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愛と屈辱の連鎖~愛を賭けた少女のゲーム~  作者: MCdragon


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第3章:脅迫の始まり

樹里の態度は、充にとって徐々に気になるものになっていた。

彼女は授業中、以前より鋭い視線を向けるようになり、質問の合間に意味深な笑みを浮かべることが増えた。

充はそれを生徒の気まぐれだと考えようとしたが、どこかで違和感を覚えていた。

ある放課後、樹里が職員室に現れた。

彼女は数学の問題集を手にしていたが、その目は充を試すように光っていた。


「先生、ちょっと相談があるんですけど。」


彼女の声は落ち着いていたが、どこか冷ややかだった。

充は生徒との距離感を保つため、穏やかに応じた。


「大島さん、進路のこと? それとも数学?」

「うーん、もっと…個人的なこと、かな。」


樹里は一歩近づき、スマートフォンを取り出した。

画面には、充と江美のメッセージの一部が映し出されていた。


「母さんと、ずいぶん仲いいですよね、先生。」


充の心臓が一瞬止まった。

メッセージは、江美との夜のやりとりをほのめかすものだった。

どうやって手に入れたのか、樹里は説明しなかったが、彼女の瞳には確信があった。


「大島さん、これは…誤解だよ。」


充は平静を装ったが、声がわずかに震えた。

樹里は小さく笑い、首を振った。


「誤解かどうかは、私が決めます。先生、バラされたくなかったら、私の言うこと聞いてもらえますよね?」


樹里の要求は、最初は小さなものだった。

参考書を買ってほしい、喫茶店でのおごり。

そんなささやかな要求に応じるうち、充は彼女の意図を探ろうとした。

だが、樹里の態度は日増しに大胆になり、要求は高価なアクセサリーや現金へとエスカレートしていった。


「大島さん、どこまで続けるつもりだ?」


ある日、充は我慢の限界を感じ、樹里を放課後の教室に呼び出した。

彼女は平然と現れ、肩をすくめた。


「先生が母さんと変な関係じゃなければ、こんなことしないですよ。私、母さんを守りたいだけ。」


その言葉に、充は一瞬言葉を失った。

樹里の動機は、単なるわがままではないのかもしれない。

だが、彼女の冷たい笑みが、その言葉の真実性を曖昧にした。


「大島さん、君だって完璧じゃない。校内で喫煙してたこと、僕も知ってる。」


充は切り札を出し、樹里を牽制した。

彼女の表情が一瞬固まったが、すぐに挑発的な笑みに戻った。


「へえ、先生もなかなかやるじゃない。じゃあ、もっと面白いゲームにしましょうか?」


樹里は一歩近づき、充の耳元で囁いた。


「私、先生のこと、嫌いじゃないですよ。どうします? この秘密、二人で共有する?」


その言葉は、充の心をかき乱した。

樹里の意図は、単なる脅迫を超えて、何か別の領域に踏み込もうとしているように感じられた。

彼女の瞳には、怒りと、どこか寂しげな光が混在していた。

充は、樹里の次の行動が予測できないことを悟り、背筋に冷たいものが走った。

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