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大麻のデマを考える 大麻の本当の真実(第一弾)  作者: ストップ大麻デマ!ボランティア
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大麻精神病は存在するか?

大麻精神病という病名を聞いたことはあるだろうか?

私はあんまり聞き馴染みがなかった。


慣用的に大麻投与後に精神病を起こした時に、大麻精神病という診断名がつくことがある。あまり聞きなれない名称だが、こういう大麻に限らず名称はよくあるようだ。アルコール精神病、覚醒剤精神病なんてものもある。もっと大きな枠組みで捉えると物質使用誘発性精神病障害となる。


精神病とは一般的によく使われるが、最近では精神病性障害と呼ばれる。幻覚や妄想、まとまりのない会話や行動などの現実検討が著しく障害される疾患を総称しして精神病と呼ぶ。精神病自体ぼやっとした言葉なので、大麻精神病は単に大麻によって起こった精神病という、かなりぼやっとした言葉になる。(同じ意味の言葉で、大麻誘発性精神病性障害 という用語もあるが同じもの)


また一般的に、このような診断をする場合に、物質使用によって引き起こされた症状なのか、独立して発生した症状なのかは鑑別が難しく、判断できないことが多いらしい。私は大麻反対派であるが、そんな曖昧な診断に意味があるかと言われると、微妙かなと思う。


そんな曖昧な面があるせいか、大麻推進派の一部の方は、「大麻精神病は存在しない」という主張をすることがある。人によってはデマやプロパガンダとまで言われる言われようだ。


存在するかしないかで言ったら、大麻精神病の報告は下記のように報告された研究は沢山あり、大麻精神病という現象自体は存在はしている。PubmedでCannabis-induced psychosisで検索しても沢山研究がでてくるし、診断基準のDSM-5でも大麻誘発性精神病性障害として物質誘発性精神病性障害の一つに分類されているから、あるったらあるのだ。概念が無いとか精神科で全く使われていない言葉とか、プロパガンダとか、そういうのは事実では無い。ただ、ちょっと曖昧な言葉なだけだ。


大麻推進派を喜ばしてしまうのは大変癪だが、大麻精神病の程度(期間や症状)の記載は文献によって異なる。総じてみると、長くても1-2週間で回復する、軽いことが多い一過性の精神症状のようだ。症例報告では入院している症例報告も多い。うーん、これは診断基準が人によってもしや違うのかな。どうなんだろう。ちなみに、ダメ、ゼッタイのホームページでも通常は1-2週間と書いてあった。まあ、海外で入院するって日本より大変なことだから、一過性といっても全然軽くはないと思うけれど。


発現頻度も正直良くわからない。これも研究や国によって違う。基準が違うのか、病院に行く人数や大麻使用者の割合が違うのか。頻度は少ないようだが、それが本当かはわからん。デンマーク(人口約500万人)で毎年100例程度とも書かれたものも見たが、うーん。


ちなみに、大麻精神病の頻度が少なくても大麻使用が精神病のリスクが上がるのは事実。大麻のヘビーユーザーでは統合失調症を含めた精神病のリスクが3.9倍上がる。しかも、投与量とリスクが比例した関係にあるので、関連性もバッチリだ。

Meta-analysis of the Association Between the Level of Cannabis Use and Risk of Psychosis.

Marconi A, et al. Schizophr Bull. 2016.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/26884547/


何はともあれ、結構重要なところがわからなくてもやもやする。もやもやしたまま先に進もう。あーもやもやする。


では、大麻精神病を発症した人はその後どうなるのだろうか?驚くべきことに、実は近年大麻精神病の発症後、統合失調に移行することがわかってきた。大麻精神病を発症した人を追跡すると、44%が統合失調症として診断されたのだ。大麻精神病は統合失調症の前駆症状と捉えるのが自然だと思う。

Cannabis-induced psychosis and subsequent schizophrenia-spectrum disorders: follow-up study of 535 incident cases.

