第8章:仕掛けられた罠
充はまず、樹里の行動パターンを観察し始めた。
彼女は放課後、決まった時間に校舎裏や空き教室に現れ、充を呼び出すことが多かった。
また、彼女のスマホに全ての証拠が保存されていることもわかっていた。
充は、樹里のスマホを一時的にでも手に入れ、証拠を削除する計画を立てた。
ある放課後、樹里がいつものように充を空き教室に呼び出した。
彼女はいつものように挑発的な笑みを浮かべ、スマホを手に持っていた。
「先生、今日はどんな遊びしようか? またペットになってくれる?」
充は平静を装い、彼女の視線を受け止めた。
「大島さん、君の目的は何だ? 本当に母さんを守りたいだけなら、こんなことする必要はないんじゃないか?」
樹里の表情が一瞬揺れた。
彼女は唇を噛み、目を細める。
「先生には関係ないよ。私の言うこと聞いてればいいだけ。」
だが、充は彼女の動揺を見逃さなかった。
彼は一歩踏み出し、声を低くして言った。
「樹里、君が本当に欲しいものは何だ? 僕を壊すこと? それとも、母さんを取り戻すこと?」
樹里の手が震え、スマホを握る力が緩んだ。
その瞬間、充は素早く手を伸ばし、彼女のスマホを奪い取った。
樹里は驚き、叫び声を上げる。
「何!? 返してよ、先生!」
充はスマホを手に持ち、冷静に言った。
「樹里、僕も本気だ。このゲーム、終わりにしよう。」
樹里は慌てて充に飛びかかったが、彼は身をかわし、教室のドアをロックした。
充はスマホのロックを解除しようと試みるが、時間がかかる。
樹里は叫びながら充に迫る。
「それ渡しなさい! バラすよ、全部バラすから!」
「バラすなら、君もただじゃ済まないよ。」
充は彼女を牽制し、スマホをポケットにしまう。
「君の喫煙の証拠、僕も持ってる。それに、君が僕にしたこと、全部話すこともできる。」
樹里の顔が青ざめた。
彼女は一瞬、怯えた表情を見せたが、すぐに取り繕う。
「ふん、先生にそんな度胸あるわけないじゃん。」
「試してみるか?」
充は彼女の目をじっと見つめ、強い口調で続けた。
「樹里、君は母さんを傷つけたくないんだろ? なら、僕とちゃんと話そう。脅迫じゃなくて、本当の気持ちで。」




