町内旅行
本編と番外編を切り離す事にして新たに枠を作りました。
タグにも書いてますが、超不定期更新ですが、良ければ、ブックマークして残しておいて頂けると嬉しく思います。
時は12月31日。大晦日の早朝5時、小学校前でバスに乗り込む俺がいた。
町内イベントで、一泊二日の子供が地名を聞いたら嘔吐するマネをするという有名な温泉に向かう為であった。
ちなみに、遠出になるのに俺の保護者的な親族は誰もきていない。俺達の町内の横の繋がりが強く、お隣のおばちゃんが参加すると聞いた母親はあっさりとよろしくお願いします!と言って俺達を放り出した。
受けた方も気楽なモノで、飯エサさえ与えておけばオッケー?と思ってるのがアリアリと分かるように俺達を放置して既に酒盛りが開始され、当のおばちゃんはカラオケの曲捜しに必死になっていた。
俺が誰だって?3カ月後に小学校入学する徹ちゃんですlそう、ちゃんのとこ強調しておいてね?ここ重要!何故なら、ご近所に住んでいる俺を可愛がってくれるお姉さんに後部座席の一番広い席の真ん中で抱っこして座らせて貰えているのだ。
ちゃん、と呼ばれるような年でないと許されない暴挙を俺は堪能していた。V.I.P気分を満喫するように背凭れに凭れかけ、驚愕する。
な、なんだとぉ!このリクライニングの快適さはっ!きっと何か仕掛けがあるはずだ。そう思った俺は体勢を逆にしてお姉さんにエンジェルスマイルを向けるのを忘れずにおもむろに大峡谷へ旅立つ。
俺は恐れも見せずに、大胆にも顔から突っ込むというイン○ィジョ―ズも真っ青なほどの男前の顔をしながら冒険が始まる。
「もう、徹ちゃん駄目よ、メッ!」
お姉さんの激しい抵抗のメッと拳をコツンっと俺の頭を叩かれるが、引き下がる訳にはいかない。何故ならそこに神秘オッパイがあるのだからっ!
既に、お姉さんに見せれない顔で奮闘していると、徹ちゃん、赤ちゃんみたい……と言われ、ご希望なら、バブーって言うぜぇぇ!と心で雄叫びを上げる。
そんな俺の服を後ろから引っ張る者がいるのに気付くが、俺は忙しいとばかりに手を払う。
しかし、相手もしつこく引っ張ってくるのでまた弾くと柔らかいモノで視界を妨げられているが、俺の両端に人が立つ気配に気付く。
俺の第六感が、警報を鳴らす。これはヤバいとばかりに逃げようとするが体が動かない。そうか、俺は今、ハニートラップにかかってる最中だった!
すると、両わき腹に拳が打ちこまれて、ゲハ……と息を吐きだして、冒険の旅から強制送還させられる。俺から離れていく酸素オッパイを求めるように手を前に差し出すが、空を切り、後頭部からバスの通路へと落ちていくスローモーションになる世界で視界を彷徨わせる。
そして、俺は見た。俺の脇腹を打ち抜いて、拳を戻すルナと美紅の姿を……
俺は悔しげに2人に指を差すと呟く。
「俺はお前達に負けたんじゃないっ! 俺は浪漫に負けたのだぁ!!」
そう、俺は身の危険より、浪漫を取った。
俺に後悔などありはしない!と笑みを浮かべて、後頭部から落ちた。
「頭が割れるように痛いぃ!!」
ゴンという音ではなく、ガスっといった音をさせて落ちた俺は頭を抑えながら狭い廊下で身悶えていた。
すると前の席から大声でこちらに呼び掛ける声がある。
「よし美ちゃん、唐揚げ食べないかい?」
呼び掛けられたのはお姉さん。今、床で痛みにもがく幼い俺が見えてないのか!といかけたいが、痛みでままならない。
落ちた瞬間は少し心配そうにしていた、お姉さんだったが、唐揚げ?と嬉しそうな顔をすると、
「今、行きます」
嬉しそうに笑みを漏らすと俺を跨ごうとする。
俺はマジかっ!唐揚げに負けたっと悲しみに暮れながら、本当に放置される事に驚愕して、お姉さんを見ようと視線を上に上げると、丁度跨がれる。
そして、長いスカートの中を閲覧してしまう。
何故だか、痛みが和らいだような気がした。
そして、世界に優しくなれそうな俺は頭を摩りながら立ち上がる。
今の俺なら大抵のモノなら受け止める事が可能だと思い、前を見ると冷笑を浮かべる2人がいた。
さすがの優しさに溢れ、懐が広くなっているとはいっても許容限界というものは存在すると俺は2人に背を向けると後ろにはティティとテリアがジト目をする幼女がそこに顕現していた。
