とりあえず、一件落着
連日投稿、頑張った! できるなら、もっと早くやれよ、と思う方、それは違う。こういうのは心のテンションが大きく左右するのですよ。感想を貰えたり、何かをすると決めたりした時に心が震えた時に溢れる文字を打てばいい時と考えながら打つのでは雲泥の差があるのよ?
直線的に動く俺にエネルギー砲を放たれる。
勿論、避ける術も無効化する方法も今はある。だが、敢えて受け止める。
ネイサンにそんな攻撃は俺に決定打にならないと駄目押しする。
エネルギー砲に逆らって前に弾丸のように飛ぶ俺を見てネイサンが叫ぶ。
「こんな事が出来る奴がいていいのかよぉ!!」
いていいに決まってるだろ? 実際にここにいるし、それに少なくとも後2人ほどやってやれない人物にも心当たりがあるしな。
長い髪をぼさぼさにほったらかしにした犬のようなふてぶてしい奴と、とっても素敵に世界一殺してやりたい2位に追随を許さないクソ野郎ならやれたであろう。
そして、エネルギー砲を押し切って肉薄する。
「いくぞっ! カラスっ!」
「応っ!」
手に添えてたカラスを抜き放つとエネルギー砲がとりつけられている右手から斬り外す。
「ああぁぁ、嘘だぁぁぁ!」
嘘じゃねぇよ、お前が最強と信じた力なんて存在しねえ。何も背負ってない力なんて軽いんだよ!
「これで決める。跳躍×10」
跳躍を連続使用する事で全方位からカラスでパワードスーツを斬りつけていき。最後の一撃で掬い上げるようにして上空に飛ばす。
恐怖に顔を歪ますネイサンを見つめて俺は思う。
さあ、エマの部屋にあった写真のお前の、あのふてぶでしくも偏屈そうでも、お前なりにエマに愛情を見せてた自分を取り戻せ。
「俺の想いに応えてみせろっ! アオツキっ!!」
アオツキを抜き放つと届かない距離にいるネイサン目掛けて斬りつける。アオツキから放たれる青い衝撃波はネイサンを貫く。
その衝撃波でパワードスーツは粉砕され、確かな手応えを感じる。
毒の力を切り裂いた!
そう思う俺の目の前ではネイサンの後ろに飛び出る黒い霧が真っ二つに切り裂かれて霧散するのが見えた。
そして、気を失ったネイサンが落ちてくるのを見て、手に持つカラスとアオツキを鞘に戻し、落ちてくるネイサンを受け止めた。
「やったよな?」
「ああ、見事に綺麗に毒の力は消え去ったな、よくやった徹」
「さすがは主だ、我は鼻が高いぞ」
2人から同意を得れて、荒い息を吐きながらも、達成感に包まれた俺は笑みを浮かべた。
「やっと終わったぁ」
「う~ん、それには同意しかねるかな? むしろ本番はこれからで大変なのは今からじゃない? ほら、来たよ」
顔が引き攣る、俺のカンが凄まじく嫌な予感を遅れて訴えてくるのを感じるのだ。
恐る恐る瞬が示す方向に油の切れたロボットのようにそちらを見ると、確かにいた。鬼が2人……
いやいや、鬼なんて失礼な事を、とおるさんは考えてませんことよ? とってもプリティな少女を捕まえて、ね?
沙耶さん聞いてる? 俺はちっとも思ってないから報告の必要性ないからね?
俺に向かって歩いてくる、2人、いや、小柄なほうが抱えているエマもいるから3人、3人とも笑顔であった。表面上は。
確かに、エマはおそらく2人からネイサンが無事であると聞かされたのであろう、その喜びが顔に出ているのであろうが、残る2人の笑顔には凄まじく覚えがあった、トラウマを抉るレベルで……
声が届かないが口パクで何を言ってるか分かる気がする。
俺、読唇術なんか会得した覚えないんですけどぉ!
