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ブラック×ブラック

作者: 猫侍

約5年間勤めたコンビニの話をしようと思う。

普通の企業がどんなもんだか知らないが、結構ひどいぜ?

ま、それも踏まえてゆっくり読んでってくれや。


まず初めに、この会社に入るキッカケになった出来事なんだけど、

その前に勤めてた会社も1番偉い【主席】って立場の奴が結構な奴で、そいつにイビリまがいの事されてた。

仕事行きたくねぇなぁ〜、なんて思いながら通勤しててさ、

ある日溜まりこんでたのが爆発したのか、家を出てから途中までは通勤経路走ってんだけど、Uターンしてそのまま帰宅しちまった。

それを何回も続けてやっちまうくらいに、精神的に病んでたみたいでな。

まともに職場に行ったある日、例の【主席】から、精神病院に行けって言われてさ。

そんで病院行ったら 抑うつ病 って診断受けてさ。

その当時はまだ うつ病はサボり病 とか言われてたくらいの頃だったから、余計に病んじまったよ。

でもまぁ、診断受けて医者から〖1ヶ月の療養を要す〗って診断書が出たから、休む事にしたんだ。

でも、治らなくてさぁ。三ヶ月間は会社に籍置いたままで休んでる形にしてた。

でもそのまま辞める事にしたんだ。


〖うつ病で仕事を辞めた〗って事になったから、職業安定所も障害者登録ってやつになってて、なかなか仕事みつかんなかった。


まぁ長くなったけどここまでが前置きかな。



ここからがコンビニに勤める話になるんだけど

ダチのケンから連絡来たのが始まり。

「ミズキ(俺の名前)さぁ、まだ仕事してないんだろ?だったらうちのコンビニに来ないか?

今さぁ、人が足りなくて困ってんだよ」

「へぇ〜。接客業あんまりしたくないんだよなぁ〜。」

「お前昔ガソリンスタンドとかもやってたから大丈夫だろうよ」

「まぁやれるっちゃやれると思うけど」

「何もしないで収入無いよりマシだろ。とりあえず働きながら探せばいいじゃん。オーナーに言っとくから店に電話して面接受けに来いよ」

「まぁ暇だし、やってみるかぁ〜」


大体こんな感じの流れがあって、軽〜い気持ちで店に電話して面接受けたわけ。


履歴書もちゃんと書いて持っていったよ。


「失礼しまーす。今日3時に面接って言われてたミズキですけど〜」

「あ!ミズキ君ね!今ちょっと忙しいから立ち読みでもして少し待ってて!」


おぉ、、、いきなりそう来たか。なかなかだな(笑)とか思いつつ、読む本選んで開いた瞬間に


「あ!手があいたから事務所にどうぞ〜」


おい!立ち読みする暇ねぇじゃんよ!とか心の中で思いつつ、事務所へ。


「失礼しまーす。あ、これ履歴書です」

「はいはい、ちょっと見せてもらうねぇ〜!」

オーナーさん、封筒から履歴書を出して10秒くらい眺めた後、机にポイッ!

「で、いつから入れる?明日?明後日?なんなら今日から研修でもいいけど!」

おぉ、、、これ面接なのか?一生懸命書いた履歴書、一瞬見てポイッとされたぞ(笑)