ふっ、俺は悟ったね。イージーな解答だ……と両膝を着き、両手をその前に出して着ける。迷いのない動きで額を床に触れさせて、ややケツを上げ気味で俺は男らしく言う。
「ごめんちゃい……」
半泣きの俺は声音を振るわせて許しを請うた。
俺は最大限、幼いという特権をフル行使したが、ルナ達の視線に温かみを帯びるせる事はできなかった。やはり、中身が一致してないとバレてるから誤魔化されてくれない。
そして、下された判決は勿論、ギルティであった。
それから俺は目的地に着くまで、ルナ達の丁稚をさせられる事になった。
高速道路のパーキングエリアに到着すると、早速、使われる事になる。
「私はオレンジジュースがいいの」
「私はストレートティでお願いします」
「ミルクティでいいですよ、兄様」
「お兄ちゃんっ、私は牛乳っ!」
そう、俺に言い放つとキャッキャっと楽しそうな声を響かせて、トイレがある方向へと俺を放って行ってしまう。
ポツンと取り残された俺は、悲しくないんだからねっ!と強がるが誰も突っ込んでくれなくて、目の端を輝かせて自動販売機へと向かった。
自動販売機に着いた俺はブツブツ言いながら言われたモノを買っていくと牛乳がどこだ?っと呟いていると後ろから声をかけられる。
「ふんっ、女に顎で使われているなど、我が弟とは思いたくないほど情けなさで涙が枯れそうだ」
馬鹿め、牛乳はカウンターのほうで売ってたわっ!と俺に言うのは、俺の2つ上の子供であった。既にイケメン臭を漂わせ、将来が約束されたような子供が俺を嘲笑うように見つめている。
そう、こいつは俺の敵だ。俺はこいつに天寿を全うさせないと誓いを立てている。勿論、俺がトドメを刺すからだ。
それはともかく、目の前の子供を足元から上まで見つめて目を半眼にして呆れながら返事をする。
「なぁ、和也。お前、いの一番にバスを飛び出しただろ?」
「お兄様と呼べよ、やっぱり気持ち悪いな。俺が一番だったがどうした?」
もう一度、下から見直して、呆れ、そして、感心するように言う。
「お前もパシらされてるんだろうが?」
右手にアメリカンドックとソフトクリームを指で器用に支え、右手の腕で、おそらく肉まんかあんまんか分からないがそれを2つ抱え、たこ焼きと五平餅が入ったビニール袋を左手の腕に通して仁王立ちする姿がそこにあった。
和也は、ルナマリアこと、真理亜を騙して、遠ざけ、ミラさんと500年以上同棲していた事を知られていたらしく、自分から話す前にばれた事が悪かったようで、真理亜に土下座するコイツの姿を思い出すだけで夕飯が美味しく感じるほどの半泣きの和也の土下座、最高であった。
コイツをあんなに追い込めるのは真理亜を除いて存在……ミラさんも大概かもしれないが数少ない人物である。
そこで、和也は真理亜を騙し続けた事を詫び、ミラさんに500年付き合わせた詫びに、小学生の間、2人の執事という奴隷になると宣言した。
それから、顎で使われる和也を眺めながら、俺はああはなるまい……と見つめていると笑みを浮かべる奴を見て、俺は思った。
奴はMかもしれない。早々に縁を切らねば、と……
しかし、沢山買い込んだモノだ。俺がブツブツ言いながら歩いてきたとはいえ、あの短時間でこれだけ買ってくるとは……あのスペックは健在のようだが、無駄に浪費させすぎだろう?と俺は思う。
あのソフトクリームはまず間違いなく真理亜のものであろう。ルナが毎日、お姉ちゃんがアイスを食べるの、て言っていたのを覚えている。
そして、抱える食べ物はきっとミラさんのモノであろう。美紅と張り合えるほどの健啖家である。
将来、ああなるのだから納得だ。なのに美紅は……ハッ!殺気が飛んできた気がした!
「えらく買い込んだな?」
「馬鹿野郎っ! まだ買うモノが残ってるんだ。休憩時間は限られてるんだぞ!」
さっさとカウンターに行ってこい!と俺を蹴ると既に用意していたと思われる小銭を自動販売機に投入して迷いもなく、二本買うと踵を反すと栗で作られたデザートが売られる屋台へと走って行った。
「忙しい奴だな」
そう呟き、和也が買ったジュースの数を思い出し、自動販売機に戻って、ブラックコーヒーを買う。
「なんでアイツはこんな苦いモノが好きなんだろうな」
溜息を吐きつつ、俺はカウンターへと向かい、牛乳を買うとバスへと戻って行った。
感想や誤字、キャラのイメージが崩れたなどの苦情は、気楽に感想欄へお願いします。




