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大麻のデマを考える 大麻の本当の真実(第一弾)  作者: ストップ大麻デマ!ボランティア
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刑罰、非犯罪化をどう考えるか。

最近大麻デマ問題の興味や意欲がすごく薄れてしまい、更新が遠のいてしまいすいません。皆さんに、これって本当に正しいの?と疑問を持ってもらう、そのためだけに息も絶え絶え書いていましたが本当に絶えそうです。


久々に筆をとった今回は、刑罰と非犯罪化の話。つまり、大麻取締法の罰則に焦点を当てたいと思う。昨今、刑罰より依存症患者の治療が大事とか、刑罰を重くしても薬物問題には意味が無いのじゃ無いかとかいう声も世界的な流れとして確かにある。大麻推進派に至っては、もっと過激に非犯罪化すべきとか、逮捕者をバッシングするなとか、罰則は人権侵害だとまで言っているのを見聞きする。では、そもそも薬物犯罪の刑罰をどう考えればいいのだろう。


大麻が社会や健康に有害であり精神依存があることはこれまでにも何度か説明してきた。薬物関連の法律は、大麻取締法も含めて、国民を大麻から守るためにある法律である。ちなみに、日本では憲法で公衆衛生の向上に努める義務が記載されている。だから「自己責任でいいじゃ無いか」、「いやそんな賢い国民ばかりでないから守らねば」という議論は、憲法論議まで行き着く話でかなり深い議論になる。


参考:日本国憲法25条

すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。


日本だけの話ではない。根本的な話として、大麻だけに限らず、薬物の被害防止のための国際的な条約が根本にある。批准している各国はそれに従っているだけだ。その条約に沿って、WHOやECDDといった国際機関で有害かどうかの評価に基づいて、各国でどんなレベルの規制が必要かが決める仕組みだ。カナダやオランダなどの合法化国は、明確に条約違反をしている。一方で、その有害なものをどのくらい、どう取締るのかは各国任せになるので、特に少量の所持を非犯罪化している国なんかは、条約違反とは言えないだろう。


少し脱線したが、大麻のような薬物犯罪について刑罰を考えるなら法律の目的、つまり「国民の健康を守る!」により適しているかで判断していかなければならないということだ。


では、厳罰化やその逆の非犯罪化は大麻をはじめ薬物の害や蔓延を増やすのだろうか?減らすのだろうか?

先に結論から言うとまだ判断をつけることはできない。


まず、厳罰化だが、過去に国際的に厳罰化する潮流があった。しかし、それで大して効果が無かったのは事実である。(※日本のような一部の国では蔓延を阻止きたという見方もできるが)


だからこそ、国際機関でも議論され、最近では厳罰化より依存症治療や急性中毒対策が叫ばれるようになった。

○○エモンが「厳罰化」を求める芸人に反論して話題になったように、少し勉強している人であれば一般常識になるくらいの動きにまでなっている。(以下リンクは国際機関の見解の例)

https://www.unsceb.org/CEBPublicFiles/CEB-2018-2-SoD.pdf


非犯罪化した国が禁止の国並みに大麻使用率が低下するかといったらこれもまたノーだ。非犯罪化したポルトガルでも禁止の日本でも大麻使用率は増えている。大麻推進派の想像した通りにはなっていない。経済学的なモデルで非犯罪化により健康被害を減らせる可能性自体は示されているものの、実際には上手くいっていない。これは、想定やモデルでは決まった「前提条件」を設けて考える。恣意的な研究であった可能性を除けば、そういった前提が現実に即していなかったり−例えば他に影響する因子があるとか−、前提が変化したりする、そういったことが理由だろう。見込みが甘いのだ。


調べてみた感想で私見にはなるが、再犯率の高さも考えれば、薬物犯罪は刑罰による抑止効果は低いのだと思う。


薬物をはじめるときは、スリルを楽しむ形で自分が捕まるとは思わない(刑罰を怖がる人は元々しない) 。息苦しさを感じていて明日がどうなってもいいと思っている人に、公衆衛生を説いても響かない。また、社会に諦めや斜に構えたところがある人が薬物に興味を持ちやすいと言われている。その上で、精神依存があるわけなので、ちょっと刑罰が頭にチラつかせるぐらいでは、社会的に効果はないのではないか。そんな風に思うのです。


じゃあ、何が大麻の蔓延による健康被害を防ぐのに有効なんだ!?どうすればいいんだよ、おおおおお。(深夜に書いているのでテンションがおかしいだけです)


そういうときは少し俯瞰的に引いて見てみよう。他の薬物で規制に成功した例を見ていくと少しわかってくるかもしれない。


★ケース1:飲酒運転の取締

1960年代から点数は引かれていたものの不十分で、飲酒運転による重大事故が多発。2000年頃に起きた悲惨な事故がきっかけで危険運転致死傷罪が制定された。2007年に更に厳罰化され、同乗者まで罰せられるようになった。規制に伴って飲酒運転は減少している。


