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1 酒か薬か率直下半身か

また、スロースタートが直せず、ヒロインが、ヒロインが……ごめんなさい、皆様の根気に期待してしまう筆者で申し訳無い

「……俺達が最低ってのは最低条件として、なぁ、お前、何か醒めた感じしないか」

「……酔ってましたよね。いやあ、はい、っつーかー……酒の所為にしちゃ――」

「いや、酒じゃなくてな」

「解ってますよ、酒の所為にしたらもっと最低野郎になるのは解ってます」

「いや、だからそれはそれとして、な、確かに俺もお前も……まぁ、陽気というか元気にはなる。ノリが良くなるが……悪ノリって程じゃないだろう?」

「課長は、そりゃ。けど、俺は言い切る自信無いです。ちょっとはあったんすけどね、無くなりました」

「いや、だから、酒の過ちにしちゃ変だろう、と。それに、きっちり俺達、勃ててただろう?」

「それだって俺のしか自信無いっすけどね。あんな悦いもん拝めるときに、態々げんなりするもん眼に入れませんって。ですから心配御無用、角度勝負に負けたからって、気にすること無いっすよ。歳が出ますからね」

「ってことは、お前、サイズには自信無いんだな」

「いや、そこ攻めたら、課長が可哀想かな、なんて」

「見てねぇんだろうがよ。って莫迦言ってんじゃなくて」

「の割に、安心してません?」

「流石にお前の性癖迄把握してねぇからな、お前が3P好きとか観客がいる方が燃える(たち)だったら話が違ってくる」

「女の子が混じるのなら、興味無いとは言えないけど、でも野郎混じりってのは……正直言って良いすか」

「これ以上に無く正直に成った後だろ」

「……何でてめぇいやがんだ、って感じっすよ」

「さっき? 今?」

「今っすね。だからそんな余裕無かったっすよって何安心してんです。言っときますが――」

「待て待て。感情的になる前にまず反省会やろう。とういうか、反省している内に理論を詰めよう」

「何すかそれ」

「後でそっちにちゃんと付き合うから、まず俺の疑問に付き合ってくれ。なぁ、つまり……やっぱり酒の過ちじゃないと思うんだ」

「だからその所為にする気は無いって言ってんでしょうが」

「あー、だから、そういう気持ちの問題は後でやるから、先に後悔どっぷりって今、理論をやるって言ってんだよ。エキサイトしたら話し合うなんてできなくなる」

「其処迄血昇っちゃいませんよ」

「だからだよ。お前も何か醒めた感じがするんだろう? 如何せつっかかってくるんなら、ちゃんと頭に血が昇れるようになる迄待っとけ」

「訳解んないんすけど」

「悪いな、俺だって全然正気じゃないんだ。待てよ。同じだよ、お前と同じで、だからって責任放棄する気は無い。正直って言うなら、そう思われたくないから、理論詰めで話そうって言ってんだ」

「何かもう充分 言い訳臭いんですが」

「がましいのは百も承知で言う。やっぱり、あの女、ヤバいもん入れたんじゃねぇか」

「あの女?」

「甲田君」

「……ほんとらしくないっすね。甲田が?」

「抑々俺達が何故あの女のところでかちあったといえば、キナ臭かったからだろう?」

「は?」

「違うのか」

「えー、と、そうなる? キナ臭い? 出社してないのを心配してきたんっすよね?」

「そういう純粋心配して来たのが高瀬君、って訳だよ。全く、人が好いのが一番割喰らう羽目に陥る。凄むな。俺って人間が良いなんて言える訳無ぇだろうがよ。しかも今の今で。割喰らうどころの話でも無ぇがな」

「そりゃ、俺も頼まれたって形じゃなかったっすけど」

「底辺争いで勝ちたくも無ぇが、頼まれたって、俺が来るか。お前は、来るにしろ、お前に頼むのが変だろう? 普通に出社拒否症みたいに成ってんだろうかって心配で、誰か様子みてこいとなったら、情理尽くせる高瀬君みたいなカウンセラー向きの奴とか、打ち明け話が出来る仲好い奴とか、以外にも適任者はごろごろいる」

