『活動報告書』
『活動報告書 Nom.1106 <Homuncruz―C317>』
以上が、「Homuncruz(※「cruz」は「十字架」の意。正しくは「culus」)」の語源に由来し、「lapis philosophorum」と思われる既知幻想道具を用いた、「小人・C317号」の一部始終(※この場合の「一部」とは印刷物の数え方の「一部(a copy of)」であり、物事の欠片の「一部分(a part of)」ではありません。「全部の内の一部の全て」という意味では誤用です)である。説明不足感が否めないのは、色々な人に孫聞き(※「孫引き」または「又聞き」)した結果なので、ご容赦願いたい。まあ「けれどもこれは別の物語」的な(※二次創作や非公式にかこつけて適当にするのはどうかなあ?)。
・個人的な簡易能力批評……飽くまでも主観である。無論、是は現段階での評価。これが不変普遍なものと考えるのは、成長期のヒロインのスリーサイズを見て一喜一憂している阿保だろう。また一重に有名大学と言ってもその大学には様々な良し悪しある学部があるように、これは飽くまでも主観的で一部分の評価である。何より殺す強さがあれば守る強さもあり、強さの形は一様ではない。ジャンケンの様に……などというのは釈迦に説法だろうが、一応。というかお遊びなんでそうマジで捉えなくていい。架空戦記。後、無論、これは大祭害前の現界基準ではなく、現代の異世界基準である。
レベル→努力値。総合的な人生経験。この値と次記のランクを無視してスペックの上下限界を超える事は自然的にありえない。ただし〈変身〉を筆頭とする魔術、薬品、機械化、神格化などの相応の理由により限界突破する事はあり得る。またただし数値を上げ過ぎた場合、手加減出来ない事がありうる。
目安は……「10」一般成人。「15」何らかの訓練経験のある者。「20」組織の上位者。「30」で街大会の上位。「60」で国大会の上位。「100」で世界大会の上位。世界史の教科書に載る。常人の努力限界。「100,00」文字通り世界を救う英雄や比喩ではなく世界を滅ぼす魔王と呼ばれたりする者――程度に思えばいい。後、レベル「100」がレベル「50」より二倍強いワケではない。ポケモンやドラクエと一緒。
因みに「100,000」核兵器並。原子爆弾や関東大震災の死・行方不明者総数。「80,000,000」第二次世界大戦並。「10,000,000,000+α」星並。かつての21世紀初期の世界人口と同じ(虫や人間以外の動物などは無考慮)。「←以上」星の数。「ラ・グース」←を宇宙ごと喰らう。「文字」←を創り出す。「∞」文字で表記できる数。「20」DQ初代のラスボスを倒す目安。「10」DBの初期悟空の戦闘力。「5」ゴミ。
ランク→種族値。個性的な成長段階。厳密には生来の才能ではなく努力でも増減できるが、こうした方が差別化できるから才能値としておく。ランクはF~Sの七段階評価。
目安は……Aで「優・EXCELLENT・皆伝・大学最難関や超大手企業」基本の技能を全て習得して高度に熟練しており特殊な技能も持つ。大国の最上級貴族、単純な破壊力で言えば戦略核、常人の才能限界。Bで「良・GOOD・上級・難関」基本的な技能を殆ど習得しており、かつ熟練しているか特殊な技能を持っている。Cで「可・SUFFICIENT・中級・中堅」基本的な技能を殆ど習得している。世渡りならこれで十分。Dで「不良・NO GOOD・初級・平均未満」無いよりはマシ。雑用係程度。Eで「不可・NOT EXECUTED・無能・無職」居ても居なくても同じ。Sで「英雄・SPECIAL・特級・教授や社長」大国の王、神に祝福されている、文字通り世界を救う、巨大隕石。Fは「邪魔・お手上げ・FUCK・虚級・孤児」悪魔に呪われている、むしろ他の足を引っ張る、虚数的に世界を滅ぼす。ExはSでも当てはまらない規格外、測定不能、神の祝福ではなく神そのもの、或いは悪魔。UnはUnknown。
後、「レベルの数値をスペックの基礎値のとする。この値はランクが一段階上がる事に2.5倍上がる。そうして計算された数値がスペックと成る。Fを最低値とし、是の数値は「0」。一段階上がる事にRの数値が「1」増える。つまり、レベルを「L」とし、ランクを「R」とし、スペックを「ST」とすると、計算式は「L*2^(Rー1) =ST」となる。なおSとEXの差は1000倍とし、Fの場合はスペックをマイナス1000倍する。また、「+」分だけ状況次第で最高「1」までRが増える。「-」はその逆。同レベルの場合、「+」の分、上のランクの奴を食えるという事。因みに「2^R」の元ネタは天文学者ボグソンの星の等級の定式つまり「1等星は6等星の100倍明るい(一等級の差は100の5乗根=約2.512)」である。2.5は計算が面倒なので3にしてある」……というのを考えたが、ごちゃごちゃしそうなので止めた(※既にごちゃごちゃしてますけどね)。
TRPG風な基本応力の項目→CON(Constitution)……体力、体格、自然治癒力を示す。いわゆるHP/POW(Power)……魔力、異能力、不思議度を示す。いわゆるMP/STR(Strength)……筋力を示す。いわゆる攻撃力/DEF(Defense)……硬度、靭性、強度を示す。いわゆる防御力/MEN(Mental)……気合、根性、胆力、我慢力を示す。主人公補正的に一番重要。いわゆる精神力/DEX(Dexterity)……器用度、精密性、知恵を示す。いわゆる技術力/AGI(Agility)……速度、機敏度を示す。いわゆる敏捷力/INT(Intelligence)……知力、教養を示す。なお、INTが知識・暗記力とすると、DEXは発想・想像力を示す/APP(Appearance)……容姿、魅力を示す。主観ではなく客観的な総合評価/LUC(Luck)……運命力を示す。世界からの愛され度/POT(Possibility)……成長性、可能性、潜在能力を示す。主人公補正的に重要。
先天才能と後天技術→前者は「生来の個性。天性の才能。天才」であり、後者は「努力によって得た技。鍛錬された術。秀才」である。どちらが良いと言うワケではない。
名前「秀真・路花・マリステラ(HOTSUMA Mytear MariStella)」 強度「16」 職業「ランナー、千祭孤児、学生」 種族「超能力者、人間族」 性別「女」 称号「涙流星」
装備:手~素手……やわい、と思いきや歳の割に硬い、というかしっかりしている。よく観ると生傷も多い、働き者の手。
体~Kが買った布の服……いわゆる普通の服。Kは日常っぽい服が好み。
脚~Kが買った皮の靴……いわゆる普通の靴。Kは膝丈のブーツが好み。
なんでも~星奮の御守り……Kがホシフルイをアクセサリーに偽造して内緒で付けた御守り。Kの感応次第で装備者の総合能力を向上させ、簡易な相手の攻撃を防御・吸収する。力を吸い取ってKに与える機能も付けられるが、今は無い。
なんでも~技能一覧……術師なら誰でも持っている精神的才能。RPGにおける「スキル」の様に、或いは光における「スペクトル」の様に、心を多重人格の様に解離させ内在宇宙に分類しておく。
基本能力:CON・C「健康(異能を除く)」/POW・B+「典型的異能者よりちと上」/STR・C「素手は人並み」/DEF・D「物理は勘弁」/MEN・A「異能者らしいマイペース」/DEX・B「異能を手足の如く扱う」/AGI・C(EX)「野良猫並みのすばしっこさ(瞬間速度だけを言えば、速い遅い以前に速度の次元が違う)」/INT・B「エリート」/APP・C「平均的な美少女(笑)ゲームの顔。つまり美少女(笑)」/LUC・D「同情を誘う」/POT・A「発展途上」
先天才能:超能力者である程度の才能・B+「種族という名の才能。今時流行りの超能力。文字通り超能力が使える。彼女の場合、念話・念視・念写・予知・念読などの超感覚(ESP)や瞬間移動・身体強化・回復・発火や電撃や凍結や純衝撃等の分子操作や物体運動を行う念動などの超運動(PK)など殆どの基本的な超能力を使用可能で、かつ手足のように自由に扱える。ただし特殊なモノは無い」/超自我防壁を使う程度の才能・B-「異能者でなくとも誰でも持っている、敵というより世界と相対するための防壁。あらゆる攻撃に抵抗し、如何なる悪意も拒絶する。彼女の場合、人が良い分、異能者にしてはかなり低い。因みにAで『心的外傷後ストレス障害(PTSD)』並。Sで『先天性の不治の精神障害』。EXで『マジで世界を救うドン・キホーテ』。魔術や超能力といった同ランク未満の精神的攻撃を防ぐ。ただし『精神的防壁』という設定上、話を聴かない頑固親父の拳骨とかは是を無視する。壁を砕こうとする思想が強ければ強いほど頑強になる皮肉な壁。『自我領域』、『掌握空間』、『超自我防衛機制』ともいう。名前が一定しないのは、学術的、教科書的な言語統制が取れていない為」/異能指数・C「黄金狂に何時の間にか記録されているらしい、大祭害前の旧世界と比べての異常度であり、異能者にとっての誇り高い学力偏差値であり、現代の差別。とは言え、別に高いほど精神病質者というワケでも無く、むしろ異能者が主流である現代に当てはめれば高いほど正常である。なおこの場合の異常とは、人類としてではなく世界(或いは住んでいる星)として異常であるかどうかである。一般的にこの値が高いほど異能の力が強いが、必ずしも高ければ良いワケではない。何故ならこれは『クトゥルフ神話技能』に近いから。因みにかつての世界ならAで問答無用で精神障害指定されて脳病院の閉鎖病棟行き。Bなら努力しても違和感が滲みて学校でのイジメ対象。Cならば気を付ければ差別されないで暮らせる程度の一般的な異能者である。この世では路花程度でもCランクなのだ。なおSなら英雄である。『CC』というとあるループ異世界では適応係数とも呼ばれる。その場合は、大祭害のこの世界における適応度を言う。路花の目も無駄に光ってたし、並行世界くらい行けるかもしれん」