「えぇと、出来れば一週間後から入れたら嬉しいですね」

「うん、わかった!時間はどうする?夕方から4時間くらい入ってくれる?」

「あ、はい、それで大丈夫です」

「わかった!じゃあそれでシフト組むね!頑張ろうね!」

「はい、わかりました。で、コンビニってどんな仕事するんですか?」

「基本的にはレジ打ちと品出しとそうじって考えてくれたらそれでいいよ!おいおい教えていくね!」

「あ、わかりました。あの〜、、、面接終わりですか?」

「うん、これで終わりだよ!頑張ろうね!」

「わかりました。よろしくっす。」


面接?もこうして終わって、まぁ働く事になりましたわ。

ここから色々と起こるとも知らずにね、、、。



業務内容的には、レジ接客、品出し、陳列直し、床掃除、揚げ物、おでん作り、機械清掃、駐車場掃除、ゴミ袋交換など、基本は二人1組でレジの中と外で分担してこなす感じ。

あとは掲示物貼替えとか、ポップ(新商品!とかの商品紹介の飾り)を作ったり、値札が無くなってるのを新しく作ったり。



そうこうして仕事に慣れ始めた頃、定時制高校に通ってる16歳の男、 コバ がバイトで入ってきた。

基本、昼12時〜5時に入る事になった。


接客するにあたって、わかりやすく言えば

お客様は神様です

精神でいかなきゃいけないのに、

俺が売ってやってるんだ!

みたいな間違えた考え方を持ってる奴で、まぁクレーム入りまくりでねぇ、、、。


一週間経ったある日、就業時間になっても来ないのよ。電話しても出ないし。

それが3日続いて、もう来ないだろうとみんな思ってた。

だが!

店に一本の電話が入った。

「風邪引いて寝込んでたんで明日からまた来ます」

みんなで はぁ?! だったよね(笑)

んで、まぁまた来る事になったんだよね。


「なぁ、本当に風邪で寝込んでたのか?」

って聞いてみると、なんと、、、

「いや〜、親が携帯買ってくれるって言ってたんですけど、買ってくれなかったんで部屋にこもってました〜。」

、、、は?なんだそれ?