「そりゃ、まぁ、そっすね。頼まれたってのは変か。逆? 甲田の一番仲好かったって甲野、解ります? 甲甲コンビって、あれ、実際は仲好い、じゃなかったんだっけ? えっと、とにかくあいつが変っぽくて、で、そう、甲野を心配してるんすけど、なんか怖がってたんすよ、女の子たち。そう、だった、甲野の心配だけ? 怖がってて、ちゃんと話してくれなくて、俺も甲野心配だし、甲田はあんまり知らないんだけど、同期だし? まぁ、とにかく、女の子たち怖いんなら、って俺、で、あぁ、うん、頼まれてはいないか。逆に行くなとかって……うーん? なんかむにゃーむにゃにゃ? って訳解んなくて、ま、行きゃすっきりすっかって、って、あれ、でも、頼まれたのも……俺男だしー、ってあったな、よな? 男がヤバい? 女がヤバい? なんだったっけ?」

「まぁ、その辺だ」

「はい?」

「変て解りゃ充分だ。そっちの原因追求も後できっちりやるにしろ、最優先事項がある。高瀬君起きちまうに片付けないと。お前、家知ってるか?」

「聞いてくるってことは」

「右に同じか。口が堅い、いや、余計な詮索というか疑問持たずに教えてくれる奴は知らないか? 最悪人事簿覗くが、醒めたといったって、冷静ってところ迄はいけてねぇ自覚はあるんだ、今こんな時刻での即座手段だと後に問題残し兼ねない手と口しか俺は今は思い浮かばない。お前の人間ネットワークに期待したいんだが、いないか?」

「何すか、それ」

「あのな、俺等の問題は高瀬君に比べりゃ如何だって良いんだよ。如何考えたって無かったことにしたいだろ?」

「いや、それ」

 勢い込んで言う声が急に低まった。

「……ですね。そっか、思い出したくない以前に……無かったことにできれば」

「厭なことにお前と俺で二人きっちり証人いるからな、罰するの何だのは、お前と俺できっちりやろう」

「それ、卑怯じゃ――」

「否定はできないな。しかし、高瀬君が一番良い状況は何だ?」

「……無かった、こと、って、成ります、か?」

「断言はできないがな。もしも覚えていて、俺達を、罰したいとか、な、まぁ、はっきり言や、これは俺の願望だがな、そうなら、良いよ。高瀬君が一番したいことを、俺達に言える状況。でもな、もし覚えていなくて、始めから、何も無かった状況が一番だと思うなら……」

「……ですよね、忘れた振り? どころか、端っから覚えていないって状況も、アリですよね。今、俺等が、この儘高瀬さん、起こさないで送ってくと、夢オチ、や、もしかして、夢で見るのも嫌ってぐらいに……いつもの高瀬さんなら、アリ、ですよね?」

「はっきり言うなら、それだって解るか、だ。ぶっちゃけるぞ。お前、今の今迄、今さっきの高瀬君、想像できなかっただろう? 仮令怪しい薬呑まされたってシチュエーションで考えろって言ったって」

「でも俺、嫌いとかじゃなかった、ってか、ぶっちゃけんなら、あんなん想像もできなかった高瀬さんだから――」

「そういうのは後、というか、そういうのがあるから後だ、時間が無い。高瀬君のこと、一番に気にしたいって共通項だけ、今の俺達は共有しときゃ良い」

「俺、嫌ですからね、ぶっちゃけるなら、あんた――」

「後でやるってんだろうが、こっちだって理性なんて仮もんだ、起きちまう」

「起こしたいってのは、俺だけ……かもしれない、か。嫌だな、けど、高瀬さん、てめぇだけ抜かして覚えていてくれたら最高っすけど。ダメっすよねぇ」

「正直解らんって何度言わせる。人間観察力なんか俺達、零って思い知ったところだろうが」



お読みくださり有難うございます。

束の間且あなたの貴重なお時間の、暇潰しにでも成れたら幸いです。


承後 一夜の過ち、でしたか? 2 ワタシ美香ちゃん

ということで、ヒロインに発言権回ります


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