Arendt M, et al. Br J Psychiatry. 2005.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/16319402/



さらに、その後スウェーデンで行われた研究で、大麻精神病(大麻誘発性精神病障害)の発症は家族性(遺伝)の影響が強く、大麻精神病を発現した場合に統合失調症に進みやすいことがわかってきた。大麻の使用だけでなく、その本人の遺伝的な体質が影響しているということだ。大麻使用と遺伝が組み合わさると、大麻精神病を発症し、統合失調症に進むリスクが非常に高い。

Prediction of Onset of Substance-Induced Psychotic Disorder and Its Progression to Schizophrenia in a Swedish National Sample.

Kendler KS, et al. Am J Psychiatry. 2019.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/31055966/


大麻精神病を起こすような人の場合、遺伝的に特に大麻に弱くリスクが高い。だったら、統合失調症になる前に大麻は中止するべきだ。大麻推進派の考えるように、入院するかもしれないけどすぐに回復すると喜んでいてはダメなのだ。


実際に下記研究のように大麻精神病になってすぐに中止すれば、その後精神病に移行せず、社会ー職業的機能の著しい回復を示すことがわかっている。大麻を中止しなかった群では、全ての例で大麻精神病を再発し、半数が精神病に移行した。(35人約5年の追跡結果)

Cannabis induced psychosis and subsequent psychiatric disorders.

Shah D, et al. Asian J Psychiatr. 2017.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/29096386/



では、結果をまとめよう。


・大麻精神病は存在するけれど、曖昧さがあり、あまり意味のある言葉では無い。


・大麻精神病は、統合失調症などの前駆症状と考えられる。


・大麻精神病になる人は、遺伝的に大麻によるリスクが特に高いと考えられる。


・大麻精神病になった人は大麻をすぐに中止し二度と手を出さない方がいい。再発するし、他の統合失調症などの精神病にめちゃめちゃなりやすい。



ちなみに、厚労省やダメゼッタイホームページだと、大麻精神病の症状の記載(幻覚や妄想)や重症例の記載はあるが、大麻精神病から統合失調症になりやすいといった記載はない。大麻推進派のブログでも、厚労省やダメゼッタイの批判や大麻精神病の曖昧さについての批判があるが、こちらも統合失調症の前駆症状という記載はない。


大麻精神病がその後統合失調症になりやすく遺伝的素因が強い疾患というのは、患者にとってとても重要な情報ではないだろうか?大麻精神病を発病して半分くらい統合失調症になるんだぜ。大麻精神病の再発は100%だ。


大麻精神病の人に積極的に注意喚起すれば数は少ないにしろかなりの人が助かるはずだ。仮に日本で新規で年間2000人(デンマークでの報告を単純に日本の人口に当てはめただけ)としたら10年なら2万人(そんな単純ではないけれど)。これは大麻精神病になった人にとっては大事な情報だ。


大麻精神病有り無しとか、滅多にない重症例よりもそのような情報の方が重要なのではないだろうか。厚労省も大麻推進派もいったい何を見ているのだろう。

大麻の急性使用による精神病の初期症状(最初のエピソード)は、普通の精神病の初期症状に比べて興奮や陽性症状などを示すことが多いという特徴があるようだ。

Cannabis acute use impacts symptoms and functionality in a cohort of antipsychotic naïve First Episode of Psychosis individuals.

Coutinho LS, et al. Schizophr Res Cogn. 2019.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/30581766/


遺伝的素因から大麻で誘発されていると考えて、どうしてこういった違いがでるのかな。


あと関係ないけれど、合法化後のコロラドについての研究を見つけたので本腰入れて読んでそのうち紹介しようと思います(がんばろ)

Legalized Cannabis in Colorado Emergency Departments: A Cautionary Review of Negative Health and Safety Effects.

Roberts BA. West J Emerg Med. 2019.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6625695/

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