第7話.迫り来る襲撃者・前編
校内に授業の終了を告げるチャイムが鳴り響く。
教室内はザワツキ始める。
「…ふ〜ぅ」
思わず洩れる深い溜め息、だが周りがうるさく聞こえた人はいないだろう…
机に突っ伏したまま動けない。
…何かすげー、ダルイし、それに身体の節々がキリキリ痛む。
この不条理な痛みに思い当たる節があるとすれば…。
数秒間宙を睨む…
…やっぱり昨日のアレだろうな!
この前と一緒で、化け物に追いかけられた後の記憶さっぱりない。
たぶん、僕の中のもう一人のアイツだろうな…アシュレイ
…ただ一つ言えることは、僕の知らない所で確実に僕を巻き込んだ何かが起こっていると言うことだけ…
「…ふぅ〜」
「おっ、どうした?溜め息なんてついて!」
「ん?…あぁ優か…」
「あぁ…優か…じゃねぇ〜よ!今時の若いもんがそんなんでど〜よ!」
「…いや、ど〜よ言われても……ん!…」
…何だろう何か嫌な感じがする。
「そこでだ!俺は声を大にして言いたい、元気を出すには何が一番か?」
…段々、嫌な感じが強くなっていく!
「…既に囲まれてるぞ!」
…アシュレイ?
「…奴等も手段を選ばんなぁ」
…呑気な事言ってる場合じゃないよ!
「うわぁ…何だ外が真っ暗だぞ!」
一人の生徒が窓から外を見て叫ぶ、数人の生徒がその声で窓に近づく。
窓際はあっという間に生徒で埋めつくされた。
「…やっぱり男女間の交流が大切だと言うことに気付いた訳だ」
相変わらず一人で力説している優。
「で、俺の企画したこの《クラス対抗合コンバトルロワイヤル》なんだが…」
優は何やら分厚い紙の束を取り出した拓哉の机にドンと置く。
「…どうした?早くしないと周りを巻き込むぞ…と言っても既に遅いかもな!」
…そんな、僕なんかに何も出来ないよ!
「…そうかもな…だが少なくともアイツらの狙いは俺達だ」
…分かったよ、いくよ、行けばいいんだろ!
急いで教室を飛び出す。
「…でさ♪女子がまだ足りないんだよね、でお前に協力してもらいたいんだよね拓…ってアレ?」
「またアイツ、どっか行ったな!」
教室を見回す優。
「まぁ…いっか♪おっ、沢田お前さぁ…」
優は窓際にいるクラスメイトに声をかける。