適当に拾った飲酒運転の論文です。法規制の歴史はググると沢山でてくる。

http://www.seiunkai.net/images/library/ronbun/2012/2012_1.pdf


あれ?厳罰化で飲酒運転減ってるじゃん?という声が聞こえてきそうだが、甘い。そんな簡単ではない。


① メディアの盛んな報道があり、世間から飲酒運転がバッシングされたこと。

② 取締が強化されたこと。

③ 飲酒量は低下傾向にある(ただし、依存症患者は増えている)


取締の強化も、単純に今まで捕まっていなかった人を捕まえて、検挙数が増加すると考えることもできるし、逆に検挙を恐れて飲酒運転を止めるから減少するとも考えることができる。同じ数字をみても解釈が難しかったりする。


何はともあれ、厳罰化に加えて、社会の飲酒および飲酒運転に対してのイメージの悪化、取締頻度の強化もあったことは忘れてはならないだろう。


注目したいのは、飲酒量、飲酒運転、未成年の飲酒が減少している中、依存症患者は増えていることである。女性患者の増加、ストロング系チャーハイなど「コスパがいい」リスクの高い商品の拡大、アルコール依存症が良く知られるようになったこと、診断の強化などが原因として考えられるだろう。


https://www.ask.or.jp/article/alcohol/アルコール関連問題を知ろう/アルコール依存症とは?/調査・日本の飲酒実態

https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/alcohol/sympo/dl/siryou-01.pdf


★ケース2:危険ドラックの取締

危険ドラックの取締は、間違いなく規制の成功例だろう。危険ドラックは取締によってほぼ撲滅できたと言っていい。


https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/yakubuturanyou/oshirase/20150819-1-03.html


薬物の取締は「これは良くないものですよー」と特定の成分に対して行われる仕組みになっていた。危険ドラックは、化学式をちょこっとずつ弄って、「規制成分でないんじゃ!どや!」って作られていた。一番多いタイプは大麻に近い合成カンナビノイド系。弄っているぶん大麻よりも毒性があったり、毒性の高い"ふりかけ“がかかっていたり、健康被害もあった。そこで、「ちょっといじったものも含めてなんとなくこういうのは全部だめ」と取り締まれるようにしたのだ。

要するに、脱法行為ができないようにしたのだ。


何言ってるかわからない?そういう人は厚生労働省や法規制の論文を漁りなさい!そういう人任せの姿勢だから大麻推進派にコロリと騙される。(丸投げの言い訳)


効果の似た大麻に濫用者が移行した可能性の指摘や報告は時折目にするものの、それをしっかり証明したデータは見たことがない。大麻が世界的に蔓延した時期と単に一致していたので、体感的にそう感じただけだろう。要は気のせいでは?と私は思う。多少は移行はあったろうが、どっちも試してみていた人もいるだろうし。


危険ドラックは罰則強化の成功例なのだが、経緯を調べるとこれも以下の2つの要因が大きいように思え、単純に厳罰化で撲滅されたわけではないと思われる。


① 悲惨な事故などによるメディア報道。

② 輸入差し止めなどの取締、特に販売店への取締が強化されたこと。


それに、危険ドラックは大麻と異なり栽培することはできないだろうし、その性質上、輸入禁止や販売店への取締の効き目も大きかったのだろうと推測される。大麻で同じことをするのはちょっと難しいだろうか。


★ケース3:シンナー の自然減?

シンナーの濫用はかつては非行少年のあんぱんだった。毒性が特に強く、薬物中毒で歯も体も心もボロボロのイメージが当てはまる。死亡例も多いのに、いろいろな産業で使われることもあり、吸引目的は禁止されているものの、入手しやすく値段も比較的安かった。だから非行少年=シンナーというくらい蔓延していた。しかし、今は減っている。なぜだ。

https://www.ncasa-japan.jp/understand/drug/japanese


調べてみたが、規制が強化された形跡はない。センセーショナルな報道があったわけでもない。わかりやすい廃人になる有害性と、教育、シンナーが日常生活から遠くなって入手が難しくなったこと、なんかダサいイメージがついたこと、そんなところだろうか。そういう意味では、教育活動の成果の可能性も考えられるだろう。


★ケース4:ヒッピー文化と1960-1970年代

武器ではなく花をとか、ヒッピーとかフーテンとかいうのが昔は流行ったころがあった。大麻もそうだがLSDやコカインなども流行した。その後、LSDを利用したカルトとか、殺人事件が起きたりして、禁止された。そしてヒッピー文化とともに世界的に下火になった。今見るとヒッピーとかダサいから…それは主観か。思い出すと恥ずかしい。


