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【メイド】35枠目【種明かし】

「すいません、エヴァ様いますか?」



 数時間してようやく諸々の配信準備が終わり、お昼を食べ終えた私はミッシェル、サーシャと共にコンディショニングついでにエヴァ様達の様子を見に、戦闘準備室、調整シミュレーター室の方へと降りていました。


 「ちょっと待ってて下さい」と返事をした管理人は戦闘準備室を抜け、どうやらエヴァ様達の様子を確認しに行ったようです。



「リリィちゃんもシミュお初?」


「そうなりますね。というか私はついこないだまで一般メイドでしたので」


「高いよね、その割に。戦闘力とか」


御母様(開発者)の趣味です」


「趣味か〜」



 そして戻ってきた管理人は「エヴァ・グリーンデザートさんが15番、ミーヤ・アンブライドルドさんが16番です」と彼女達のシミュレーションの詳細と共に告げました。


 確認してみると、エヴァ様は何故か-25℃の氷海とかいう意味の分からない空間ですやすやと眠っているようです。


 マジで何やってるんでしょうか、なんて考えたところで私はとあることを思い出しました。


 なんでも今回のターゲットである氷海龍は体表に魔力を帯びた氷塊を生成し、周囲の海水を過冷却状態にするのだとか。


 なるほど、エヴァ様の割には理に適ったことをして……



「いや、これ多分いい感じの死に方見つけたから浸ってるだけですね」


「ごめん、何語?」


「ほら、あなたたちだってきにいったきょくをるーぷさいせいすることくらいあるでしょ?そんなもんよ」



 見計らったようなタイミングで戻ってきたエヴァ様はよほどいい感じに死ねたのか、著しく漢字力が低下した状態で姿を表しました。


 ミッシェルとサーシャは「2度目のよわだ笑」「眼福」と緊急で動画を回しています。



「ってかさ、エヴァちゃんの不死身って曖昧すぎない?ウチ面食いだし、一応第一回から追ってたんだけど未だ上手く理解出来てないんだよね」


「あら。わかった、ちょっとまって。……あれ、なおらな……あ、出来た。……うん、良いわよ。少し教えてあげる」



 トカゲの尻尾切り的な感じでどっかしらをリセットしてスッキリしたのか、よわよわモードを強制的に切り上げたエヴァ様。


 そして彼女はどこからともなくホワイトボードを取り出し、自分の身体のシステムについて解説し始めました。



「人間の細胞、中でも細胞分裂に関わる幹細胞っていくつか種類があるの。大きく分けると決まったパーツにしかなれない組織幹細胞と色んなパーツになれる多能性幹細胞、そしてたった1つから全身を創り出せる全能性幹細胞ってところかしら」


「ヤバい思ったよりもガチっぽいやつ始まった笑」


「ちなみにエヴァ様は生物基礎取ってません」


「リリィ、いちいち話の腰を折らない。……それで、本当なら人間みたいな生物は受精卵しか全能性幹細胞としての機能を持たないの。でも私は違う。特異体質……って言葉に収めていいのかは分からないけれど、私の身体は何故か全身が全能性幹細胞で構成されてる。どこがどう欠けようと、一切の後遺症無しに復活し放題ってわけ」



 「おまけに魔力ブーストで再生も爆速よ」と少し得意気に語るエヴァ様。


 改めて考えると必須アイテムが存在するタイプのラスボスみたいなスペックしてますね、これ。



「……で、ここまでが無理矢理理論的に考えたときの不死身」


「変わったね、流れ」


「もっと無法な方に関しては……実演した方が早いかしら。……リリィ」



 そう言うと、エヴァ様はトントンと中指で肋骨の間を叩きながら私の方に合図してきます。


 私はそれに従い、丁度試したかった出来立てほやほやのフランベルジュを思いっきり、彼女の薄っぺたなAAカップに突き立てて無理矢理に捩じ込みました。


 一捻り、二捻り、三捻り……「リリィ、やりすぎ」と少し不満気なエヴァ様を尻目にその華奢な身体を貫くと、彼女は静かになりました。



「……恨みとかあるん?」


「いえ、エヴァ様、重度のマゾヒストなので。喜んでほしいな、と」


「勝手なこと言わないで」



 耳元で囁かれるそんな言葉。


 ……これ、少しびっくりするのでやめてほしいと何度も言ってるんですが……。


 そんなことを思いつつミッシェル達の顔を見ると、彼女達は「意味わかんない」なんて言わんばかりに、フランベルジュを突き立てられた死体と、私の背中に寄りかかっている彼女を交互に見ていました。



「ふふっ、これが最大の問題なの。なんてったって、私が復活するためには細胞なんていらないんだから」


「やっば、理外じゃん笑」


「やっぱり人外だね、思いっきり」



 唖然とする彼女達を尻目に、自分自身の死体のほっぺをつついては「っていうか、私って本当美少女よね」なんて自画自賛するエヴァ様。


 そしてしばらく自らの死体を弄んでからようやく気がついたのか、「あ、一応説明するわね」と彼女は口を開きました。



「私、死ぬ時にリスポーン地点を弄れるの。そこに私の魔力とか痕跡とかなくたって、そんなことお構い無しにね」


「なんていうか……物理法則とかガン無視?」


「物理学だって私みたいな美少女に無視されるんだったら万々歳でしょ」



 エヴァ様がそんな戯言をほざいていたその時、船が大きく揺れ、例のアナウンスが響きました。



「『親愛なる冒険者皆様、サプライズとはなりますが、ただいまの時刻12時29分を持ちまして開戦と致します。皆様の奮戦のほど、期待しております』」

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