後天技術:環境適応する程度の技術・C「どんな状況でも普段通りに活動できる技術。要はサバイバル技能。一身上の都合により身に付いた闇が深い技能。Cなら危険な未開地や貧困地域でも健康で文化的な最低限度の生活を送れる程度。都会でホームレス貴族余裕。初めて見る植物や虫でも食べられるモノか否かを本能的に判別できる。失敗してもまあ大丈夫(というか単に胃袋が強いだけ)。因みにBならマングローブでターザンになり、Aならベトナム戦争の中心で鼻歌を歌い、Sなら核の炎に包まれた世界でヒャッハーする」/単独行動する程度の技術・A「独りで生きて逝く技術。孤児故に基本以上の自立スキルは持っている。Aなら上流階級の高級メイド級。家事を仕事として売られるランク。炊事洗濯掃除買物といった家事は完璧にこなし、新聞や新製品のセールスも相手を不快にさせずに断れて、持ち前の愛嬌で値切りもやる。けれども幸せなお嫁さんを夢見る分、やはり青い? なお、往々に異能者は利益があると判断すれば結婚もするが、利己的かつ自分勝手なのでそうそう誰かと番いにはならない。因みにCなら一人暮らしに慣れた頃の大学生級。Bなら独身貴族級。Sならオカン級である」
総評:「職業」にでなく「種族」に「超能力者」と書いてあるが誤記ではない。彼女は生物学的に分類学的に異界学的に旧人間とは別種の新人類――「異能者」という名の種族である。
歳の割には鍛えており、しっかりしている。というより、「しっかりしなきゃ」という所か。別にこの努力は孤児という境遇故のものではないだろう。何故って無論、戦後よろしく大祭害後の子供は軒並み不遇なのでその不幸度で性格と語るのはナンセンスだからだ(また無論、当者にとってはそれが日常なので、殊更、可哀想扱いするのもまたナンセンスである。逆に言えば手助けするのもまた普通、同情とかではない)。いずれにせよ、同年齢の異能者と比較すると優秀。特に往々にその力の高さ故に才能と直感に任せて生きる異能者にとって、努力の概念は皆既日食並に珍しい(つまり一年に一匹なレベル)。が、やはり幼く、本場で働くにはまだまだ力不足か? 技術の低いが装備の質で上位陣と渡り合う、典型的な異能者。しかし探索・戦闘シーン両方で使える技能を大体取得しており、その点でも大雑把で奇抜な一発屋が多い異能者には珍しい事である(尤も、何処か抜けてる所があるのは共通しているが)。いや、逆に是も他に頼らず何でも自分でやろうという異能者気質から来るものか? 而して同時に、彼女は率先して他を率いるよりも根っからのサポートタイプ……一人で援助すると言うのか、矛盾だなあ。しかしそうやってボケながらも何だかんだでちゃっかり決めるのは、らしいというか、羨ましいというか。頼りになっても不透明な力というのは原発染みて怖いもんだ。とまれ、心も基本、技も基本、体も基本、是と言った華やかさも奇抜性も無い。しかし弱点も無く、全ての基本性能が軒並み高い優秀な少女。ただイマイチ器用貧乏な感じが否めない。それでは己より強い者に会った時に困るだろう。何か一つ二つ懐刀が欲しい所。これからの成長に期待。
あー、後、主観的だが、小説・漫画・動画・映画・絵画・音楽・神話・オカルトを初めとするマイナー・メジャー問わない様々な分野に詳しいから、喋ってて楽しいかな。古臭いコアなネタにも元気に反応してくれるのは良いね。いや別にパッションな子に元気づけられたいおっさんじゃなくて。話の解る奴って俺好きよ? サブカル・アングラだと特に。孤独の優越感に浸れるからな。流行に乗った表面だけしか知らない餓鬼ならちと食傷だが、割と突っ込んだ専門知識も持っており、中々に博識である。頭が良い女は嫌いじゃない。莫迦な男はそういう女が嫌いだろうが。まあそこら辺のレベルまで行くと大体は暗記に過ぎないが。しかし暗記と言ってもその知識はスパコン並みに膨大である。コレも異能の一部なのだろうか。いや、何でもかんでも異能の所為にするのは、彼女の努力への冒涜、或いは……とまれ、歩き方や食事の仕方、話し方といった日常的な礼儀作法や立ち振る舞いも育ちの良さを感じるし、常に周りの状況を考慮して行動するし、自分の養娘にするならこういう子にしたいって感じだな。自己主張に乏しい気もするが、「和を以て貴しとなす」のが自己主張なのだろう。きっと大切に大切に愛情を込め、けれど決して甘やかさず、本人もその期待にしっかり応え、丁寧に育てられたのだろう。或いは孤児という身分柄、褒められる様背伸びして……なんて考えは、悲劇のヒロインを望む、相手を子犬扱いした、フェミニズムに反する上から目線の台詞だな。あー、キモイキモイ。まあ、俺様みたいな旧人間(※「アナクロ」との混同?)にとっちゃ、彼女みたいな異能者こそゴキブリとか黒人とかユダヤ人とか宇宙人並みに問答無用で本能的に……まあ、懐いてくれてる奴に、そんな事は云うもんじゃないか。
名前「アノン・マリステラ(Anon MariStella)」 強度「1+α」 職業「無職」 種族「人造魔生物、小人」 性別「可変」 称号「無号。Null Null」
装備:手~素手……どろどろ。
体~素肌……服は泥で作成。変身してるとすぐ破れる為。つまり実際はマッパ。
脚~素足……右に同じ。
なんでも~星奮の御守り……路花のと同じだが、コチラは勝手に暴走しないための保険の意味もあり、力の束縛と吸収の効果が付与されている……が、そういうのはKの好みではないので、本気でキレたら効果を失う程度の耐久性。
基本能力:CON・S「異常が正常。物理面ではほぼ無敵」/POW・S「悪食とエネルギー効率の賜物。最大値も回復率も底なし沼」/STR・E「子ども」/DEF・E「無抵抗」/MEN・A「素晴らしく平常運転」/DEX・E「児戯」/AGI・E「とろいの木馬」/INT・E「無知」/APP・E~A「可変」/LUC・A「産まれただけで奇跡」/POT・A+「もぐもぐもぐ」
先天才能:灰泥を使う程度の才能・E~A+「主に『吸収(Absorb)』『保存(Box)』『模倣(Copy)』三つの能力を用いる。『吸収』は相手の能力やエネルギーを取り込める。吸収した相手のレベル分だけ己のレベル値を増減できる。ただし己より強すぎるモノは取り込めない。ただし弱らせるとゲットだぜできるかも。また己の許容量を超えた吸収は出来ない。『保管』は吸収した相手やその力を箱詰めする様に己の体内に封印する。殺すワケではないので自由に取り出せる。ただし保管前の状態で取り出せるかは「運」で判定。『変身』は吸収した対象を模倣して己の身体を組み替える。己のランクをその対象のランクに変光できる。記憶を無意識レベルまで吸収するのでほぼ完璧に対象に成り切れる。ただしあまりにレベル差の違う者には変身できない。無理にするとアボーン。詳しくは後述。他にも相手の身体を呪い心を穢し相手のコンディションを状態異常にする『汚染』や、己のレベルを落とした量産品を作る『分裂』なども出来る。『分裂』の上位互換の『分霊』は己と全く同じレベルの分身を作る。『放出』によって灰泥を濃霧の様に辺りに漂わせ、光が砂煙で減衰する様に、相手の攻撃を遮断し変質させ喰らったり、三角錐に固めてドリったりと武器にも可能」:/全支配・C「いわゆるPCにおけるフルコントロール。己のアクセス権限を強引に取得し、呼吸、思考、内臓、その他様々な有意識・無意識問わずの行動を全て手動にする」/励起状態になる程度の才能・C「いわゆるリミッター解除。己の性能、つまり『叡智の星』の力を顕在化させ、本来望まれた仕様まで神化させる。一時的にレベルを1000倍以上急増させ、全ランクをSにする。ただしこれは臨界点突破する炉心融解と同義で在り、やり過ぎると自重崩壊による超新星よろしく文字通り爆発する。つまりオーバーロード。しかも使えば使うほど元の強度と基本能力が減少し、酷い場合には二度と元に戻らない」/初期化できる程度の才能・S++「己の状態を1ターン目に戻す。詳しくは後述」
後天技術:なし。
総評:レベルやランクが低いが、それは素の、腹ペコの状態。他を食べれば雪だるま式でどんどん強くなれる。何処まで強くなれるかは知らん。だが幾ら食べても吸収の許容量自体は強くなれないらしいので、限界はあるだろう。
彼については特に言う事はない。というか言えない。よく解らんし。ただ、やっぱり「吸収」っていう設定は、物語でよく使われるものの、強いなあと思う。敵を「打ち倒す」のではなく「受け止める」闘い方……ああいう闘い方は、俺は苦手だ。それに、己の努力ではなく、他の努力を横から奪って強くなる様な手法はどーもなー。いや、自分がそういう事をした事の無い聖人と言うワケではないが……。
名前「アルトリア・リィラ・マリステラ(Artureare Lyra MariStella)※羅甸語は似た発音に当て字しただけ。彼の世界に羅甸語は無い」 強度「42~」 職業「ランナー、千祭孤児、学生、雑貨屋、ソーシャルワーカー、魔術師」 種族「白星族」 性別「無」 称号「妖精の万華鏡、白虹、虹輝石、他」
装備:手1~星辰の杖・S……彼の世界から持って来た代物で、『叡智の星』に勝るとも劣らない素材で鍛えられた特等星の儀仗。飽くまでも儀仗であり、敵対する為の武器ではない。その意は『星を繋ぐ』の意を持ち、星座を描く事によりその性能を変える、らしい。神話の形態は天多あれど、星に憧憬する思想は普遍と言っても良い。それと同じ様に、これは如何なる相手にも不変的な力を持つ。星奮に似た〈幻想級〉を超える〈神話級〉の力を感じるが詳しくは不明。元は彼の義兄の所有物でその義兄も誰かから貰った物らしい。
手2~白虹の弓矢・B+……文字通りのレインボー。白い弓の身体を持ち、結晶化するまで圧縮した虹光の矢を光速度で放つ。その威力は攻性の様に鮮烈で、その速度は視認と同時に射抜かれる。その威力や速度は気分で変えられ、ある程度なら発射してからの軌道も操られる。普通は発射前に決めて置く。彼の自作であり、本来は武器ではなく、白い光を分光スペクトルさせた虹光の矢を空に放ち、虹色の流星群を楽しむ為に作った、とウェンリットから聴いた。後、威力が大き過ぎて危うく山火事に成る所だったとも聴いた。