これも殺人などのセンセーショナルな事件からの報道の影響が大きいだろう。その結果、禁止され、消えていく。パターンが何となく見えるような。



★ケース5 タバコ喫煙率の減少

これも規制強化の奏功例。ただし、懲役がついたわけではない。タバコが健康に悪いことが判明して、それが社会に周知されたことや喫煙場所がなくなったこと、広告規制、未成年への販売規制の強化などが効果あったのだろう。先進国では同様に喫煙率減少の傾向がある。ただ、女性は逆に増えていたりするし、まだまだ吸っている人も多い。


http://www.health-net.or.jp/tobacco/product/pd090000.html


https://www.mhlw.go.jp/topics/tobacco/houkoku/dl/120329_1.pdf


http://www.health-net.or.jp/tobacco/oversea/ov910000.html



◆◆◆


いろいろ調べてみたが、「懲役年数を増やしたから濫用が減った」という明確な事例は見当たらない。感想としては、むしろ、いろいろな他の理由で増えたり減ったりしていてあまり関係ない印象を受ける。


濫用が減るためには、

①「悪いイメージが周知される」

➁「入手が難しくなること」

➂「警察の取締頻度(本腰度)」

が大事なように思う。


正直、懲役何年のいうのは関係ないのだろう。逆に非犯罪化したから濫用が減ったとはっきり言える事例も海外も含めてないように思う。非犯罪化して、濫用者数が変わらなかったとか、増えたという事例もあり、「現時点ではわからない」が正確だろう。誤解がないようにしつこく繰り返すが、今の世界にあるデータでは確実なことは言えない。


カナダで大麻の合法化がなされたときには、合法化してタバコやアルコールのようにコントロールして管理することが被害の最小化に最も有効という仮定の議論がなされた。ちゃんちゃらおかしい。恣意的な幻想を見てただけだ。以下のような最新の論文を読んでみても、非犯罪化して、健康被害の最小化に役立ったとか、合法化して健康被害の損害より税収や経済効果が上回りメリットがあったとか、そういうことは「わからない」がやはり正確だと思う(どちらかというと、これらの論文は非犯罪化は害を増す可能性もあることを指摘している)。「わからない」という結論は面白くないので、警察の文書にも大麻推進派のブログでも、ニュースにも載らない。


The Public Health Concerns of Marijuana Legalization: An Overview of Current Trends

Zvonarev V, et al. Cureus. 2019.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6837267/


Public health implications of legalising the production and sale of cannabis for medicinal and recreational use.

Hall W, et al. Lancet. 2019.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/31657733/



依存症患者や交通事故、自殺、入院するレベルの精神病など、少し重めの健康被害を減らすという面ではどうだろう。使用量や使用者数を減らせば当然減るのは自明だ。アルコールでは、自殺と相関があることが知られている。ソ連などで禁止された際は自殺が減った(すぐに非合法の飲酒が始まって元に戻ったが)。しかし、厳罰化や合法化の影響は、濫用を減らすかどうかと同様によくわからない。


ちなみに、一般的にはこんな対策が健康被害の最小化につながると言われている。

①リスクの高い人に特に注意換気する

➁早期から治療に結びつける

③応急処理ができる体制をつくる


難しいのは、濫用を減らすために重要な「悪いイメージの周知」と「早期から治療に結びつける」ことは相反する面があることだ。ここを意識した上での周知活動が必要だと言える。


◆◆◆



結論としては、厳罰化も非犯罪化も議論としてはくだらねぇ。

底が浅すぎる。


最後に、ぼくのかんがえた大麻取締法の改善案を提案しよう。


○罰金刑を中心にする。懲役刑は止める気のない事例のみ。


○取締の頻度を上げまくる。罰金取りまくり。


○普通の服役ではなく専用の医療刑務所で。懲役が無くとも治療プログラムの参加を義務付ける。


○薬物対策の教育をしっかりして、社会的バッシングも悪いものとしない。ただし、お医者さんに相談できるようにする。


○その一方で治療できるものとして依存症治療への案内を行う。


○密輸や販売店など流通させる者については厳罰で対する。


○ 医療用もWHOの規制区分に変更がない限り変更すべきでない。医療用の規制を緩めると「安全」のイメージを世の中に広めてしまうからだ。やるとしても医療関係者だけの周知に留めておくのが望ましい。


まぁ、正直このへん、私が書くまでも無く、日本も結構頑張ってるんだよね。もちろん完璧ではなくて足りないところはある。


厳罰を単に叫んでも、欧米の安直な議論を輸入していても解決しない。もっと深く原因を分析して、一歩踏み込んだ対策が必要だと思う。




正直、自分のモチベが足らない。

書き溜めたものもアップデートが必要だし、そもそも調査不足、説明不足も否めない。


そろそろ、第一弾完にしようかな。やる気が出るまで。

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