ヤマダがお茶会に召喚されました序
10.ヤマダがお茶会に召喚されました序
綺麗な銀髪の縦ロールを見つめる。御嬢様キター!左右に取り巻きが1人ずつ控えている。
「わざわざ迎えに来てくれるとは、チョウオジョウヒロインジェラシー嬢には申し訳ないことをしたね。」
「いいえ、問題ございませんわ。所で、ホケンイロリコンギワク様。そちらの方はどなたですの?」
まずい、まずい。何も関係ないのに、絡まれそうになってるよ!
「さあ、ボクも初対面なんだ。保健室に用があったみたいなんだけどね。」
おい、保健室なんかに用はないし、もし保健室に用があるなら、病気か怪我以外にないだろう。
「いえ、ただ通り過ぎようとしたら、突然ドアが開いたので驚いて立ち止まっただけですので。失礼します。」
なんとかこの場を切り抜けなければならない。本当のことを告げているのだから、解放してほしい。
「えっ?そうだったの。てっきりボクに会いにきたのだと思ってた。」
なんなんだ、この自意識過剰野郎は!!こっちは、これっぽっちも会いたくなかったよ。
「ー怪しいですわ。チョウオジョウヒロインジェラシー様に嘘を付くなんて許されませんわよ。」
「怪しい匂いがプンプンしますわ。チョウオジョウヒロインジェラシー様に嘘を伝えたのではなくて?」
左右の取り巻きは黙ってろ!本当のことしか、言ってないのに疑われ放題だな。
「そうだったのか。嘘を付いてまで隠そうとするなんて、お嬢さんは恥ずかしがり屋さんだね。そこがまた弄らしくて可愛いらしい。」
お前も黙っとけー!!事態を余計にややこしくするなー!
「まあ!それが狙いでしたのね!」
「汚らわしい!」
「お嬢さん、ボクは何も気にしないよ。それほどまでに、ボクを思ってくれてのことだろう?」
「・・・人の話し聞く気ないでしょ?」
誰かこの状況をどうにかして下さい。
「ー貴方たちお黙りなさい。」
お嬢様の凛とした声が響き、取り巻きも保健医も静かになる。
「彼女の真意の程はわかりませんが、」
いや、そこは分かって欲しいんだけど。
「わたくし良いことを思いつきましたの。この方にもお茶会に参加して戴くのですわ。」