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大麻のデマを考える 大麻の本当の真実(第一弾)  作者: ストップ大麻デマ!ボランティア
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大麻の研究はもっとすべきというのは本当か?

今日はディスり成分多めかもしれません。

大麻反対派の視点から、大麻推進派の主張について新たな視点を提供するエッセイなので、悪しからず。




日本に限らず、大麻推進派は「大麻研究をもっとするべき」と主張することが多い。大麻推進派のブログなどで意図を確認すると、下記の要点にまとめることができるだろう。


・大麻は非常に有用で可能性がある。

・新しい知見が沢山あり、研究もどんどん増えていて今注目されている。

・有効性や有害性などわからないことが沢山ある。

・大麻取締法など制限が多くて研究が進んでいない。


本当にそうだろうか?これまで調べてきた中で、「大麻は非常に有用で可能性がある」というのも、実際にはしょぼい効果しかなかったりだったり、ヒトでは証明されていない眉唾情報だったりしてデマだった。「大麻研究がもっと必要」という言葉に、私の大麻デマセンサーがピンと反応する。



なんだか怪しげな気がする。しかし、ちょっとまてよ、それ以前に私たちは(大麻推進派も大麻反対派も)大麻の研究がどれくらい行われているか良く知らないのではないだろうか。


日本での大麻研究の状況はどんな感じ?


→答えはこんな感じ。(2019年7月時点)


厚生労働科学研究データベース

大麻又はカンナビノイド で検索した結果 74件


科学研究費助成事業データベース 256件

(参考:タバコ4000件、カンゾウ151件)


どうなんだろう、多いか少ないか良くわからないな。タバコと比べれば少ないし、薬用植物のカンゾウ(リコリス)よりは多そうだ。更なる調査が必要だ。そういえば、昔ヤフコメで「研究がもっと必要だ!」と書き込みをしていた大麻推進派の人に「これだけ研究があるけど、大麻の研究は少ないの?」と訊いてみたことがあったが、残念ながら返事は無かった。どうなんだろう。



少なくとも、日本で大麻の状況は、科研費のデータベースでわかった。研究はいくつも行われていて、「大麻取締法など制限が多くて研究が進んでいない」と言うのは怪しそうだ。


確かに大麻取締法による制限はある。だが、私が思うに、日本では大麻の研究ができないというのは誤りだ。大麻は臨床研究ができないというの表現が正確だと思う。医療用麻薬と違い大麻は医療用途に施用できないため、臨床試験できない。しかし、大麻研究者の免許があれば大麻を用いて研究自体はすることは可能である。また、成分の一部のCBDなら臨床試験は可能だし、海外の大学と共同研究して研究を進めることもできる。


大麻研究を行える大麻研究者は、全国で300人、大麻栽培者30-50人くらいのようだ(※正確な政府の資料が見あたらず、信頼性が低い数値)。麻薬研究者は、東京都だけで300人みたいだから少ないといえば少ないが、麻薬に当てはまる成分数が多いことを考えると少ないとも言い切れない。大麻は一種類の植物なのに300人も居ると言えるかもしれない。


大麻推進派によると、大麻研究者の申請を出しても県がお役所仕事で許可しなくて、麻薬取締官ばかりが麻薬研究者となっていると主張もある。しかし、しっかり決められた適格性の基準に合致できないことを県の陰謀みたいに言うのはおかしい。大麻研究者の申請について、ネットで県のホームページを調べれば、すぐに不合理な基準なんてないことがわかる。研究者が少ないとすれば、研究のニーズが少ないか、ろくな申請者がいないかだろう。行政が本当におかしいなら、県に申し立てでもすればいい。全く見当外れの批判だ。


科研費が通らないのも、大麻研究者が通らないのも申請者が基準をクリアできていないだけだ。何か通らない理由があるんだよ。なんでも行政を悪者にして正当化するのは卑怯だと思う。


