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【詩集】Shangri-La

さびしいともつぶやけない

作者: 野鶴善明

 風は春なのに

 あたたかいはずなのに

 花は春なのに

 恋が咲くはずなのに


 待ちくたびれた

 まどろみのなか

 木の葉を透かす

 陽射しが

 まどっろこしくて

 時の流れが

 うずまくみたい


 だれもいない

 庭のベンチ

 つけっぱなした

 ラジオが

 なぜか賑やか

 うつろなおしゃべり


 いつかあなたが

 いたずらした

 桜の幹に彫った

 わたしのイニシャル

 永遠の誓いだとばかり

 思いこんでいた


 あなたを想えば

 胸がつまりそう

 さびしいとも

 つぶやけない

 帰るはずもない人を

 待っていると

 思いたくないけれど


 風は春なのに

 やさしいはずなのに

 光は春なのに

 愛を語らうはずなのに



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― 新着の感想 ―
[良い点] 初めまして(^_^) 読ましていただきました。 とても深い内容ですね。だれもいないベンチ~の一節がとても印象的でその場面が目に浮かぶようでした。 作中の文章から想い人を想う気持ちが強く伝わ…
[一言] 風は春なのに、あたたかいはずなのに、花は春なのに、恋が咲くはずなのに。 いや、心にしみる春の歌です。 春風は暖かいはずなんです。別れには冷たく感じるものなのでしょうか。
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