手3~素手……やわい、けれども強い。イエラ型白星族は素手でも普通に強い。むしろ素手が強い。何故ならその存在そのものが、既に神話の存在なのだから。その拳は光より速く、その威力は流星より重く、その意志は我が子を守るオカンに迫るくらい硬い、らしい。
体~星図の衣・A……精心に浮かぶ星辰の線を糸にして織った衣。敵の攻撃というより世界からの悲劇を運命的に防御する。真白の衣であり、強く叩くと虹色の星屑が万華鏡の様に散らばる、まるで曙光と極光を服にしたような何とも美しい衣。寒い時は朝日の様に温かく、暑い時には夜月の様に涼しくなり、夜には星の様に淡く輝く、彼の故郷の特産品。本来は子供向けの寝着だが、交易品として他国に渡った際、綺麗なので大人に昼間にでも着られる様になった結果、それが逆輸入して彼の村でも大人に昼間に着られる様になった、らしい。子ども向け、か。確かにそーゆーのあるよなあ、光るパジャマとか光る靴とか、光るアイスとかケーキとかスシとか。
脚~草花の靴・C+……自作。ローとも。彼の故郷の草花を編んだ靴。靴に成っても元気に生きていて、傷付いても水と光と詩を与えれば元通りに成る。便利だが、長く放って置くと地面に根を生やすのでその点は不便。彼の故郷の生命の息吹を感じられるのは今の所これのみなので、とても大切なモノ。
なんでも~薄明の琴・Unk……彼の心が描く自作の楽器。彼の幻想作家は薄明を「光のパイプオルガン」と称したが、彼には「光のハープ」に見えるらしい。彼の住む教会の子供を寝付かせる時に聴いた事があるが、その音は感動というよりも安心を与え、懐かしい原風景を思い出させてくれる。良い夢が見られると評判。だが例え運転中でも構わず眠く成る為、割と危険である。その音は聴く者により、透き通った光の音や風水草のせせらぎ、砕ける硝子音や誰かの声、「私の知っている景色に似ているある、種のリズムや音のサンプル集」など様々である。私には心臓の鼓動やオイフォンに聴こえる。なお、イエラ型白星族が特定の楽器を持つ事は珍しいらしい。彼らはその声だけで如何なる楽器の音も演出し、かつ美しい音を出すのだから。楽器があるとしても、それは自然が彼らにつられ、歓喜する風の笛や大地の太鼓である。どうでもいいが、道具の名前である「エレノワール」とは、現界の仏語の光輝を意味するヘレンに由来するとされる「エレオノール」と同じく仏語の黒を意味する「ノワール」を組み合わせた造語「白夜」に由来するのだ、とトワイライト的に一瞬考えたが単なる民間語源だろうので止めた。彼の故郷の世界には仏語(Fra)などない、と思う。まあ、大祭害のような異界交流がこの世界だけで起こったとも、そうだとしても初めて起こったとも思えないが。過去の神話や伝承はもしかしたらそういう存在なのかもしれない。てか薄明は太陽が見えない時間だし白夜違う。というかイエラ型白星族は新たに名前を付ける時はしばしば音の響きだけを重視したり、「意味は後からついてくる」という考えのもと既存の単語を避けて名付ける「はてしない物語」システムのような思想があるので、由来を研究するのナンセンスである。いわゆるDQNネームは名前にとらわれ過ぎなのだ。音が先か、意味が先か……ソシュールだな。まあそんな「あなたがそうだと思うものが(略)」なんてのは哲学的な噺じゃなく日常的な噺なのだが。外来語とか無理矢理訳す感じのね。何時か全ての音と意味は一つに成るのだろうか。宇宙開闢と共に膨れ上がった宇宙が、何時か一つに収縮する様に。まあ成るとしたらその世界は管理か無知だろうが。ほんとうの幸はどちらかね。どちらかしか選べない時点で偽物か。全は一、一は全。色即是空、空即是色。全く、ヤレヤレだぜ。
なんでも~心象世界・EX……心という異世界。というか四次元ポケット。此処に装備を収納し、物質化現象のように顕在できる。星辰の杖や星図の衣以外にも色々な装備が存在するが、けれどもこれは別の物語。大なり小なり魔法使いなら誰でも持っている力、というより邪道・邪教・違法たる「魔」法使いという生き方そのものとされ、心象世界を広げれば何処ぞの「固有結界」や「恋するハート」や天多の宗教・メディア・サブカルを始めとする「プロパガンダ」よろしく既存の世界の常識を己の〈法〉で塗り潰す事も出来る、らしい。ただしその使い方は世に仇名すことに成り、最後にはアハト刑や無視刑や石ころぼうしや結晶時間よろしく世界に認識されなくなるとか何とか。まあそうでなくとも汚いホームレスなんて日常的に……なんて知識をひけらかす奴はきっと耐えられないだろうな。
基本能力:CON・S+「生来の白星族の身体能力」/POW・S+「生来の白星族の精神(略」/STR・S+「生来の白星族(略」/DEF・S+「生来の(略」/MEN・S+「生(略」/DEX・S+「(略」/AGI・S+「(」/INT・S+「」/APP・EX「色即是空、空即是色。他者の理想を映す。光学的なモノなのか、クオリアなのかは不明」/LUC・EX「世界に祝福されている」/POT・E「完成されている故に」
先天才能:白星族である程度の才能・S+++「種族という名の才能。無論、黒人なら運動能力が高いワケでも無く、此処における白星族とはイエラ型白星族の事。だがいずれにせよ、彼等は生まれながらの英雄、花形、文字通りのトップスター。彼の者はまるで機械仕掛けの神に祝福されているように、或いは神話の半神の様に、如何なる悲劇的フラグもハッピーエンド至上主義の下に運命的に打破する。だが努々忘れるな。物語のハッピーエンドの条件は、ハッピーな時に終わる事だと。現実なら、無論、死だけがエンドだ。あの世が在る設定の方達は知らん」/詩う程度の才能・S+「イエラ型白星族にとってのいわゆる魔術。正確には『魔』でも『術』でも無く、歩いたり笑ったりする様なただの生体機能、日常行動である。『S+』ならまるで物語を語る様に、世界に己の理想を顕在化させる。原理はよく解らないが(そも魔術自体が私には意味不明だが)、詩によってある種の音波や電磁波的な波動を世界に与える事により、基底状態にある世界を任意の励起状態を起こしているのだと思われる。例えば水に熱を与え水蒸気にする様に、海が波になり、大気が風になり、大地が山になる様に。波動と書けば何やらオカルティーに聴こえるが、実際、そうヘンテコな噺ではない。音楽や絵画が人を感動させる様に、精神力は確かに在る。無表情が基底状態とすれば、喜怒哀楽が励起状態というものだ。そのように、世界、或いは星の意志というものを任意に変化させるのが、彼らの魔術なのだろう。ガイア理論だな。まあ当人に言わせてみれば、精霊や神への祈りや交信、つまりチャネリングに近いらしいが。ニューエイジャーだな。その思想はホシフルイに似ている。星という胎児を躍らせる、幻魔怪奇のドグマに。その手の精心系の噺は、『何でもアリ』な感じであまり好きではないが」
後天技術:即席魔術を使う程度の技術・E~B「いわゆる『インスタント・マジック』。正式な和名は『魔術』ではなく『万術』らしい。『魔の法』ではなく『万の法』という所だろう(或いは帰依教?)。小難しい知識や長い詠唱、嵩張る小道具を用いず、まるで携帯のアプリか拳銃の様に、何時でも何処でも何人にでも簡単に使えるようにした魔術。まるで魔法のバーゲンセールだな。神秘性もあったもんじゃない……などと言うのはアナクロのレトロ、『あの頃は良かった』というデカダンスか。そもそも宗教(特に聖書)自体が無力な社会弱者の為に存在する書物あり宗教を殊更神格化してしまうのはそれこそ無学な(以下略)。慣れれば無動作でも行使可能。純粋な力学的エネルギーをぶつけるマジックミサイル(MM)から重力を無視するアンチグラビティ(AG)まで、色々出来る。なお、彼の場合、この技術の『E~B』というランクは当てにならない。例えランクDのデリンジャーなMMでも、白星族が使えばランクBの大砲になるだろうからだ」/異界知識を用いる程度の技術・A「魔術、超能力、神話と言った(かつての世界における)非日常的な事に関する事柄への理解度。Aなら最上級大学の優秀な生徒並。なお、AからSに上がる為には、知識としての暗記力だけではなく、知能としての発想力も必要と成る」
総評:ゲームバランス調整の為に弱体化された諸々のエルフとは違い、イエラ型白星族はトールキン型白星族よろしく自他共にかつ名実共にTASキャラ。魔法使いながら物理も可能な、生まれながらの最良最高最美の種族。約束された勝利の種族。黄金の民。天上の使徒。太陽の薔薇。掛け値無しの比喩無しのトップ存在である。神話と地続きの存在であり、その力量は文字通り神に保障し保証されている万能存在であり半神。無論、全能ではなく神でもない。そして飽くまでもその神は彼の住む世界での神である。神の何と深き事よ。また、彼自身の性格なのか、イマイチ抜けている感じがする。そう訊くと「そんな事ありません。……多分」、と横目がちに言われたが、やはり性根が呑気でぽやーっとしているきらいがある。異能者も抜けており、ここぞという時に失敗する者が多いが……能力が高い故か、まだ歳が幼い故か、焦燥感と危機感がないようだ。人間よろしく食物連鎖的な立ち位置(イエラ型白星族は食事は必要なく趣味でしかない)が高いとボケるようなものだろう。まあ都会な人間は衣食住に困らなくなった結果自分の力でソレらを取る能力を無くし自然の動物に自由と気楽を見出すという阿保な進化をしてしまったが。
余談だが、エルフといえば百歳とか千歳とか長寿キャラが典型だが、彼の年齢はこの世界の人間の感覚で言ってまだ高校生程度らしい。故にエルフだからと言って完璧なお姉さんとかお母さんとかお婆さんとかに見られるのが辛いとか何とか、とあるKさんから義妹として扱ってもらえないのが微妙に辛いとか、私にだって出来ない事くらいあるとか何とか……何かそんな感じの事をウェンリットからニヤニヤして言われた。「とあるKさん」と言うのはつまり……まあ、そんな事は「Frankly, my dear, I don't give a damn」、だ。けどそれも仕方ないんじゃないかな。いやだって、アルフだぜ? 誰だってそう思うだろうよ。それは人が神に祈るような、本能的な思想だ。彼奴等は文字通りの天の使い。助けられるのではなく助ける側。悪い魔女を自分で倒す「アリーテ姫」。無垢で、虚弱で、不憫な、悲劇で不幸な美少女ゲームのヒロイン役を求めるのは、ヴィランとヒーローに酷って噺さ。だからとあるKさんに囚われのお姫様を助ける王子様役を望むのは……その、困る。