恐怖から一歩後ずさるが自覚症状はなかった。
そして、声が届く距離まで接近を許すとエマが嬉しそうな声音で俺に言ってくる。
「ありがとう! トオル、兄さんを助けてくれて」
「あっ、うん」
目の前の恐怖にあてられている俺は気のきいたセリフが出す事ができなかった。
無言のプレッシャーをかけてくる、2人が口を開く前に何かしないと手遅れになると目力を入れて口を開く。
「ルナ、美紅、ごめんなさい」
「やっぱり、自覚症状があっての行動だったの」
「前にもうしません、と仰ったのに私はとても悲しいです」
動かない笑顔を見せる2人から浴びせかけられるプレッシャーに負けて、汗が滝のように流れる。
エマも2人の様子が明らかに普通ではないと感じたようで俺と2人を交互に見て困った顔を見せる。
衝動が俺を襲う。
俺の深い場所にある何かが訴えるのである。死にたくなければ、この場から逃げろと。その訴えてくるモノの名前を生存本能と言う!
そんな馬鹿な事を考えてる場合じゃねぇ!!
踵を返すと脱兎の如くに逃げ出す。
とりあえず、自分が知る限り、最高戦力のあの2人がいると思われる対面にある崖下を目指して、躊躇なく崖を飛び降りる。
危ない? 本当の危ないは俺を追う後ろに存在するっ!!
生きる為の逃げに必死になる俺はあの2人の気配を頼りに砂浜に足を取られながらも速度を落とさずに失踪する。
ネイサンを抱えたままであるが、きっと今までで最高速度をマークしている自信がある。
のにも関わらず、後ろから迫るプレッシャーとの距離が空いた気がしない。
気配を頼りに走り続けると人影に気付くと見栄もへったくれもなく助けを求める。
「トドエモン、カズエモン、助けてぇぇ!!」
姿が確認できる距離に来ると驚愕な状況がその場にはあった。
なんと言ったらいいのであろうか? とりあえず一言で言うなら。
正座してた。
うん、和也と轟が。
和也の前には真理亜とミラさんが立ち、轟の前にはシンシヤさんが立っていた。
その情けない2人に脱力してしまい、惰性でそいつらの前まで走ってくる。
2人を見下ろしながら、首を傾げる。
「お前ら、使えねぇ!」
「てめぇにだけには言われたくねぇ!」
「お前もこれからだろうがぁ!」
男同士の醜い争いが勃発するかと思われたが、始まる事すらなかった。
何故なら、俺の肩に手を置いた笑顔のルナがいたからである。
「徹も正座なの」
「……はい」
とりあえず、ネイサンを砂浜に寝かせると目で美紅に2人がいる方向に行けと指示され、抵抗せずに向かう。
俺と和也で轟を挟むように正座すると俺の前にはエマを連れたルナと美紅が最初からピクリともしない笑みを浮かべて立つ。
俺達に3人に多少の言い方は違えど、言い訳はないか? と質問される。
「ありません」
「ねぇ―よ」
と和也と轟が言うなか、俺はルナと美紅を窺うように聞いてみる。
「聞いてくれるの?」
そう問う俺に花が綻ぶ笑顔を見せる2人に希望の光を感じた俺は喜びを見せる。
「勿論、聞く気なんてないの」
「ええ、問答無用です」
上げて落とすなんて酷いと、泣き真似した俺が「実家に帰らせて貰います」と腰を上げようとしたら、手の空いてるルナに肩を抑えられ、正座に戻される。
ですよねぇ、逃がしてくれませんよね……
一通り、話がついたと判断した真理亜が言う。
「まずは、土下座」
調教が完璧な和也と、もう必殺技から得意技へと昇華させている俺は迷いもなく、完璧な土下座を決める。
最後まで抵抗してた轟であったが正面に立つシンシヤさんが涙目で口をへの字にして耐える姿に弱った顔をして、渋々、土下座をする。
それを見た俺と和也が顔を横に向けて新人に声をかける。
「ようこそ、こちら側へ、歓迎するぞ?」
「うぇるかむ、轟。今日から俺達は魂の兄弟さ!」
最高の笑顔でお迎えする俺と和也であるが、轟はプルプルと震えると勢い良く立ち上がる。
「上等だぁぁ! その喧嘩、買ったっ!」
「新人の癖に生意気だぞ!」
「これに関してはお前ら2人より、先輩の俺を敬えっ!」
そして、俺達の男の戦いの本当の本番を昇り始めた太陽をバックに切って落とされた。
次話、中学編、最終話(予定)
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