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乙女ゲームのヒロインやめます。  作者: ふうせんくま
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まさかの転生ですか

ある日の放課後、友人がたまには他ジャンルのゲームもやってみたら。と言うので『お貴族学園~成金お嬢様と素敵な恋』という乙女ゲームを借りた。

このゲームのヒロインは天真爛漫というよりは、世間知らずのアホ娘である。攻略対象たちはヒロインのピンチを救い溺愛する。恋は盲目とはいうが、このヒロインの魅力はなんだ?私には理解出来ないが、まあ所詮はゲームだから仕方ない。

イラストも綺麗だし、音楽もいい。そして、声優陣はイケボだ。そのおかげでフルコンポできた。

しかし、このゲームのヒロインにはなりたくないな。まあ、なれるわけないけどね。

*.プロローグ?


その日、私は弟と一緒に出かけていた。

「やはりあそこのタルトは最高ですね。」

「姉さんは甘い物なら、なんでも美味しいんだろ。」

「む、そんなことはないのですよ。甘さにもいろいろと種類があるのです。」

私は夢中で弟にスイーツ談義していた。そんな時に事故は起こった。話に集中するあまり、周りがおろそかになっていたのだ。

「ー姉さん、危ないっ!」

「キャーーーッ!!!」

私はそのまま気を失った。


1. まさかの転生ですか


“ヤマダハナコ”(名前入力変更可能)

[金髪・ふわふわの巻き毛セミロング

華奢で小柄だが実は隠れ巨乳

庇護欲をそそる外見

一般市民だったが、両親が仕事で大儲けし成金になる。中学校までは普通の学校に通っていたが、高校は親の策略もあり名門のお貴族学校に通うはめにー。]


そうそう、確かにそんな設定だった。私は結構なゲーマーで、普段はRPGとか格ゲーしかやらないのだけれど、友人に薦められ話のネタ程度に乙女ゲームたるものをやってみた。

一週間前、私は暴走したはぐれ羊に跳ねられ、意識消失した。そして、その衝撃で思い出してしまったのだ、自分の前世とかいうやつを。初めは夢だと思った。そりゃそうだ、自分がプレイしていた乙女ゲームに転生しました。って、うわぁひどい痛すぎる。私ってそんな乙女ワールド全開女子でしたっけ?いやいや待て、これは夢に違いない、目を醒ますのよ。ーーーー醒めないしね。いや、そもそもここが、現世なら前世の私は死んだってことで、そんな記憶はないーそう思った所で頭の中である映像が再生された。

バイトの帰りだった私は一人でスマフォ片手にゲームピコピコと夜道を歩いていた。

「ククク・・レベル上げるのって楽しいなぁ」そんな独り言を呟いていると、歩道の横に広がる茂みがガサガサ揺れ動いた。当然、ゲームに夢中な私は気付くはずもなく、突然茂みから飛び出してきた羊に撥ね飛ばされ、車道に転がり大型トラックに轢かれた。ドーン、グシャ的な音が聞こえた気がした。

ーーーうん。これは間違いなく死んでるよ!どういうことだよ、ここでも羊だよ!私“佐藤希望(さとうのぞみ)”の人生終わっちゃったじゃん。

はぁ、乙女ゲームに転生・・・。流行ってるよね、悪役令嬢になったとか、なんとか・・・。ん?私は恐ろしいことに気付いた。私の今の容姿・名前は、乙女ゲームのヒロインじゃないかー!