呆れてモノが言えないって、こういう時に使うんだろうね。


そしてコバにとって初めての給料日。

出勤日数も少なかったから少なめの給料だけど、まぁ大事そうにカバンにしまってた。


給料日の次の日、また出勤して来ないし連絡も無し。

後日、コバの親から電話が入った。

「バイト終わってそのまま学校に行って、給料を盗まれたからもう行かないって言ってます。給料分、また頂けませんか?」

あぁ、この親にしてこの子ありだな。ってのか正直な感想だった。


さて、話を戻すとしよう。


このコバのおかげで、俺は5時から入るようになってたんだけど、コイツが来なくなった次の日には2時〜10時で入ったり、3時〜10時で入ったり。

しかも、休憩無し。

う〜ん、ブラックぅ〜。


その後入ってきたのが ツツミ って25才くらいの大卒君。

まぁ口だけは達者な奴だったけど、仕事させられないの。

他の奴の3倍以上時間かかるし、なんでも中途半端に終わらせて次の仕事やり始めるから後始末が大変で、、、。

なかでも、アイスの補充させた時がね。


裏の方にある冷凍庫にダンボールで置いてあるアイスを品出しするんだけど、出しっぱなしで放置して、、、

ダンボール1箱分溶かして買い取り。しかも半額俺も出さなきゃいけなくなってさぁ。


それからはツツミに仕事させられないからレジに立たせとけって話になって、一人で全部の仕事こなす日々。


まぁ、レジ打ちさせても遅いってクレームは上がってましたがね。

俺が三人終わらせるとツツミは1人終わらせてるって感じで。

ラッシュ時間帯は特にヤバかった、、、。

1人バタバタと仕事して、ボーッとレジに立ってるツツミを見るたびに〖俺、なにやってんだろ〗って心の中で思ってた。

なにより1番ヒドイと思ったのは、ツツミと時給同額っていうね、、、。



ポップ作りも何故か俺の仕事になってて、仕事上がってから居残りして作ってたな。

もちろん、時給は付かないし、手当も付かない。

あとは発注業務もね。



精神的に参ってきたから、辞めるって言ったんだ。

でも人が足りないって理由で辞めさせてもらえなかった。

何回もね。

ブッチして辞めちゃえって何回も言われたけど、社会人としてそれも出来ない自分がいた。ちっちゃいプライドってやつかな。



まぁそんなこんなで働いてたコンビニだけど、ある日事件がありまして。


ATM付近でお札握りしめて手を震わせてる、顔色の悪いおじさんがウロウロしててさ。

「どうされました?」

って声かけたのよ。そしたら「このATMは振り込みできる?」って聞かれて。

「何の振り込みですか?」

「あるサイトを見てたら登録しましたって画面に切り替わってね。

退会はこちらって書いてある所を押したら電話番号が出たから電話かけたんだよ」

この時点で勘のいい人ならお気付きでしょう。振り込め詐欺的なやつだと。おじさんは更に続けて

「それで、今日中に振り込んだら20万でいいけど、明日になると35万になるからすぐにコンビニに行けと言われて来たんだけど」

あぁ、なるほど。そういう手口か。

「とりあえず振込先とかわかりますか?」

「いや、まだ聞いてないから電話で聞いてみる」

と、また電話をかけだすおじさん。

そして、ATMではなく、電話で言われるままに発券機械を操作し始める。

横で見てると、某ギフトカードを発券してたから、マズイなと思って警察に通報した。

おじさんは発券し終わって、精算のためにレジへ来た。

「お客様、それ多分新手の詐欺で、ギフトカードの番号を教えろってやつなんで、勝手ながら警察に通報しときました。」と伝えると、

「あぁ、やっぱり詐欺だったのか。うすうすわかってたけど確証が持てないし、電話で家に来るとまで言われたから気が動転してて。ありがとう」

と肩をなでおろすおじさん。

その後、警察が来て一連の流れを説明した。


後日、警察から俺に電話があり、ギフトカード詐欺を未然に防いだとの事で警察と防犯協会からの感謝状を渡すと言われて、警察署へ。

もう1人、同じような感じで振り込め詐欺にかかりそうになっていたおばさんを止めた、百貨店の兄ちゃんもいた。

その兄ちゃんが先に署長さんから感謝状と記念品を渡され、次が俺の番。

感謝状を読み上げられ、それに記念品の湯呑みを載せて渡されるんだけど、署長さん、俺に渡そうとした時に手を滑らせて湯呑みを落とすハプニング。

取材に来てた新聞記者さんが笑ってたのを俺は見逃さなかった。

まぁ無事に感謝状を貰い、新聞記者の取材も受けて後日新聞にも載りましたわ。

ここで、正装していけば良かったと少し後悔。

店に行くと、カラーコピーされた新聞の切り抜きがいくつも貼られていて、恥ずかしかった。

実家に帰ると、その切り抜きと感謝状が座敷に飾られていて、正直恥ずかしい。

あ、そうそう、その時の署長さんの言葉もなんか頭に残ってるんだよね。

『犯罪を未然に防ぐのも警察の仕事です。間違いだったらどうしよう等と悩まずにまず通報してください。誤認だったり間違いだったら間違いだったで警察を悪者にしていいですから。』と。



話は一気に飛ぶんだけど、いよいよコンビニを辞める決心をして、オーナーにその旨を伝えたのが2月の末だった。

3月いっぱいで辞めますと。

辞めようと思ってます。ではなく、辞めますと。

その頃、ポップ作りも発注も、更に機械修理の手配やクレーム等を処理する役目までも、何故か俺の仕事になっていたし、肩書や手当は何も付いていないのにバイトリーダーとして最低賃金のまま扱われていた。

精神的に参りきっていた俺は、本気で辞めるつもりだった。

でも返ってきた言葉はこうだった。

『そんなに急に言われても、人もいないし代わりに誰が仕事するの?』

あぁ、また辞めさせてもらえないんだな。もう諦めよう。

『わかりました。』

一言だけ言ったんだ。


帰りの車の中、ボーッと運転しながらこのままいつまで続いていくんだろうと考えていた。先が見えないトンネルの中にいる気分だった。


気を紛らわそうと、いつも星を見に行っていたビルの屋上に寄ってみた。

雲一つない夜空の星はとてもキレイで、とても輝いていた。

その空を眺めながらタバコを一本吹かした。


次の瞬間、俺は飛んでいた。


満天の星空の星になりたくて、、、。



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