名前「ウェンリット・マギナ(Venlit Maghina)※羅甸語は当て字。彼の世界に羅甸語は無い」 強度「23~」 職業「ランナー、千祭孤児、学生、鍛冶屋、錬金術師」 種族「銀地族」 性別「無」 称号「巨人の武器屋、星剣、被覆鋼娘、他」
装備:手1~竜頭火鎗・B……愛称は「撃突の参番(COM/LⅢ)〈竜頭火鎗〉」。正式名称は「Category=Lance.3 “GUN=GNIRL”」。ドラゴンを模した砲身を持つ、いわゆる「パイルバンカー」。巨大な速度で巨大な質量を発射する、力学的エネルギーの権化。莫迦みたいな武器。そこらの戦車より巨大で、単純な威力なら戦車を凌ぐ。自作。
手2~輝槌・B……「撃叩の拾弐番(COM/HⅩⅦ)〈輝槌〉」。「Hammer.17 “MIJOLNIRL”」。それ自体の速度×質量で相手の装甲を砕き、間髪入れず作用点を爆発させる事で成形炸薬弾の要領で爆発攻撃を相手の内部に与える、というコンセプトの武器らしい。弾丸ならまだしも、銃身を爆発させるとは、幾らでも創っては壊せる錬金術師ならではの攻撃と言える。自作。
手3~穿・S……「撃滅の二番(COM/ATⅡ)」。正式名称は無し。設定はよく解らない。見た目はシンプルで長身な大砲に見える。貫通力に特化した「装置」で、何モノをも貫く、らしい。貰い者。
手3~素手……やわい、ワケが無い。イエラ型銀地族は「体は剣で出来ている」を地で行く「鉄血の騎士」。その拳は大砲より速く、その威力は地震より重く、その意志は我が子を叱るオトンに迫るくらい硬い、らしい。
体~星骸布・S+……「エロェルルロ・レレルロ」ともいう。噛みそうな名前だ。本人は鎧というが服にしか見えない、星の骨と呼ばれる銀地族の遺骨で出来た服。遺骨というと眉をひそめるかも知れないが、イエラ型銀地族にとっては伝統的な素材である。「魂は肉が朽ちた後の骨に宿る」という教義の元、その素材の価値は生前の行いで決まる。彼の骨の場合、著名な英雄の骨らしく、かなり上等なものらしい。仄かに熱を帯びており、その強度は硬度、靭性、剛性共にまさに星の様に凄まじい。貰い者。本人曰く『その硬さは黒猫のサイボーグが暴れ回っても破れないくらいに強い』とか何とか。ああ成程、骨だけに『Born Bone』ってやかましいわ。他にも「マントル」だとか「地殻」だとか言っていた。彼の故郷では「大地は星の骨」であるという思想があるらしい。外骨格かよ。
脚~素足……美しい筋肉が織りなす、健康的な漆の脚。イエラ型銀地族にとって脚は植物における根っこと同義らしく、素肌が地面と接触していないと力が出ないらしい。錬金術を使う時も靴が絶縁体のようになって効率が落ちるとか。尤も、それらも土や鉱物で作られた靴を使えばある程度は問題ないのだが……やはり、結局は単なる好みなのだろう。
その他~黄金の腕輪・B……黄昏色の腕輪と脚輪。鎖が付いており、アラビアンな祝詞が刻まれている。外は冷たく、内は熱い。「ラーイヌム」ともいう。正確には特定の素材と技術を使った作品の総称でそういう。彼の故郷の特産品。どれ程の質量密度を持っているのか、小さいくせに阿保みたいに重い。その重さは星の様な万有引力が発生する程で、多分、月くらいの引力は在る。ただ同時に磁力も帯びており、錬金術師たる彼は斥力を操作する事で引力を調和している。無論、攻撃や防御に使う時は半端なく重い。「月落とし」を物理的にやるレベル。なお「イーヌム」とは銀地族の言葉で「地下世界」を意味する。聞いた話から連想するに、シャングリラから行けるアガルタの様な楽園らしい。豊かな鉱物が天多在るとされるので、黄金の国ジパングにも似ているか? 楽園の噺は国民性が現れるので聴いていて面白い噺の一つである。
基本能力:CON・B「草野球のエリート。ガテン系」/POW・B+「基本的な幻想種族」/STR・A「大砲」/DEF・S「親方のげんこつより固い」/MEN・C-「金剛石」/DEX・C(A+)「平時は大雑把(本気だと錬金術師らしい技術力)」/AGI・B「銀地族とは思えない瞬発力」/INT・A「阿保に見えてやはり錬金術師」/APP・E~A+「魔改造」/LUC・C「常人」/POT・A「幼い」
先天才能:銀地族である程度の才能・A→S「種族という名の才能。『ドワーフはケイ素生物』というのは、アリそうであまりナイ設定か? そもそも鉱物の身体を持つ、という設定自体あまりないか。ゼル伝の『ゴロン族』は無機物っぽい……と思ったが良く思い出すとアレは脂肪でたぷたぷっぽかった。てか生命を持っている時点で無機ではない。それに彼の世界にケイ素が在るかどうかも知らんし。彼はこの世界における人間のような種族と神話におけるドワーフの様な種族の混血であり、普段はこの世界の人間の様な姿と柔らかい肉の身体を持っているが、銀地族の力を偏光させると節足動物よろしく身体が鉱物の外骨格に覆われ、文字通り武骨な鎧で身を包んだ様に骨の身体となる。変身後のランクはS。その身体は花の種の様に、鳥の卵の様に、星の地殻やマントルのように堅牢で、あらゆる敵意に征服されない。その堅牢さだけは白星族に匹敵する」
後天技術:錬金術を使う程度の技術・E~A+「いわゆる『ハガレン』的な錬金術。武器をドガドガ造っては敵をバゴバゴ倒す、浪漫技。彼の場合は手合わせ錬成ではなく地面を踏んで錬成しているが。因みにその行動は自己暗示みないな儀式で、無動作でも錬金出来ない事は無いらしい(ただ、儀式を挟んだ方が良い)。周囲の液体・個体・気体・プラズマ、有機・無機を問わず、果ては心までも素材にして、己が世界を創りだす。造りだされる道具の能力は素材により変動する。形体だけなら神話の武器さえ造られるが、その性能まで至るにはSランクが必要。ましてや何処まで行っても模倣であり、完全同一はEXランクが必要。Dなら『ラーメンやブラジャー』、Bなら『ミサイルや水爆』、Aなら『医療』が可能である。実際、彼はよく戦闘で四肢がブッ飛ばされては四肢を錬成している。ただし真理の扉にパクられた様な概念的に失われたモノは造られないらしい。中には生命や魂を造り出した者もいるそうだが、哲学的ゾンビよろしく人間と見分けがつかないほど高度に発達したAIなのか、本当に魂なのか判別する方法が無いため、本当なのかは不明。その原理は本丸で無いのでよく解らない。傍目には魔術とそう変わらないと思われるが、本人は明確に違うと言っている。言いたい事は解るが、やはりカトリックかプロテスタントかの違い程度にしか思えん」/星殻を用いる程度の技術・A+「彼の身体に皮膚の様に薄く張り巡らされている、目に見えず質量のない鎧。SFにおけるいわゆる『シールド』。ミュータント能力で言えば『エナジーフィールド』。イエラ型銀地族の言葉で言えば『シェロン』と云う。攻撃を受けると何処ぞの『鉄腕』的な『生体防壁』よろしく火花を出しながら防御し、その強度はそのまま攻撃にも転化する。目に見えないので武器にしても割と強い。足元に用いる事により、強力な磁石か爆弾を使った様に地面を跳ねられるので、機動力にもなる。しかし何よりも凄いのは、空気や熱を溜めて置いたりも出来たりする宇宙服並の万能さだったりする。元々は銀地族由来の『才能』だが、彼はそこに錬金術を加えて『技術』化している。広範囲展開、三角錐や球体などの変形は錬金術由来。ただ使い過ぎるとお腹が減り。体温が減り、水分を失った泥の様に身体が朽ちる。まあ銀地族は泥人形の様に身体を造り変えられるので朽ちても後でくっつくのだが。その強度は本人曰く『ラーメンから隕石まで防ぐぜ! 多分』との事。ただ精神攻撃には全く効果は無く、また防ぐのは傷だけで衝撃は防げないので重い攻撃を受けると吹っ飛ぶ。彼は銀地族よろしく。どういう原理かは不明。恐らく、『超自我防壁』と同種のものと思われるが、生物が心臓を動かすのと同じくらい無意識的な生体機能なので、使ってる本人もよく解らない。ただ『太陽風を防ぎオーロラを作る星の生体機能……つまり『磁気圏』と同じ様なものじゃないかな』と言っている。理由は『何かカッコよくない?』との事。知らんがな」
総評: エルフと並んで物語に用いられるだけあり、銀地族も中々に優秀な種族。その堅牢さで言えば白星族に匹敵する。後衛精神のリィラに対して、ウェンリットは前衛物理というところか(まあリィラは先にも言った通り万能の天才だが)。銀地族といえば大抵は鈍重だが、彼は銀地族の割に軽く割とすばしっこいのでその短所も無い。ただ逆に軽すぎるので、巨大な武器を好む割には武器に振り回されているきらいがある。というかこの世界の物質を素材にして武器を造るより、己の身体を弾丸よろしく星殻を用いて縦横無尽に特攻体当たりするのが一番強かったりするのだが、まあいいや。また物理攻撃には無敵に近い攻撃と防御を誇るが、精神攻撃には意外と弱かったりする。しかも一度傷付くと中々直らないというガラスの少年っぷり。ダイヤモンドは砕けやすい。かつ怒ったら火山の様に手が付けられず周りが見えなくなるピーキーぶり。この気質は種族由来のものなのだが、それにしてももうちょっと精神面を鍛えた方が良いと思われる。いやあ、でも種族的な良さを無くしてしまうのも問題だろうか? まあ、いずれにせよ、私が決める事ではない。
名前「流夜(別名、楽歓大世・舞闘・駆音・静花・烈翔・月影・遊幻・怪討爛魔・天遺夢宝・銀蒼月華雷刀丸・流世(らっかんたいせい・ぶとう・くおん・せいか・れっしょう・かげり・ゆうげん・かいとうらんま・てんいむほう・ぎんそうげっからいとうまる・ながれよ)」 強度「122~?」 職業「ランナー、学生、侍、忍者」 種族「獣族(主に人獣、本気時に獣人)・妖怪族(?)」 性別「不明」 称号「大神鳴りの蒼月華、雷光忍者、雅心閃刃、天煌裂刀、他」
