深淵の谷底
そこの見果てぬ谷底に、一人寂しく落ちていく。
入るべき仲間に突き放され、頼むべき友に蹴落とされ。
救う者など見あたらず、我関せずと丘を見る。
落としゆく者は笑い、見捨てる者も笑う。
壁を伝いて登るさま、深き谷へ落とさんと誘う。
落ちゆく者いる事で、己を高く掲げんとす。
人をさげすむ事にのみ、自ら上がる事を知らず。
この身谷に落ちるとも、落つる者の腕をつかむ。
愚かな社会に身をゆだねるよりも、
大切な一人を見つめよう。
我が力は弱くとも、いずれ人を導かん。
これぞ勇気と言われうる。これぞ友と言われうる。
無視こそ真の罪なりや