2.弟という名の隠しキャラです


前世を思い出した私は、いろいろと考えていた。

「姉さん、本当に大丈夫?」

「大丈夫ですよ、ケガもかすり傷でしたし。」

「そういうことじゃなくて、一週間も部屋に引き籠って出て来なかったじゃないか。」

うん、だってそれは仕方ないよね。乙女ゲームのヒロイン転生とか考えたくないよね。まあ、そんなことは言えないからなぁ。

「少し、外の世界が怖くなっただけです。心配ないですよ。」

「・・姉さん、そうだよね。いきなり羊に跳ねられるなんて、トラウマになるよね。」

私の言葉に弟は、辛そうな表情になり、労るような瞳で私を見つめていた。

そんな顔されると私も心苦しいけど、特別トラウマにはなってない。むしろ今度、羊を見つけたら、只じゃおかないと思っている。

「私、強くなろうと思うの。」

「ー姉さん、僕も出来ることがあれば協力するよ。」

「ありがとう。さっそくだけど、護身術教えて下さい。」

「なーんだそんなこと、お安いご用だよ・・・って、ちょっと待ってよ姉さん!強くなるって精神的なことじゃなくて、身体的にってことだったの!?」

「当たり前じゃないですか。これから私がどんな目に合うと思ってるんですか?」

「何を言ってるのか、さっぱり分からないよ。とにかく姉さんは強くなる必要なんかないよ。大丈夫、僕が絶対守ってあげるから。」

にっこりと優しい笑みで私をみつめ、まるで私だけの騎士のように囁く。きゃー!やばい、やばい、やばい!鳥肌が立ったよ。


“カクレオトウト”

[金髪・碧眼・女顔がコンプレックスの美少年

ヒロインよりは背が高いが小柄

ヒロインの弟・1つ下

格闘技有段者

超シスコンでヒロインの騎士になりたいと思っている。]


私は知っている。実は弟が全クリアした後に攻略できる隠しキャラだということをー。しかも弟は、父の妹の子供で私とは従弟になる。今までずっと姉弟として育ってきたのに、いきなり恋愛感情ぶつけられても、ぶっちゃけ引くでしょ。か弱いヒロインをずっと守ってきたのは僕だ!みたいな。いや、そういうの好きな人がいるのは知ってるよ。でもさ、想像してご覧よ、実の弟からいきなり告白されるんだよ。実際に兄弟いる人なら分かってくれると思うんだけどなぁ。さらにこの弟、相当ヒロインに執着してて、拉致・監禁とか普通にするし、別の攻略対象ルートでもヤンデレがひどい。

そんな訳で私は全力でフラグを折る。大事な弟を病んでる残念思考にはさせない為にもー。

「ねぇ、オトウト。絶対守るなんて本当にできると思ってるんですか?」

「姉さん?」

「私がピンチの時には必ず現れて助けてくれると?いや、無理でしょ。ピンチってどういうことを言うのですかね?」

「姉さんが危険な時だよ。」

弟は、いつもの私とは違う只ならぬ気配に若干気圧されている。

「ーだから駄目なんですよ。オトウトがそうやって蝶よ花よと甘やかすから、自分では何も出来ない世間知らずな、庇護欲だけそそるやたら男性受けする小娘ヒロインができあがるんですよ。本当にプレイ中はイライラしましたよ!少しは反撃しろよとか、そりゃ女子から嫌われるよとかね。本当、容姿以外は頭カラッポですか~?そんなヒロインにはなれない、いや、ならない!」

「ね、姉さん、どうしたの?やっぱり頭の打ち処が悪かったの?何を言ってるのか、さっぱり分からないよ。」

「いいえ、分かってもらいます。私はヤマダハナコは守られるだけのヒロインにはなりません。心も身体も強くなって、自分自身も家族も守られるヒロインになります。だからオトウト、私を必要以上に守られないで下さい。これはお願いです、私が成長するチャンスを奪わないで。」

私の真剣な表情に弟は、敵わないという仕草で天を仰ぎため息をついた。

「分かったよ、姉さん。手始めに僕と一緒の道場に通おうか。」

こうして私は一番の理解者を手に入れた。

はじめまして。

初投稿です。ドキドキです。

拙い文章で、読みにくいと思いますが、少しでも楽しんでいただけら、幸いです。

私もヤマダと一緒に成長していきたいです。

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