装備:手~素手……マウンテンゴリラ並のパンチ力。
体~霊服・E~A+(霊気により変動)……つまり概念武装とか魔術礼装とかいう奴。というか心霊現象における物質化現象か。この手の技能は本質的に曖昧な心を一定に保つ事が必要で、強い集中力と細かい想像力がいる。それを無意識に出来るとは、大した練度である。普段は洋服だが、本気時には大和の振袖のような服を好む。元は中国辺りの亜方面の出なのだろうか? 普段の天真爛漫な雰囲気と一転し、霊力が散逸し雪月花の様に火光が舞い散る様は幻妙で、何だか阿保な女友達が正装した時のトキメキを感じる。
脚~霊靴・E~A+(霊気により変動)……右に同じ。
なんでも~お面・E~A+……これは物質。自作のお面から市販のお面から屋台のキャラ面から一点物の高級お面まで持っている、お面コレクター。敵ではなく己に対する防具であり、対話道具。己の獣の野生本能をペルソナ、ケ、裏、暗闇の内に抑え、宥め、安心させる重要な儀式道具らしい。お面を被る事自体が重要なので、お面自体のランクは割と関係ない。むしろ今日の気分に合っているかどうか、気に入ったかどうかが重要。
基本能力:CON・A「野生児」/POW・B「巫女」/STR・B「グリズリー」/DEF・C「意外と低め」/MEN・A+「特流俳優」/DEX・B「そこそこ」/AGI・S「チーター」/INT・C「平均」/APP・A「詩人に歌われる」/LUC・C「まあまあ」/POT・B「良」
先天才能:獣族である程度の才能・C→B+→A++「種族という名の才能。『獣族』というのは人獣・獣人をひっくるめた呼び名。獣族だからと言って運動能力が高いワケではないが、彼(彼女?)は一等能力の高い『灰蒼騎』と称号される異世界の獣、この世界でいう狼に似た獣の性質を持つ獣の性質を持つらしい(飽くまでも称号で、狼を指す事があれば、魚や鳥を指す事もある)。いずれにせよ、とても神格の高い獣であり、この世界で言う大神(神鳴り)と同じくらい雄々しく畏怖し尊敬される存在であるらしい。普段はケモ耳とケモ尾を生やしただけの人獣の姿を取っているが、本気モードの時はファーリー(アンソロ)よろしく頭まで全身毛むくじゃらに獣化する。その時はお面を付けて素顔を隠すのが彼の嗜み。尋ねると隠す事により『ハレとケ』の陰影が云々と熱く語ってくれたが、余白が無いので割愛する。忘れたワケでも面倒なワケでもない。更にブチ切れた時はズーフィリアよろしく言葉を忘れ四肢で移動する程に完全に獣化するらしいが、『ザ・ビースト』よろしく暴走状態であり、こうなると最悪の場合は相手も此方も殺傷を考慮しなければ止められない。因みにアルルカが彼と初めて会ったのはこの暴走状態の時らしいが、詳しくは不明。『シートン動物記』みたいな事でもやったんだろうか? 自分が殺した夫婦の子供とか言う設定ならワクワク……ってそりゃライオンだな。アグラオネマ好きの。雷は合ってるけど。それに主人公が殺したワケじゃない。てか不謹慎だ。忘れてくれ。兎角。その際の能力は順に『C→B+→A++』と変化する。なお、そこから解る様に彼は、普段は人獣の姿を取っているが本来は獣である、妖獣や妖怪の類なのではないかと思われる。が、そういう事を彼に訊くと『おいおい、あんまガッカリさせますな大将。【黒金】さんともあろうものが舞台裏を訊くなんて、無粋ですぜ?』と肩をすくめられてしまった。なので実際の所は解らない。というか勝手に理想を押し付けられても困る……まあ、全く悪意の無いむしろ爽やかな言い分だったので、その台詞を受け取ろう」
後天技術:霊気操作・A+「妖気ともいう、波動的な何か。てかぶっち『念能力』。戦闘時には是を刀の様にして闘う。「心の刃」というと、少年漫画が好きそうな設定(言うほどあんまり見ないか?)。その刀身は雷光の様に熱く迸り、荷電粒子が光速度を超えるチェレンコフ光の様に蒼い。心は物語がそうである様に物理的な距離と時間を超え、光よりも速い……と書くと浪漫かな。星と心はくらやみにて輝く、なんて。その性質上、伸縮柔固曲直熱冷殴斬自由自在で、敵が人質を取るようなシチュでも斬りたいモノだけを斬るという芸当も可能。手裏剣にも出来る。元気玉よろしく他の者の霊気を束ねたり、逆に他に霊気を与えたりも出来るらしく、割と万能。ただ気分次第で能力が変動するピーキーな面もある。しかしピンチの時にキレて逆転する様な、主人公っぽい事が出来そうだ」
総評:此度の界異で初めて共演させてもらったが、噂通りの文句無しの強キャラの一角。上位ランナー。常人越えの世界レベル。リィラとそう変わらない歳に見えるのにこのレベルとは……天才であり秀才なのだろう。華が在るとはああいう役者を言うのだ。「戦闘における天真爛漫ながらも艶麗繊巧なその様はまさに舞闘。傾城傾国、高級娼婦、吉原花魁を思わせる、自然ながらも艶めかしく艶やかな、炎宴とした美しさを魅せ付けられ、目に焼き付いて離れない」――と何処ぞの記者が言っていた。綺麗で強いのは認めるけど、アイツ女性なのかね? 男娼じゃネーノ? いやそも「娼」でもないだろ。知らんけど。けど能力の高さは自他共に認められる一級品。心を武器にするのでピーキーな所もあるが、それも問題ないほどに、一流の刀の如く仕上がっている。この度の灰泥界異で知り合いにもなった事だし、しっぽり、もといしっかりと交友を深めたい所である。
名前「マグナグレキア・アルルカ・ナントカ=カントカ(別名、燐戦大世・近衛・武鎧・絶倒・殴界・滅法・常往山塵・爆心・壊力爛塵・神魔総闘狂酔鬼・明流瑠果(りんせんたいせい・このえ・ぶらい・ぜっとう・おうかい・めっぽう・ばくしん・じょうじゅうせんじん・かいりきらんじん・じんまそうとうきょうすいき・あるるか(←流夜命名))」 強度「10000~?」 職業「ランナー」 種族「鉱物族(?)」 性別「男」 称号「殴り屋、一殴倒億、畏怖憧堂、他」
装備:手1~素手……まさに静かなる人間爆弾。「皇帝の爆弾」を拳圧で防ぎそう。彼にとって武器は拘束具でしかない。しかし何より畏ろしいのは、それだけの威力を拡散せず任意の範囲に抑える超常的な力である。意味不明。
手2~星祭(星奉)・EX……流夜と所有を共有する、彼の唯一の武器。使う所はあまり見られない。恐らく、私の星奮と同種の物だと思われる。だが主題は全く違い、星奮のような変幻自在の万能さはなく、ただ威力だけに特化した代物の様だ。かなりピーキーな能力で、一回の戦闘で一発放てるかどうかの非効率さらしい。文字通りの必殺技、切り札、フィニッシュ・ホールド、「スーパー戦隊シリーズ」や「仮面ライダー」における決め技に近い感じがする。どうでもいいが、あの手の決め技は怪人がフラフラになった時に使うが、最初から使おうとは思わないのだろうか。そりゃあれだけ演出に時間かけてれば元気な状態の怪人に当てるのは至難の業だろうが、「クウガ」よろしく「封印エネルギーを流し込む」的な設定があるならまだしも、ただ単純に威力の高い技ならばオーバーキルを叩き込むただの外道である。まあ、そこん所にツッコムのは野暮かもしれんが。けど、哲学的なストーリーって、意外と子供向けの噺にこそ多いもんだよなあ。「星の王子さま」とか、「はてしない物語」とか。アニメに対する真面目な考察を笑う奴は、それが解らんのです。
体~普通の服……特に目立つ武具は無い。が、多分、メテオにも耐える。
脚~普通の靴……右に同じ。
基本能力:CON・Un「とても強い」/POW・Un「同上」/STR・Un「同上」/DEF・Un「同上」/MEN・Un「同上」/DEX・Un「同上」/AGI・Un「同上」/INT・Un「同上」/APP・Un「仮面で見えない」/LUC・Un「同上」/POT・Un「同上」
先天才能:不明。
後天技術:不明。
総評:バグキャラ? よー解らん。全く本気でないし、これでもそれなりの戦場と敵に会って来たので大体の相手の能力の当たりはつくが、彼に対しては一向に限界が見えない。流夜と同じく初めて会ったが、噂以上に理不尽なほど滅茶苦茶強い。白星族ではないと思うが……何なのだろう?「本気は全く出していないが、それでも星の熱光や重力の様に、溢れ出る強キャラ臭が彼にはある」――というような世間体的な褒め言葉を言ったら、「『臭』? 俺はまだ加齢臭って歳じゃねーよボケ。腐ってねーわ」とか言われてしまった。そうじゃない(そして加齢臭は往々に己では気付かなく、身体が腐っていく臭いでもない)。人間のように見えるが、その身体は松木男よろしく刺青の様に木目模様があり硬いので、植物族か鉱物族だと思われるが……何なのだろう。明らかにヘンテコと解る灰泥よりも、そのヘンテコさを巧妙に隠しているため、余計に不可解である。
――以上、主観的な簡易評終わり。
(※名前「チェイス・自歩・駆乱芸・マリステラ(Chaos Zippo Clrown MariStella)」 強度「420」 職業「ランナー、道化師、教師、ソーシャルワーカー」 種族「人間族、複重歩行者(竜)」 性別「男」 称号「黒金、混沌の竜魔人、黒光」
装備:手~星奮・F~EX……まだちゃんと星に成る前の、未発達の原始星を、そのまま丸ごと道具にした永遠の受星卵。そうする事で、例え思想がどれだけ変わろうと、種がまだ設定を持つ前の状態に戻られるという。事象の地平面を超えた無限にして単一の資料と形相を持つ、世界そのものを加工した、創造の羽ペン。所有者が望めば如何なる神話の剣にも成り、如何なる想像の盾にも成り、如何なる便利な道具にも成り、しかしそれ故に己一人では産声さえ上げられない、完全受動存在。その者が描くは「はてしない者語」。猛き願い無き者は是を用いる事は叶わず、本当の望みを解らぬ者は何時か己を忘れ眠り果てる――貰いモノだけど、最初は無理矢理移植された親の仇の腕の様に手酷く扱ってたようだけど、最近は何だかんだで大切に扱ってるようで感心感心。これが世にいう「腐れ縁」、かな?