制度を見る限り、臨床試験以外は特に不当に大麻の研究が抑制されているなんてことはなさそうだ。臨床研究も、WHOでスケジュール4(有害で医療価値もゴミ)に分類されているから制限されているだけで、WHOのスケジュールに従って規制する仕組み上、現時点では全然おかしくない。臨床研究する価値があるなら、WHOのスケジュールが変更されるはずで、科学的議論でスケジュール区分が変更されてから従えばOKだ。


※以前、スケジュール1+4(有害で無益なゴミ)から、スケジュール1(有害だが、医療用途もある危険物)に変更されそうだと書きました。しかし、海外の掲示板情報ではアメリカがスケジュール1に分類される(=有害だと再評価される)のを嫌って反対し、採決が延期されているようです。なお、大麻反対派の陰謀で医療用用途を認める区分変更が遅れているという話は多分デマ。逆にアメリカの大麻推進派が遅らせているのだ。自分も掲示板情報だからよく知らんけど。


脱線してしまったので、元の話題に戻ろう。ここまで見た中で、大麻の研究は不当に阻害なんてされていないし(大麻の推進学会もあるくらい)、日本でも大麻研究は普通にある。どこをみたら、もっと研究が必要なのか、大変不思議だ。



では、「新しい知見が沢山あり、研究もどんどん増えていて今注目されている」というのはどうだろうか。そういえば、海外では最近盛んに研究が行われている!と大麻推進派はよく言っている。それでは、海外も含めたデータを見て見よう。私の長年の親友PubMedさんでは、検索すると画面に年数ごとの公表論文が表示される。




検索すると、確かに検索は増加している。右肩上がりに綺麗に増加している。


うわ!こんなに研究増えてるの!って思った貴方は危ない。詐欺に気をつけて。

これも、よくあるトリック。



そもそも、世界的に研究数は著しく増加傾向にある。背景として、論文投稿が簡単になったり、大学数が増えたり、中国の躍進といった変化があったから。だから、1年に出版される論文数が増えたからといって、その分野が活性化しているとは言えない。


きっと全体の研究の中での占める割合は変化ないはずだ!patient or mice (患者とネズミ)で調べた論文数の推移で、marijuana or cannabis(大麻)で調べた論文数の推移を補正すると…




あれれ、まだ右肩あがりだぞ…(こういうこともある。汗)




推移の全体のトレンドを書くと、1970年代後半(ヒッピー時代)に、タバコの論文数を抜くくらい論文数が急増、その後右肩下がりになり、その後また右肩あがりに。2000年前後と2018年を比較すると、1.5倍くらい増加している。しかし、先に例に出したカンゾウも同じくらい増加しているし、タバコは1980年代にもっと急激に増加し、今なお大麻と比べて非常に多くの論文が毎年出されている。歴史経過を見ると、論文の急増とともに、タバコの有害性が更に明らかになって喫煙習慣が下火になっていった。




大麻の研究が増えているというのは事実だし、注目度が研究数に現れているかもしれないが、タバコの例のように、ポジティブな注目度だけではなくネガティブな注目度も影響している。「新しい知見が沢山あり、研究もどんどん増えていて今注目されている」とは言っても、研究が必要な理由にはならないのではないかな。論文数で研究の必要性が決まるなら、タバコは大麻よりずっと沢山研究をする必要があることになる。



それから、注目度を調べようと思って、グーグルトレンドで調べてみたが、論文同様、長期的に増加傾向にあるが、特別ブームになっているようにはみえなかった。検索の仕方が良くないのだろうか。




では残りの、「有効性や有害性などわからないことが沢山ある」というのはどうだろう。大麻推しの科学風ニュースなんかでは、「◯◯博士が更に大麻の研究が必要だと論文中で述べている」なんて書かれたものがある。いかにも研究が必要そうだ。


しかし、それも文字通りに捉えてしまうのはあまりにもウブ過ぎる。実は、よく見かける「もっと研究が必要だ」は研究者の常套句で、学生の卒業論文や博士論文でもしょっちゅう書いてある意味の無い決まり文句だ。白状すると、私も書きました。本心ではもっと大事な研究をしたいよって思ってたのに。論文に研究が必要だとみんな書くのはちゃんと理由がある。研究者の本音を聴いてみよう。



・今回の結果は、◯◯という疾患にも関係していると考えられる。XXについて更なる研究が必要と考える。

本音:こんな治療に応用できるかもよ。応用なんて知らんけど。だから私の研究は重要なんだよ。注目してね!



