表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/22

1

°。★。°。☆。°。★。°。☆。°。★。°


 ざわざわと騒がしい朝の道を欠伸を噛み殺しながら進む。

 辛い受験を無事に終えて晴れて高校生となって1ヶ月が過ぎ、ようやくクラスメイトの顔と名前が大体一致し、最初は感じていた緊張感や授業へのやる気も徐々に無くなってきた今日この頃。


(ねむ……)


 そんなわけだから、昨日は新しいクラスメイトがおススメと言って貸してくれた漫画をつい夢中になって夜遅くまで読んでしまい、少々寝不足である。

 寝坊したせいで朝食は取り損ねたし、思考はいつもの半分も働いていない気がする。

 とりあえず遅刻は免れそうだとほっとしながら正門をくぐったところで、視界の端に映り込んだものに気づきぎくりとする。


(げぇ、最悪!!)


 そこには人のような形、顔を持った黒いモヤが、花壇の後ろから生徒たちを品定めするようにじっと見つめながら佇んでいた。

 一見にこやかな顔をしたそれは異様な空気を纏っており朝の爽やかな空気には酷く場違いだったが、誰もが気にすることなく横を通り過ぎていく。

 オレはひとつ息を吐くと、周りの生徒たち同様何も気づかなかったフリをして、それでもさり気なくそれから距離を取って昇降口へと向かう。

 そろそろ真横を通り過ぎる頃、ちらりと横目でそれを確認したところで、オレの足はピタリと止まった。

 そしてそんな予定は全くなかったが、見て見ぬふりも後味が悪いと思いそれの近くで固まるクラスメイト――倉田(くらた)萌音(もね)の方へ足を向けた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