体~古着の服……実用性を重視し、かつさりげないオシャレを両立させた、古着から作った自作の服。よく教会の子供に服も作ってくれる。
脚~古着の靴……右に同じ。
基本能力:CON・C+「常人」/POW・E「異能を覚えるのは難しい」/STR・C「常人」/DEF・C「常人」/MEN・A+「目を瞑って明確に対象を思い浮かべられる、大量の生死の瞬間を見ても数秒で落ち着く、残弾が切れても戦車の主砲に齧り付く」/DEX・B「技術は一流だが心に響かせる力はイマイチ。器用貧乏」/AGI・C+「常人」/INT・A-「大祭害前の高等教育の講師並」/APP・B「仕事柄それなりに気を使っている」/LUC・D「暗い星」/POT・EX「ほんとうにどんなつらいことでもそれがただしいみちを進む中でのできごとなら峠の上りも下りもみんなほんとうの幸福に近づく一あしずつですから」
先天才能:人間族・A「種族という名の才能。想像という無意味に意味を見出す能力に長け、完全でない故に可能性を持つ。曖昧である故に化物に成り切れず神にも成り切れず、それ故に存在自体が不思議な妖精さんと違って不思議なが沢山集まって来る中立存在。なーんて人間を特別扱いすると、また怒られるかな?」
後天技術:複重歩行者(竜)・EX「【力】の主題と〈階級・皇帝〉の能力を持つ、『壊すモノ』。正悪の違いなく、己を含め全てを灰燼に帰す。蝋の羽根持つ冒険者に対する太陽の如く、英雄に対する試練の如く、絶対の力を持って因果応報の牙を向く。しかし最後には神話の英雄に倒され敗北する運命を持つ、最強にして最弱の魔王」/ 単独行動・B+「人の手を借りずに能力を行使する技術。家事とかNHKを断るとかが上手。ただしあまりにランクが上がり過ぎると『協力行動』が苦手になる。Aなら初めての共同作業はほぼ確実に失敗し、その後もかなり馬が合わないと鹿の喧嘩の様に己の角で突き合う」/平常運転・C+「如何なる状況でも常に平時と変わらない力を行使する技術。この技術が高ければRPGの様に、幾ら体力や精神力が減っても変わらぬパフォーマンスを発揮でき、混乱や恐怖などの状態異常に抵抗を持ち、相手がどれほど同情を誘おうが美女美男だろうが地位の高い王族だろうが構わず打ん殴る」/心眼・B「努力により鍛えられた洞察力。観察力。経験則により相手の攻撃を見切る。僅かでも勝機が在れば弱々しい手札から渾身の切り札を叩き込む晴れ舞台まで持っていく。天性のソレは『直感』『第六感』『虫の知らせ』という。高いランクのものは、高名な棋士のように次の手を予測して運命を組み立て、疑似的な未来予測さえ可能にする」器用・C「万能な技術。初めて行う事でも説明を聞かず何となく上手にできる。天性のソレは『天才』という」/俯瞰視点・C「状況を客観的に広く見る能力。指揮能力とはまた別」/同調連鎖(星奮)・B++「星奮と仲良くする技術。イメージを明確に伝え望んだ道具を造られる。基本能力のランクを任意で上下できる(Bなら1、頑張れば2)」
総評:総評:常人の中では探索・戦闘能力共にとても優れています。特異な力はないモノのそれを星奮で上手くカバーしています。大変よく出来ています。ただ己の望む欲する能力ばかり鍛えていては、結局は自分に合った状況しか解決できません。もっと色々な人と一緒に切磋琢磨し、時間の無駄だと思っても、多角的な視点を見出す事をお勧めします。)
・アノンについての感想文(または飼育日記的な)
十字架教の最初の人間よろしく、アノン(またはアニア、イリア)に始まる灰泥人形について、個人的な解釈を記して置く。この人形は、錬金術の文献において卑金属を黄金に変えるとか不老不死の霊薬を造るとか言われる「叡智の星(philosophers’ stone)」を主題として後は蛙と蝸牛と小犬の尻尾と砂糖と香辛料と素敵なものを一杯組み合わせて出来た存在である……らしい。製造方法くらい創った本人に訊けばいいのだが、その本人は酔っていたのでよく覚えていないとか何とか供述しやがるのでよー解らん。故にその生存主題も解らない。「なんのために生まれて何をして生きるのか、そんな責任負えるかバーカ」、だってさ。だから認知しろよ……。
まあ、邪推するのは勝手だ。灰泥人形の目的は、力を蓄える為だと思われる。灰泥人形を街中に散布させて、超能力や魔術といった力を模倣させ、最終的には己がそれを取り込んで己の力とするつもりだったのだろう。まあ早い話が女王蜂と働き蜂の構図だ。女王というより逆「幸福な王子」だけど、王子というより王様だけど。「世に平穏のあらんことを」的な。どーでもいいが蜂が青虫を肉団子にするのは、中々アレな景色である。綺麗事を言って金を巻き上げるのは、どの時代でも同じだな。そんな力を手に入れて何がしたいのかは解らない。世界を滅ぼすだとか作り直すだとか征服するだとか、よくあるラスボス系の台詞を語らせるのは勝手だが……けどまあ、私が思うに、単に目立ちたかっただけだろう。こんな世界だ。自分の力を誇示したいのは解らなくもない……いや、別に私がそういう事をしたいってワケじゃないからな? そこは勝手に邪推しないように(※ハイハイ(笑))。
しかし、そうなると気になるのは灰泥人形の行方だ。ぶっちゃけると、今は改心してちゃんと認知しているみたいだが、最初はお父様は灰泥人形の事など消耗品の道具としか見てなかったらしい。それでいてほとんどの個体に見られた狂信的な父への愛は、そうなるように造られていたからに過ぎないようだ。プログラミングの愛、的な。或いは神に対するソレ? その存在理由は右にも書いたとおりである。しかしながら、飽くまでも「ほとんど」である。「人形の家」よろしく知能を持った者は自ずからお父様から離れる個体も見られ、実際、お父様が公共メディアで呼び掛けてあの莫迦騒ぎを起こした時は、集まりが悪かったらしい。それが予定調和か、教育不備か、予想外か、自己の確立か、世界の広さを知ったからかは解らないが、まあ、私は選択肢を用意してくれたお父様の優しさではなかろうか、と思う。
因みに、知っての通り、「イリアステラ」は「おい、デュエルしろよ(※?)」とかではなく、彼の実在の錬金術師「フィリップス・アウレオールス・テオなんとか」に由来する名前であろう。確かに「賢者の石」と類似点はあるが、色々と習合し過ぎではないかと思う。まあ兎角、その名前は厳密には泥人形の固体名、つまりアノンの固有名詞ではない。というよりも泥人形全般を指す総称、というかゲームの開発コードネームよろしく泥人形という現象を総括する名前らしい。それを唱えると、泥人形を一時的にリミッター解除状態にする正式な裏名として機能する。厳密に言えば、リミッター解除状態が本来望まれた仕様なのだが、身体の完成度が着いて行かないらしい。なので「正式な裏名」、ややこしい。スーパーなんとかなんぞ邪道じゃ。しかしイリアステラという名前以外にも、お父様はちゃんと個体それぞれに自分で名前を付けていたそうである。そういや、実験体に名前を付けるってのは珍しい事なんだとか。一般は一号二号とかジョンやスミスなどの定型句。だからヤパーナ何かが実験動物を名前で呼ぶのは海外じゃ驚かれるとか。閑話休題。名前を付けるってのは、愛ではなかろうか? しかしそれは同時に存在の幅を狭める事になる。真名という奴だ。だからその名前はお父様しか知らないらしい。多分、一生、誰にも教えてはくれないだろう。泥人形に何を望むかは者それぞれ、或いは泥人形自身それぞれという事の様だ。それでいてちゃっかり自分の付けた名前を隠しているのだから、ズルいと言うか、何というか。閑話休題。そしてその名前を唱えればあら不思議、灰泥人形の性質が顕在化して、超界王拳状態に早変わりする。しかし多分にオーバーロードであるらしく、長続きしない。使う度に著しく劣化し、一時的に能力が上がるとはいえ元の性能も下がるため本末転倒。あんまりやり過ぎるとテクノブレイクよろしくブレーカーが落ちる所かヒューズが飛んで二度と回復できなくなるので、本当に奥の手である。勿論、それは単に器である身体の完成度が追いついていないだけで、追い付ければ、常時、リミッター解除状態でも動けるのだろうが。まあそうなるとリミッターでも何でもないが。
兎も角、けれども、それでもなおやっぱりお父様ラブ、一番、行動指針という人形は多いらしい。というか「元型」と呼ばれる最初に造られた42体の内の三分の二はソレだ。アノンもそう。いやはや、何というか、羨ましいと言うか、爆発しろというか……まあ、私なら面倒くさくて投げてるけどな。いや本当だぜ? 私はハーレム系主人公などヤレヤレ系の奴だからな。いや本当。で、その後は、独り立ちしたり、各々の保護者の下でそれぞれ生活している。ランナーになってお金を稼いだり、家政婦になって炊事洗濯をしたり、野良動物になって適当に街をぶらついたり、植物になってこの星と一体化したり……いずれにせよ、まだまだ現界連合や黄金狂世界の監視が解かれないが、何時かは解かれる時も来るだろう。
因みに、灰泥人形は生まれてすぐの事はよく覚えてないらしい。名前もまだ無い。何処で生まれたかもトンと見当が付かず、何でも薄暗い所で云々かんぬん。実際、当のお父様は出来上がったらすぐにそこら辺に放り出していたらしい。鬼畜か。まあ当時のお父様的にはただの道具だったかもしれないので仕方ない。その中でも強く生まれた頃の記憶を持っているものの噺を総合すると、産まれてすぐはまさに灰泥の塊であり、無意識と反射だけで行動する無知の状態。そこから付近を通った生物の知能に寄生して知能を獲得する。この「寄生」の仕方は個体により様々で、よくある寄生虫の様に宿主の体内に潜って支配するタイプから、「今日も運ぶ戦う増えるそして食べられる」的に勝手について行くタイプまで様々だ。灰泥人形を見た時に「男」とか「女」とか感じるのはこの後者のタイプによるもので、つまりそれは己の拾い主たる保護者に養育や庇護をしてもらいやすいようにしてもらう擬態機能の一つから来るものらしい。つまり見た目は保護者の好みによって決まるらしい。つまり男なら可愛い女の子が女ならカッコいい男が好きだろって噺らしい。つまりアノンがあんなに無知で無口で無軌道なのはこの私の好みという事になるらしいいいいいい。いや違う。違うといってよ、バーニィー(※ばーにぃー?)。これは多分、アレだ。私以前の保護者の好みだ。そうに違いない。蜥蜴男の尻尾を食う前にも保護者がいたんだろう。しかし何らかの理由で飼えなくなったのだ。全く、捨てるとはけしからん奴だ。ちゃんと責任もって育てなさいという話だ、全く。
このように灰泥人形の性格や見た目は相手のソレを反映するので、飼育には注意が必要だ。悪い心を持っていると悪い子に育っちゃうので、良い子に育てないなら自分も良い人間になりましょう。アノンは、何か、何時まで経っても、ボーっとしてるけど。…………。何か自信無くすなあ(※多分、変わらなくて良いと思ってるのですよ。安心してるのです)。しかしそうなると、その生態系は寄生虫に近いのだろうか。ウイルスみたいな。単体で無性生殖もするけど。なら細菌か。しかし他者に泥を植える様は、菌類や植物に近いのだろうか。因みに、その過程で自分が泥人形である事を忘れてしまう事もあるらしい。尤も、本能は前述の通りだが。……と言いつつ、泥人形は中性的な奴が多かったが、それ以上に女性的な奴が多かったな。生物学的にはX染色体的に雄は雌の派生品らしいが、そのせいだろうか。まあその理論が人工生命にも適応するとは限らんが。
因みに寄生相手は人間とは限らず人間以外のモノ、例えばそこら辺に生えている喋りもしないし魂も持っていない古典的な草花や、家や組織や結社という集団に保護を見出した者もいる。また人間に保護を見出しても必ずしも同じ人間の姿を取るワケでもなく、例えば犬や猫の場合もある。その対象は無作為に選ばれ、対象の個体としての優劣は関係ないようだ(※もしくは、泥人形的な定規があるのかもしれない)。
