第二話 そんな彼と彼女の出会いの話
最初軽くこの世界の説明?をしております。
この世界は魔法が使え、いろいろな種族がいる。人間、不死人や機巧種、鬼人、精霊妖精種、獣人、魔人、竜種、天使などいろいろな種族があり、その中にも半竜種や、半妖精などほかの種族と混じった者たちや、特異種と呼ばれる同じ種族なのだが違うと言った突然変異が生まれてくることもある。
暖かい…
優しさに飢え、一人ぼっちだった少女は涙を流す。初めて感じる優しさに、思い返すと涙がポロリと流れてゆく。
目の前で抱きついて来た少年を彼女は見る。少し無愛想に見える彼だけどすごく優しくて暖かい人だった。そんな彼を見ていると顔が熱くなってきてしまう。だけどこの熱さはなぜか心地よいものだった。
「あ、あの…」
気づけば赤くなった顔で彼女は言葉を発する。その言葉を聞いて彼は意識を戻すと、すごい速さで距離を取る。それを見て少し悲しい顔を彼女はしたけれど彼の少し恥ずかしそうな顔を見て安心し微笑む。
「す、すまん!いきなり抱きついてしまって!」
ワタワタとしながら少年は謝罪をする。そんな彼は顔を赤くし、手をバタバタさせて謝罪をするものだからそれを見て彼女はクスッと笑う。
それを見て少年はさらに顔を赤くし、顔を下に逸らしてしまった。
「い、いえ」
少し笑顔で彼女は返す。笑ったことはあまりなかったけれど彼女は自然に笑い、この感覚に戸惑いながらも嬉しく思う。
ふと、思い出したように彼女は真剣な顔をする。それを見て少年の方もゴクリと喉を鳴らし体を強ばらして真剣な顔をする。
「あの…その…えっとですね」
真剣な顔からすぐに顔を逸らして赤くし、その顔は上下左右慌ただしく動く。なかなか言葉を発しない彼女を見て彼は強ばった体を脱力し、ため息を吐く。
それから彼女は覚悟が決まったかのように少しポツリとつぶやいて顔が赤くまま言葉を発した。
「あの!私の主になって頂けませんか!」
顔を赤くし、目を瞑って彼女が言う。だが返答が来ることもなく聞こえるのは梟のさえずりと虫の音、風の音だけ。
彼女は不思議に思い、目を開けると目の前には目を見開き凍りつく彼が立っていた。
心配に思い彼に少し近づこうとするとき彼からの返答が来る。
「は、はい?」
それは非常に曖昧な返答だった。
彼は困惑していた。落ちてきた?彼女を助けて飲み物などをあげたり寒そうだなと思い自分のコートを掛けてあげたりしたりしていただけなのに目の前の彼女は主になってくれと言う。
そんな彼の頭の中は疑問符で埋め尽くされ、頭が追いつかなくなってしまっていた。
「……うぅ…」
涙声を聞いて彼は思考の海から帰ってくると声が聞こえた方へ顔を向ける。その先にいる彼女はこちらをじっと見ながら涙を浮かべていた。その顔を見て、さすがに根負けし、彼は肯定を返す。すると
「ありがとうございます!」
悲しそうな顔は一変し、幸せそうな笑顔を彼女は浮かべる。今にも踊りだしそうなほど喜んでいる彼女はこちらに笑顔で向き、
「これからよろしくお願いしますね。主様」
「あぁ…これからよろしく…」
そう言った。彼もよろしくと返すとニコニコしている彼女に脱力し、寝るということを伝え、横になる。彼女も笑顔で了解し、ニコニコとした表情で少年を見ている。
その後、横になった彼は寝息を立て始め、目の前の焚き火の炎も弱くなってくる。
彼女は空を見ながら考えていた。
なぜ唐突にああ言ったのか。それは初めて優しくしてくれた人で、暖かさをくれたから、傍にいたかったから、お別れしたくないから。
そんな感じに頭の中で自問自答を続けていく。そしてそれから少し時間が立ったとき答えにたどり着く。
この人は初めて優しくしてくれた人で暖かみをくれた人。そんな彼の傍にいて、この人と一緒に行きたいと感じた…そう答えを出してただただ簡単な本当の答えにたどり着く。
─そうか…私はこの人のことが好きになっちゃったんだ
その答えに気づき満足した彼女は顔を赤くして彼の近くに寄る。彼は近くによっても気づくことなく寝ており、無防備だった。そんな彼の頬に軽く口づけし、満足な顔を彼女をし、それから夜が開けるまで彼に寄り添っていた。
ぶっちゃけリハビリで書き始めたこの小説ですが本腰上げてやってる別の小説より文字数が多いと言う事実。