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大麻のデマを考える 大麻の本当の真実(第一弾)  作者: ストップ大麻デマ!ボランティア
21/51

大麻は本当に有用か(てんかんへの使用)

そうそう、大麻の有用性について一つ一つ確認していたのでした。忘れてアルコールとの比較はなぜおかしいかを先に投稿してしまいました。まあいいや。いい加減なのは僕の悪い癖。


大麻成分のCBD(カンナビジオール)が、薬理作用として抗痙攣作用を持つことは昔から知られています。これは動物実験での確認はもちろん、仕組みもよくわかっています。以前少しだけ引用したSativexも多発性硬化症の痙攣の抑制を適用として承認が複数の国で取得されているのはこのあたりの作用があるためです。


そして、一部の激しい痙攣を伴うような難治性のてんかん(レノックス・ガストー症候群、ドラべ症候群)については、アメリカではCBDの製剤が、医薬品として承認されています。


あ、ちなみにてんかん全般ではないです。時折、「アメリカのFDAも大麻がてんかんに効くことを認めた!」という記載する大麻推進派とかCBDオイル販売業者さんがいますが、これは誤った記載です。あくまでも承認を受けたのはレノックス・ガストー症候群、ドラべ症候群のみだし、大麻ではなく、あくまでもこの承認を受けた製品(CBD)についてのみの話です。ダウト!でもスキャム!でも狂った顔で「ウソだっ!」でも構いませんが、ツッコミが期待されているのでしっかりツッコミしましょう。なんでもコミュニケーションです。


イミフでしたね。失礼しました。


さて、この耳慣れない2つの疾患は、難病です。難病情報センターのサイトに詳細が記載されています。


レノックス・ガストー症候群

http://www.nanbyou.or.jp/entry/4890

ドラべ症候群

http://www.nanbyou.or.jp/entry/4744


どちらも激しい痙攣を伴う特徴があるてんかんです。国内患者数は、レノックス・ガストー症候群が4300人、ドラべ症候群3000人以上くらいです。どのくらい民族差等があるかまでは調べていませんが、患者数からすれば希少疾患(5万人以下)と言えます。ちなみに、国内のてんかん患者数は100万人とも言われます。


難病の治療薬が増えることは、私も賛成です。一方でこの患者数では、製薬会社は開発に躊躇しそうだなという気もします。


掘り下げて、そのFDAで承認されている薬剤の情報を見てみましょう。

PRESCRIBING INFORMATION MEDICATION GUIDE EPIDIOLEX(EH-peh-DYE-oh-lex) (cannabidiol) oral solution, CX

https://www.accessdata.fda.gov/drugsatfda_docs/label/2018/210365lbl.pdf

これは、日本で言うところの添付文書にあたる情報です。


重大な副作用についての注意書きは、肝障害が書かれています。血液検査で肝臓に関係する数値が上がったときは要注意ですね。あと少し意外だったのですが、眠気の副作用があるので運転は禁止です。さらに、自殺したり自殺を考える副作用(自殺企図とか希死念慮という)が少数(500分の1)で認められると書かれています。 あと、CBDに過敏症がある方への投与も要注意なようです。


よく見られる(10%以上)副作用としては、眠気、食欲の減退、下痢、トランスアミナーゼ上昇、倦怠感、不快感、無力症、発疹、不眠症、睡眠障害、浅い眠り、

感染 と記載されている。また、動物実験ながら胎児の体重減少と性成熟の遅れが報告されているのでリスクとして少し注意だ。


CBDなら有害なTHCでないから安全!って気がしていたのですが全然そんなことないじゃん。自殺企図とかCBD売り込みサイトでは見たことなかったぞ。


あれ、気がついたら安全性の箇所を見ていました。失敬失敬。有効性が今回のテーマでしたね。すぐ安全性に目がいくのは僕の悪い癖っ。


ランダム化比較試験の結果もこの文書に書いてあるので見ていきましょう。長いので、むちゃかいつまんで書きます。


◆◆◆無理矢理要約

レノックス・ガストー症候群症候群の患者(抗てんかん薬を併用)を対象にして14週間治療し、痙攣の改善度を7段階(変化なしが4)で評価した。その結果、プラセボの改善度の変化が14%だったのに対しCDB( EPIDIOLEX 20 mg/kg/day)の場合は41%だった。ドラべ症候群では、プラセボの改善度の変化は13%だったが、CBDでは39%だった。