また因みに、人形は往々にして保護者に対しては盲目的な恭順と愛を示すが、それは飽くまでも保護者に取り入って、保護者の力を取り込んで、創造主たるお父様に与える為らしい。なんつーかそりゃ、まるで政府の命令で暗躍する娼婦だな(※例えがイヤーン)……慕われる保護者が救えねえ。しかしこれは感想文の最初ら辺で述べたように、知能の獲得により中にはお父様から離れる個体も現れた。それが元々の機能なのか、それとも自己を確立した結果なのか解らないが……事故(※自己)の確立はどうかなあ、単に寄生相手を買(※変)えただけな様な気がする。事故の確立については、最後の「出直」の項目で触れる。
まあ兎も角、そうやって安全を確保した後、世界の事を学びつつ情報を取り込んでいくらしい。はあ、よく出来てますね。まるで鳩か鶏だ。抵抗する力ではなく許容する力、取り入り、取り入れる生き方、か。けど、これだって生物学的には珍しくもなんともない生き方なんだろう。いや社会学的にも。上司に頭を下げたりね。人形の凄い所は、それを極めて、しかも素で出来る所だろう。
その人形の能力は、育て方によって超能力だったり魔術だったりと色々あるが、元から在る主な能力は、「吸収(Absorb)」「保存(Box)」「変身(Copy)」、そして「復活(Reset)」だ。無論、その能力の優劣にも個体により著しい差異がある。土台的にも、限界的にも、育て方的にも。
吸収――物語によくある設定で、相手を喰らう事によりそのエネルギーと能力を自分のものにする。早い噺が「無限の力を持つ伝説のヒーロー」。そのエネルギー変換可能範囲は凄まじく、有機物や無機物はおろか風や光や振動や毒や相手の攻撃も食べ、個体によっては敵意や好意まで食べる悪食っぷりである。傷付く事すら食料というドSっぷり(実際、そういう事をされていた個体もある)。恐らく、「変化」という情報値そのものを食べてしているのだろう。必ずしも経口摂取である必要はなく(というか何処にでも口を造れる)、免疫機能が暴走する様子も無い。凄まじい適応能力である(というか境界がないのか?)。とは言っても許容量を超えると、様々な色を混ざる様に己の自意識が混濁・希薄になり、解離性同一性症候群の様な状態になる。その症状がそれ以上進行すると発狂する。それも超えると炉心融解して自重崩壊により超新星を起こし自爆して黒洞と化す。どんな生態系だ。また、エネルギー変換効率の問題もあり、物理・精神攻撃共に無敵の吸収能力を誇るが、乙女の心は複雑怪奇とでもいうのか、精神攻撃の方は消化・分解能力が追い付かず魔術や超能力といった攻撃はダメージを食らう。とは言っても、効くと言っても耐性は高度であり、生半可な精神攻撃では黄金バットに対する乾燥攻撃程度の効果も望めない。なお、何故か吸収した分の質量と体重が割に合わない。質量が何処に行ったかは謎。原子の海に還ったか? 或いは「E=mc^2」の方程式でエネルギーとして体内に保存しているのか。いやエネルギーとして保管してるならそれはそれでヤバい感じが……いざ漏れ出た時が怖い、まるで歩く核爆弾だ。
しかし真面目に考えると、「能力の吸収」とは、本来、生物にあってしかるべき能力ではないだろうか。他を食べるだけなら食事として生物が誰しもやっている事なのだが、それをエネルギーとしてしか消費できないのは如何なものか。進化論の正当性は置いといて、生物が一つの幹から枝の様に進化して来たとするのなら、それは多分に非効率である。それぞれの進化の先には、その枝でしか得られないモノがあるだろう。例えば、肺呼吸とエラ呼吸、翼と腕の関係の様に。遺伝子の水平伝播とかはあるが……。成程、そう考えれば人間が何故にここまで発達できたのかが解る。彼奴等は別系統に進化した利点を己の進化に取り入れられるのだから。ならば泥人形は、人間の本質に近いのかもしれないな。尤も、人は進化などしないのだが。己の身体を変質させる進化とは違う。人間は前に進まずして成長する。頭を使う。身の回りのモノを変える。彼奴等は夢の中で生きている。或いは、何時か統合される時が来るのだろうか? それともガイア理論よろしく今も昔も統合されてて全ての生物はこの星に生きる細胞の一つに過ぎないのだろうか。人間の身体の様に。
心を食べるとオカルト的に聞こえるが、それは日常的なモノである。嫌な顔でジッと見つめられれば冷や汗をかく。それが「吸収」だ。しかし灰泥人形はソレを物理化学的な熱量に変換できる。或いは、変換という工程を経ずにそのままエネルギーにしているのかもしれない。パソコンを電力を使わず火力で動かす的な。熱力学第二法則とかどうなっているのだろう。兎も角、アレらはウィルスに免疫を付けて抵抗するのではなく、それを取り込んで共生しようとするのだ。抵抗的な進化ではなく、共生的な進化……それは適応進化な様に見えて、少し違うと思う。その許容度は、「赤の女王仮説」とだって敵対せず、一緒に踊る。原爆だって食べるだろう。
なお、この能力にはランクがあり、ほとんどの泥人形の吸収が「同化」だとするのなら、アノンの場合はそのワンランク上の「許容」を行えるらしい。その違いは、例えば前者を吸収した相手を催眠に掛けて意のままに従わせるのだとしたら、後者は吸収した相手の意識までは奪わず勝手に動いてくれと頼む事だ。その違いは大多数になるほどに違いを増す。例えば、旧人間は指を計二十本もっているが、その手足をそれぞれ個別に把握して動かすなど常人には出来ない。意識は分散し、希薄する。ましてやそれが百足、千足と増えて行けば、電話交換局たる脳はパニックになる。けれども、己の身体を構成する細胞が自動的に動く様に、脳が命令せずとも手足自身が自分で考えて、それでいて全てが幸福な統一の内にあるのなら、それこそあの兎が言っていたように真の意味で千の魔術を行えるだろう……まあ、言うは安氏だが、ワケ解らんね。どうすればそんな事できるのか。「ガイア理論」? それとも「神様気分」? 一つの身体を星の様に操るなど……やっぱり化け者だよ、アレは。早く人間になりたーい。気持ち悪いったらありゃしない。ゴキブリの魂を人間に移植した生物と過ごしてる気分だ。人の皮を被った悪魔だ。初めは人間の姿をしているが、徐々にゴキブリになっていって……ああ、想像しただけでもう。おっと、先に言っておくが、誰構わず面と向かってこんな悪口は云わんぜ? 当たり前だ。言われたら嫌だろうからな。アレはそんな悪口さえも食べるから、言ってるだけだ。悪意は在るかもしれんが、敵意は無いよ。
噺は少し逸れるが、生物的には遺伝子情報を残す事が至上命題(※「重要課題」の事?)の一つという事が割りと言われていると思う。けれどもこの人形には元となる遺伝子などないし、というか遺伝子を自分から変異させている。ならばアレはそういう目的の為には生きないのだろうな。そう言えば、生物の身体を遺伝情報を保管する為の箱船に例えた噺も在ったような。保管能力もそうなのか? そしてゆくゆくは一つになって……人類補完計画的な。うわあ、十字架教染みてるなあ。そう言えば、灰泥人形は十字架教に限らずよく何らかの宗教の詩を歌っている個体が多かったな。ハレルヤ、アーメン、南無阿弥陀仏。何だかんだ言っても、宗教以上に世界に広がる形で思想を高めたものってないよなあ、と思います。情報を取り込むと言うのなら、人の物真似をするには、これ程以上に最適な教科書も無いのだろう。それとも、救いでも求めてたのかな? まあ、幸福を具現化したものだからなあ。それが世界的にも広がっているんだし、アレほどの幸福論もそうあるまい。神の種類は多々あれその真偽がどうであれ、やはり、何だかんだ言っても古今東西世界の主流な事に変わりはない。尤も、救済の形を一つに定義に出来てはいないのだが。或いは世界がアダムが知恵の実を食べる以前に戻れば悩む事無く……恐ろしい噺だな。まあ、いざそうなったら恐ろしいという概念は無くなるのだが。
DNAを取り込むと書けば何かエロいが、つーかぶっちゃけそーゆー目的で飼われていた灰泥人形もいるが、しかし種の保存的には優れた機能だ。アレは無性生殖を行うくせに、多様性も持てる事になる。いや、多様性というのは語弊があるか。多様と言っても、そこには種類の限度があるはずだ。しかしアレには限度がない。何にでもなる。まるで粘土細工の様に。確固たる系統を持たない故に、何にでもなれるのだろう。その事は、最後の「出直」で触れよう。そう言えば、生物的には無性生殖やTPOで性別を変える両刀の方が多いんだっけ? 泥人形の場合も性別を分ける必要性があまりないし、中性的な感じが多いのも、そこからきているのかもしれない。ただ、感想の最初で書いたように、保護者の好みで性別を与えられている時はあるが。
しかし、貴女も知っている通り、しばしば生命とは神でさえも予想の外を生きる存在であり、この大祭害の世でも不可思議とされる技術の領域のはずだが……あのお父様はどうやってそれを成し得たのかね? 本人は生物学なんて齧っただけというが。まあ生命なんて無意識で行われている事だから、逆に明文化された法則も無しに何となくで動くのかしらん? 解らない事だらけだ。むしろ答えを出さない故の、あの能力なのかもしれないが。だとしたら、何というか……虚しいような気がしなくも……。
保存――例えば人間族が生命を食べる時、ソレを噛み砕いて、咀嚼して、消化する。そうした場合、元の生命の形は失われる。無論、命や魂も。しかし灰泥人形の場合、まるで箱詰めするようにそれをそのままの形で取り込んでおける。例え消化したとしても、元の状態で吐き出せる、もとい復元できる。ただ、決して全く元通りというワケではなく、仕様なのか、機能が思想に追いつかないのか、復元されたモノは必ず何らかの変質及び欠陥がある。まあ、能力の高い上位個体はちゃんと元通りに出来るので、アノンの場合は単に能力が低いだけだろう。大きさが違ってたり、声が違ってたり、性格が違ったり、2pカラーだったり、他のモノと混ざっていたり。是を利用して簡単に人体改造が出来たりして、それを商売にしている個体もいるとか何とか。
また摂取し取り込み保管したDNA的な情報から別個体を生産する事も可能であり、エネルギーの尽きるまで増殖する事が出来る。そう言えば、有名人の屍体からクローン技術的に復活させようなんて言う実験もあるとか何とか。まるで歩く受精卵工場だな。表現が卑猥なら、動物園でもいいし、工場でもいいし、卵でもいい。ただ、幾らでも補完(※保管)できるというワケではなく、固体によって許容限界があるようで、あまり食べ過ぎると多重人格の様に己を見失うようだ。またこれも復元と同じように、何らかの差異が見受けられる。試しに実験体「秀真路花マリステラ」の髪を打っこ抜いて複製体を造ってみたが、本体の記憶が上手く定着せず、口もきけなかった。しかも身体・精神・頭脳などの能力に難が在り、寿命が短く、一週間程度で機能を停止……つまり死んでしまった。無知なりに結構人懐っこかったので、路花は妹みたいに接していたので、死んだ時はビービー泣かせてしまった……流石にアレは良心が痛んだよ。命が死ぬのを見るのは、幾度の戦場を駆け抜けた俺でも慣れん。蜘蛛が死ぬと足を内側に折り畳んで縮こませるあの死後硬直……吐き気がする。あの喪失感は目眩がするよ。マイナスGなんて目じゃない。生物学的な実験は莫迦じゃないとやれん。一カ月経った今でも夢に見る。何か「ドリー」を思い出したよ。まあ兎も角。このように、基本的に生成された複製体は本体の下位互換であり、本体程の知能も無く、能力も無い。育て方によってはまともになるが、土台が違うのだろう、やはり本体とは明らかな開きがある。ただ、中には突然変異的に優れた固体も見受けられるようで、複製体でも普通に生きている奴もいるようだ。因みに、複製体の作成は灰泥人形にとっては単なる防衛機制であり、親から子に対する愛情の様なものを持つ事はない。勿論、教えれば持つようになる。