・必要な症例数が足らず、今回の研究でははっきりしなかった。引き続き研究が必要だと考えられる。

本音: 今回はここまでしかできなかった!次回研究で明らかにするから突っ込まないでね。



・◯◯については依然わかっていないことが多くある。より様々な観点での研究が更に必要と考える。

本音:もっとこの研究テーマを研究したいけれど、盛り上がってなくて進歩してないんだよなぁ。面白いはずだから、みんなこのテーマに興味持ってよ。



・◯◯についての信頼できる研究は少なく、結論がでていない。より多くの質の高い研究が必要と考える。

本音:情報不足。以上。沢山情報あったら結論づけてやんよ。




つまり、研究テーマやその分野の宣伝だったり、研究の抱えている欠陥の言い訳だったり、単に情報不足だったりで、研究の必要を何か検証して言っているわけではないのだ。



言葉のまま信じて「あっ、大麻の研究もっと必要なんだ!」って間に受けてしまうと大変有害だ。特に、結論がある程度でてるテーマだったりすると只のムダな研究だ(再試験としてならいいけれど)。


例えば、もうメタアナリシス などで決定的なエビデンスがあるのに、「更に研究が必要だ」と無駄な研究する。動物試験の結果は充分で質の高い臨床研究をしなければいけないのに、「研究が必要だ」とラットで試験する。有害性がもうわかっていることも「研究が必要だ」と無かったことにして、その結果多くの人が惑わされる。



有害無益だから、論文によくある「研究が必要だ」は無意識に消して読むべし!(というかみんなそんな常套句やめようよと提言したい)



適当な気持ちで書いた常套句が、大麻推進派たちの「あ!大麻の研究もっと必要なんだ!」という考えに繋がっていたらと、少しゾッとした。まあ、本当に必要な研究テーマなら、科研費も通ってどんどん研究されていくと思うよ。





では、長くなったし振り返ろう。


・大麻は非常に有用で可能性がある。

→ しっかりヒトでエビデンスある効能はわずかで、その一部の効能もピカピカ輝いてるものではないよ。


・新しい知見が沢山あり、研究もどんどん増えていて今注目されている。

→ そのどんどん増えてる研究って、大麻にとってネガティブな研究も含んでいると思うよ?ブームだから研究が必要って違うと思う。


・有効性や有害性などわからないことが沢山ある。

→ 本当にわかってないのかな?自分の欲しい結果が出てないだけじゃないのかな?常套句で言ってるだけでしょ。


・大麻取締法など制限が多くて研究が進んでいない。

→ どこがどれくらい障害になってるの?制度的には研究できそうだよ。ニーズが無いだけじゃないの?




つまり、大麻の研究がもっと必要という合理的な根拠は特にない。




散々、大麻推進派をディスったが、大麻反対派も含め誰でもやってしまうことだ。なぜヒトは「更なる研究が必要だ」と書きたくなってしまうのか。それが大麻のイメージにどう影響を及ぼすのかは不明である。その点について、更なる研究が必要だ。




調べていたら、◯キペディアさんにも、「更なる研究が必要だ」のページがあって驚きました。大麻のページが推進派に陥落させられていたのをみてから◯キペディアの好感度がガタ落ちしていましたが、数%回復しました。


警視庁の大麻を知ろう vol2には、大麻の研究はもうし尽くされてデメリットが多くて終わってるよと書かれています。確かに、カンナビノイド受容体を関連の薬は、失敗の連続で上手く行っておらず、創薬のターゲットとしては敬遠されそうではあります。

https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kurashi/drug/drug/taima_interview.files/02.pdf


とはいえ、研究に可能性や必要性があるかを決めるのは市場や各研究者であって、私でも偉い先生でもないと考え、この話は採用しませんでした。興味があれば、レトリックについてよく覚えた上で(このエッセイで前に書きました)、大麻推進派ブログと見比べながら読んでみると読み物として大変面白いと思います。

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