



「それは、水あめっていうものだよ、砂糖を溶かして作る」



まぁ、砂糖を手に入れるのは大変だったけど…


千代女はゆっくりと味わいながら食べていく。皿の上の水あめがなくなり千代女は物足りなさそうな顔をして座り直す。


「さて食べ終わったところでさっきの話を聞かせてもらえるかな?

千代女さんには今ここで二つの選択肢がある。一つは俺を殺すこと。しかしこれは駄目な選択肢だと俺は思う。これを選択すれば望月氏、海野氏は再興は難しくなるだろう。二つの目は俺の家臣になる事だ。もちろん待遇は重臣にすることを約束する」


そう三郎に言われて千代女は頭の中で考える。


(確かに三郎殿の言う通り此処で殺してしまえば再興は遠くなってしまう、それどころかあの晴信が可愛がっている三郎殿を殺したのが望月だと知られたら一族郎党1人残らず殺されるだろう。忍びの私を重臣として雇ってくれるという。……それに上手くいけば側室ぐらいには……)




「わかりました、この望月千代女ただいまから三郎殿、いや三郎様の家臣として命を共にすることを誓います。私の事は千代とお呼びください」



千代女は両手を畳について深く頭を下げる。


「ありがとう千代さん、これからよろしくね」


三郎様が太陽の様な笑顔をするのを見て私、千代女は自分の顔がとても熱くなるのがわかりました。



■天文16年(1547)6月2日

甲斐国 山梨郡 躑躅ヶ崎館 三郎私室

・武田三郎


敵は本能寺にあり‼︎


叫んでみたくなるお年頃の三郎です。今日は信長公が本能寺で明智光秀によって殺された日なのです。本能寺まであと35年です。



さてふざけるのはこの位にして段蔵に頼んでいた忍びを雇う件だが……全員雇うことが出来ました。服部保長と服部半蔵として有名な服部正成5歳と一族郎党。藤林長門守とその一族郎党。百地丹波とその一族郎党。

かなり家臣が増えすぎました。確かに一族郎党も家臣にするって言ったけど……

俺の家臣考えてみたら忍者だらけじゃん。



「服部半蔵保長でございます。この度流浪していたところを破格の待遇で雇っていただきありがとうございます」


「藤林長門守正保です。伊賀並びに甲賀の配下、計400名以下三郎様にお仕えいたします」



「百地丹波守泰光じゃ、よろしく頼む」



3人が自己紹介を終わったが後ろに控えていた男性3人が気になった。




「お主達の名はなんというのだ?」


「はっ!三郎様、お初にお目にかかります。元六角家家臣、山中俊好です。良しなに」


「多羅尾光俊です、どうぞ良しなに」


「 滝川一益でごさいます。一族郎党よろしくお願いします」



年齢はそれなりにとっているがそれを感じさせない物腰で三郎に挨拶する


「うむ、 皆遠い所ご苦労であった。近々信濃の志賀城攻めがある。今すぐで悪いが時間がない、このあとお主達には武田家が攻略していない城の縄張りや地形、兵の数など調べて欲しい」


「「ははっ!」」


「一益だけは残って欲しい、鉄砲のことで相談がある」



一益以外は早速、信濃の城に向かうため三郎にお辞儀をして部屋を出て行った。

みんながいなくなった所で一益に話しかける。


「一益、鉄砲を戦で使うとしたらどうする?」



「狙撃や威嚇しますな、射撃までの時間がありますから」


「そうか、なら数を数百、数千揃えるというのは?」



三郎の言葉に一益はなるほどと思い。


「確かにそれなら射撃までの時間は克服できるでしょう。しかし鉄砲、玉は火薬は高い」


「それなら高禄で紀伊の根来衆や近江の国友衆を雇えば良いし、先行投資しておけば、最終的には武田家の得になる」


「それは良い考えかと」




鉄砲の知識は持っているが、自分では作れないので刀鍛冶を雇って作って貰わないといけない。東日本では野鍛冶は居ても刀鍛冶はすくない。雇って改良などしても機密は漏れることは限りなく低いだろう。なんでも、俺の配下は忍びが多いから。


「火薬は人工に作れるので作ってみる」


「火薬がつくれるのですか?」


「うむ、火薬の原料は硝石なのは知っているだろう?」


一益は頷く。


「古い民家、厩の土などから取れるらしい」



硝石は以前趣味で調べた人工硝石の作り方を知っている。謀神として有名な毛利元就が弘治三年(1557)に古い民家や厩の土から硝石生産を命じているのだ。


「しかし、それを三郎様は何処で知ったのでしょうか?」


やはり聞かれたか……そんな方法を何処で知ったかと言われたら正直嘘を言うしかない。

転生しました、とか言ったら妖の類と思われてしまうしな。ここは武田の先祖、武田信義様が夢枕に現れて聞いたと言えば、なんとかなるだろう。



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