なおこうやって生成された名状しがたい冒涜的な怪物もとい生物の中に原始的恐怖的なレギオンや天敵同士を合わせた生物やぼくのかんがえたさいきょうのもんすたーや未確認生物などが見かけられ生命活動を維持する為に長期にわたって成長及び進化し自然淘汰されたり変異したりするような気がする様な気がしてほしい気もしなくはないが本件と本文の記述者は特に直ちに関係は無い事を此処に我らが貴女に誓って宣誓し誓います。戻し方を聴かれたって私は知りません。苦情は妖怪ポストに届けてください。いや本当、個人的には実にまったく本当に問題はなかった。だって俺は嫌な思いしてないから………………ごめんなさい。怒らないでくれ。殴るのだけは勘弁してくれ。(※ケイ君、怒らないから後で職員室に来なさい(笑顔))。
模倣――相手の姿や能力をコピーする能力。早い噺が「変身」。己の手足を獣や虫のソレにしたり、伸縮したり武器化したり、再生したり鋼鉄化したり、質量密度を度外視して巨大ロボットになったり、逆に原子レベルにまで小さくなる事も可能。液体や個体や気体などの相転移も可能である。ただ万能ではなく、個体レベルにより限界があり、例えば気体になると自力で個体に戻れなくなる事もある。また、何処まで行っても模倣である。つまり独創性を持たない。持てない。教科書通りにしか暗記できず、発想力はない。尤も、その脈絡のない模倣は、ある意味では独創的だが。しかしこれも個体レベルが上がると、独創的な変身も出来るように成るのだろうか。また航空力学を学ばず飛行機の見た目だけを模倣して飛ぶような事も出来ない。ただ飛行機を吸収すれば本能レベルで飛行機の機能を理解し飛べる(ソレを「理解」というのは語弊があるが)。しかしこの場合、その飛行機Aとしか飛べず、飛行機Bとしては飛べない。ましてや鳥や虫としては飛べない。因みに「パソコンでも食わせてネット回線を開けばいいんじゃね?」と思ったが、そもパソコンとはまさに完全受動存在……何をどう調べていいのか理解してくれなかった。わざわざ知恵袋で漢字の読み方を尋ねる奴の様に(偏見)。アーミーナイフやスマートフォンやディクショナリーなど、あまりに機能が多様過ぎるものは食べても味が薄いようだ。というかアノンは何処か学習能力の機能が打っ壊れているのか、教科書を取り込んでも理解してくれん。未だにまともに言葉も喋られんし。いわゆる広汎性発達障害とか統合失調症なのだろうか。他の泥人形は、教科書を食えば簡単に暗記するのに……よー解らん。
模倣の行動自体は特に特筆する事はない。子どもなら誰でもやっている事だからだ。子どもは身の回りの事を真似たり咀嚼したりして成長していく者である。まあ、その「誰でも」な事を極めればこうなるというのを具現化したのが灰泥人形なワケであるが。
これは、まるで人狼伝説に似ている。例えば、狼の時に傷つけられた部分が人間の時にも残っていてそれで人狼だとばれる、というのはよくあるが、この様に、人間に化ける場合は必ず本物とは異なる部分があるのが変身伝承のお約束である。ただ、その違いは誤差の範囲で在り、ソレを見つけるならば一秒以内に宝くじに当たって雷に当たって交通事故に当たるのを全部やる方が早いだろう。本物と判別するには機人が構造分析したり超能力者が閾下侵入をするのが手っ取り早いのだが……それは言い変えればパスをつなげる、つまり送受信可能な状態でもあるので、灰泥人形に汚染される可能性があり極めて危険である。リアルで「フィロソマ受精 完了」な事になるのでお勧めしない(※ああ、だから帰ってきた路花の食の好みがヘンテコに……)。
なお、元とは違うと言っても、元より弱体化したり、質が下がると言うワケではなく、別の部分で保管(※補完)が可能である。目が見えないなら耳を発達させればいいじゃない、の理論だろう。
復活――恐らく、四つの特徴の中で一番重要な項目だと思われる。生物なら誰しもが成長しなければならず、その過程で身体は変化しなければならない。オタマジャクシはカエルに、イモムシはチョウに、子どもは大人に。けれども泥人形は、何時だって己の存在を初期化出来る。元の卵の状態に戻れる。恐らく、それがあの千姿万態、千差万別、無制限の変化を行える由縁だろう。無限と零は等比だと思う。レースに置いて双六の「ふりだしにもどる」という奴は鬱陶しい事この上ない。けれど殊、人生という大盤上を見渡せば、これ程に素晴らしいマスも無いだろう。「何もしない」が出来なくなっても、「魔法の場所」に帰られるだなんて。「何にでも変われる」から灰泥人形は千姿万態なのではない。その本質はきっとコッチ、「何時でもふりだしにもどれる」からだろう。多分、その主題は私の星奮と似ている。アレも星、種を、光をふりだしのままにした、未分化の可能態を結晶化したものだから。別れても何時でも逢える。「Rmember menber」……何てね(※因みに、その言語はそれぞれ羅語の「memor(記憶)」と「membrum(手足)」から来ており、別々の単語である……知ってると思いますけどね)。
そしてそれ故に完全受動態。己だけで何かを成す事は出来ない。保護者を盲目的に愛するのも、ここら辺が由縁かも知れない。そしてだからこそ模倣する。己の自己を得るために。而してその変幻自在故に、決して「確固たる何者」かになれはしない。姿を固定化できない。蝋燭の影法師がそうあるように。簡単に言えば、自己主張できない若者とでも言おうか。ネット上ならどんな自分にもなれる様な。それは少し社会派かな? でも、それもまた、常識が何もかも壊れてしまった大祭害以後の新たな在り方、だと思う。曖昧故に無限。水になれば壊れることもない、か? どうだろう。そういう奴が増えている反面、それを上回るくらいに個性的な奴が増えてるのも事実か。今度こそは壊れない事故(※自己)と自牙(※自我)を持とうとするように。まあ要するに、自信がないのだろうな。この姿でいいのか、この姿で愛されるのか、不安でたまらないのだろう。皮肉だな。人を不安にさせる怪物が最も恐れる存在は、他ならぬ己自身とは。キーアイテムは「鏡」? いやはや。そして愛される故にその力を失うとすれば、それもまた皮肉。成程、大祭害が出来たのも、そういう……いや、その答えは性急か。
しかし、幾らでもやり直せるっていうのは素晴らしい事だ。それは本意だ。だが、それ故に確固たる自己がないと言うのは、あまりに空虚だ。渡り鳥の様な生活は憧れるけども、やっぱり、定住できる国がないという事は、故郷がないという事は、結構、寂しいんじゃないかと思う……。ああ、いや、別に、たまにはお前の所に帰りたいとか、お前の顔を見て見たいとか、そんなアレじゃないからな。上京した田舎者じゃあるまいし。電話とかすんなよ。絶対だからな。絶対だぞ(※(笑))。
――まあ、こんなとこですかね? そんなとこ。早い話が、有機的なコンピューターなのでしょう。情報の入力。情報の保存。情報の書換。情報へ無抵抗。情報の再起動。そう考えれば、便利な生物ですな。そういや、魔機結社の造りたい作品の一つがこんなのだっけ。これの下位互換なら「COSM―OS」とかいうのがありましたっけね。魔機結社が灰泥人形を回収してたのは、案外、哲学の石を回収したいだけじゃなく、人形自体を研究したかったからかもしれませんねえ。……悪い事をされない事でも祈りますか。
ま、兎も角、来週にはアノンをソッチにやりますよ。いい加減、手続きがどうとかで私の部屋に泊めさせるのは困ります。いや別にアッチ方面とかじゃなくて。大体私はアレだし。そうでなくとも、私の空間は一人がいいんです。
長くなった。まあそんな感じです。ああ、最後に、この界異の動機でも邪推しておきましょうかね。まあ、正解は、彼奴の事だから絶対に言わないと思うが――アイツは、まあ、現実感が欲しかったんじゃないでしょうかね。この何もかもがペテンに成ってしまった世の中で、「我は此処にあり」という確固たる確信が欲しかったんだ。亀仙人が言ってたよ。人は夢物語に憧れる。だが「ソイツが本当に『本物』であるのなら、それはもう否定できない『真実』だ。苦痛があり、限界があり、絶望がある。もし手前が取るに足りないその他大勢の一者なら、辿る路はやはり凡庸だ。認められず勝てられずあまりに呆気なく容赦なく、成す術も無く死ぬだろう。さてお前はどちらだ? 凡庸か、天才か?」と。アレは試してみたかったのだろうな、己の世界が何処まで通用するのかを。そして己の世界が取るに足らないものならば、己の造った子が代わりに……そう考えると、まんまと俺達は敗北してしまったわけだな。泥人形は、今や社会に根付いていて、その能力を上手く用いている。この俺にでさえ。「試合に勝って勝負に負けた」という所か。嫌らしい性格してるよ、本当。尤も、俺の邪推が正しければな。さて、今度こそこれで終わりだ。
此方は適当にやってるから、一々体長なんて訊いてこないでいいですからね。そんな事を訊くならむしろお前が健康でいてください。そうすれば私は心配ないでさ。まっ、路花によろしく言っておいてください。それと、ちょっと優しくしてやっただけで懐かれても困るともね。まあ、ありゃ場面設定のせいもあるだろうけどさ。あんなピンチな時に助けが来たら、そりゃ私でも懐く。……いや、別にお前の事を言ってるんじゃないからな。ああ、長ければ長いほどボロが出るな。チェッ! もう終わりだ。終わり。兎も角、適当にやれよ。じゃあのノシ。
X to Maryclown
・返答
はい、ありがとうございました。このテキストに対する意見は次頁を参照してもらうとして、兎も角、「※」で添削した誤字の部分は次からは注意して書いてくださいね。後、言葉が多すぎる癖に足りなさ過ぎるかなあ。今度はもっと言いたい事を整理してみましょう。
Mayyou to Easy
・返答の返答
バーカ。ありゃ、アレだ、誤字じゃなくて、言葉遊びだ。つーか俺の名前に勝手に「マリステラ」とか付けんじゃねー。もう餓鬼じゃねーんだ。それに勝手に強さ批評するんじゃない。サバ読み過ぎだ。レベル何て100台も無いっての。俺ァ、ホシフルイでハッタリかまして誤魔化さなきゃ端役ですぜ? 精々、常人のトップレベル。何処まで行っても真似っ子、後追い。「本物」の人外にはなり切れない。本気出されたら路花にだって勝てないぜ? 瞬間移動で壁に埋め込まれて瞬間敗北。俺はそんなに強く――いや、そりゃ、自負はしてるし、アンタの目が狂ってると言うつもりはないし、何て言うか、弱者が頑張るからこそ少年漫画は映えるていうかいや努力を礼賛するワケじゃなく、英雄だから強いワケじゃなくてその逆で……まあ、そんな事はどうでもいい。後、整理しなかっただけだ。面倒だっただけだ。そんなに言いたい事が在るワケじゃねー。
X to Maryclown
・返答の返答の返答
子供は何時まで経っても親の子であり、私は強いと思ってるから。そして伝わらないギャグほど虚しいものはない……。
Mayyou to Easy
・返答の返答の返答の返答
へー(笑)。メリューお義姉様ともあろうものが、人の言葉を汲み取れない何てね。
X to Maryclown
・返答の返答の返答の返答の返答
あらあら? 成程。解りました。成程成程。それは御期待に添えず、ごめんなさいね。
Mayyou to Easy
・返答の返答の返答の返答の返答の返答
あ。いやミスった。誤爆した。前のは嘘だ。そうじゃなくてだな。…………。えーとつまり、あー、もう何でも言いだろ。この話は終わり。眠たいから落ちるな。おやすみ。
*X logs out.
X to Maryclown
・返答の返答の返答の返答の返答の返答の返答
あらあら。全く、ヤレヤレですね、全くもう。気不味くなったらすぐ逃げる。そのケイのクセは変わりませんね。そいういうのは、結局、問題を後回しにしているだけに過ぎませんよ~……と、電子の海に言っても、波が帰って来るワケではあるまいし。仕方ありません。今日はこのくらいにしておきましょう。ではコチラも、お休みなさい。
*Mayyou logs out.
Mayyou to Easy
・返答の返答の返答の返答の返答の返答の返答の返答
*X logs in. *X logs out.
X to Maryclown
………………………………………………………………………………………………
…………………………………………………………………
………………………………………
……………