◆◆◆


ここだけ見たらめちゃくちゃ効いているように見えるけれど、実は… 続きを


◆◆◆

CBDの方の最後に来院した時の改善度のスコアの平均値は、3.0(わずかな改善相当)であり、プラセボの方では3.7(変化なし)だった。

◆◆◆


おやおや。おかしいですねぇ。なんだ、わずかな改善じゃん。


プラセボもCBDも元々の改善度は小さかったのですね。わずかながら改善したのだからすごいことだけど、少し改善するだけで、夢の特効薬というわけでは無いようです。「治療薬として導入しないのは人権侵害だ!」と騒ぐほどCBD(カンナビジオール)や大麻の薬効に夢見てる人もいるけれど、現実はこんなものでした。世知辛い。これを見たとき自分もちょっとがっかりした。一つくらい夢のある真実を見せてくれよ。



とはいえ、難治性のてんかんをわずかでも改善したことはすごいことだと思う。冷静に自省すると、自分はてんかん治療は詳しくないからこれがどれくらい価値のあることかわからない。勝手に期待していただけなのだ。


では、どれくらい抗てんかん薬としてのCBDはすごいものなのだろう?ちなみに、カンナビストブログではいろいろ大げさに書かれているが、違和感しか感じない。治療者や患者でないのに必要性や優越性を訴えるのはおかしな話であって、やっぱり治療に携わっているてんかん学会あたりがどう考えているかが大事だろう。


米国てんかん学会はサイト上で下記のように掲載している。

EPILEPSY, MEDICAL MARIJUANA AND CBD: MYTHS AND FACTS

https://www.aesnet.org/about_aes/press_releases/epilepsy_medical_marijuana_cbd


◆◆◆

迷信:CBDは”天然”だから他の抗てんかん薬より安全である。

真実:CBD薬は、抗てんかん薬より安全ではない。その副作用は抗てんかん薬と同じくらいである。CBD薬は、肝臓にダメージを与えることがある。最近の研究では、薬物相互作用も見つかっており、他の抗てんかん薬とネガティブな相互作用を起こす可能性もある。


迷信:CBDは抗てんかん薬より効果がある。

真実:CBD薬は、治療抵抗性てんかんのレノックス・ガストー症候群とドラべ症候群の患者において、他の抗てんかん薬と同等の効果である。抗てんかん薬のように、CBD薬も時間とともに効き目が弱くなる可能性があります。


迷信:CBDはどのCBDでも治療に使える。

事実:いろんなお店やオンラインショップでCBDが売られていますが、厳しい安全性や純度の基準をクリアした治験で使われた医薬品としてのグレードのCBDと同じ製剤ではありません。これらの使用はハイリスクである。どのくらいCBDを含んでいるかわからないし、不純物や危険な物質について保証する基準もなく大変危険である。


迷信:抗てんかん薬が効かない患者なら、CBDは唯一の残された選択肢だ。

真実:難治性のてんかんの子供にも沢山の治療の選択肢があります。例えば、もし一つの薬が効かなくとも沢山の種類の抗てんかん薬があり、他の薬なら効くかもしれません。抗てんかん薬以外にも、手術やケトジェニックダイエットを含むてんかんをコントロールするための他の選択肢があります。


CBD薬がまだ承認されていなかった時に、患者の保護者から医療用大麻を求められることがあった。しかし、それは善意からの要求であるが、とてもリスクがある。何故なら、医学的な観点では、医療用大麻は、製薬グレードの医薬品と同じではないからだ。

◆◆◆


うーん。難治性の特定の疾患の時に使える選択肢の一つで、特に良いわけでもないって感じかなぁ。




さて、まとめましょう。


結論:レノックス・ガストー症候群、ドラべ症候群について医薬品としての承認がある。でも、あくまでも選択肢の一つでこれじゃなきゃいけないという程ではない。


科学的に医薬品使用による利益が安全性のリスクを上回っていることを示せれば、日本でも医薬品として承認されてもおかしくないけど、患者数や効果を考えると、製薬会社さんも開発に手を挙げにくいだろうな〜というのが個人的な印象かな。



追記:

Are there mortality risks for patients with epilepsy who use cannabis treatments as monotherapy?

Kollmyer DM, et al. Epilepsy Behav Case Rep. 2019.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6348695/


この文献では、大麻使用を選択したてんかん患者の死亡率について疑問を投げかけていて、死亡率はわからないとしながらも、普通の治療を辞めてしまって大麻成分の製剤による治療のみにしてしまったせいで亡くなった2例の症例を紹介している。


どちらの症例も比較的若く、片方はTHC+CBD、もう片方はCBDのみによる死亡だった。一人はてんかんあの突然死、一人は発作による風呂場での死亡。大麻成分の製剤はてんかんのコントロールが不十分でリスクが大きいかもしれない。いずれにしても注意が必要。

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