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大麻のデマを考える 大麻の本当の真実(第一弾)  作者: ストップ大麻デマ!ボランティア
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大麻は本当に有用か(痛み止めとしての使用)

これまでひたすら大麻のネガティブな面を挙げてきましたが、デマがかなり多いものの、ある程度有効性のエビデンスがあるものも確かにあります。ですので、有効性の主張についてデマかどうか、推進派がよく主張している有効性について順に調べていきたいと思います。手始めとして、痛み止めとしての使用からです。


痛みと一言に言っても実はいくつか種類があります。がんや炎症など原因がはっきりした痛み(侵害受容性疼痛)、神経が何かによって障害されることの痛み(神経障害性疼痛)、その他心理的なもので引き起こされる痛みでわける分類がよく行われる分類です。その痛みの種類や程度によってどんな治療法をするか決めていきます。初めのうちは、お薬を使わないカウンセリングなどの治療やアセトアミノフェンなどのオピオイドでない鎮痛薬を使います。状況によってはブロック(局所麻酔)などで痛みを止めたりも行われます。それでも効かない場合は、トラマドールや弱オピオイド(コデインなど)が使われます。それでも効かなくなるとモルヒネをはじめとする強オピオイドが使われます。段階的にいろんな手段、薬を使っていくのです。モルヒネを使うと聞くとギョッとする方もいるかもしれませんが、痛みがある時には依存になりにくいことがわかっており医学的に問題ありません。もちろん、副作用はいろいろあり大変危険な状況になることもあるので、使用量は痛みにあわせてお医者さんがしっかり管理する必要があります。


この強オピオイドは世界各地で実は問題を引き起こしています。処方薬の乱用や違法なストリートドラックなどで、カナダやアメリカ、オーストラリアなどで何万人もの人が亡くなってしまっており、訴訟も起きています。オピオイド危機と言われて大問題になっています。手に負えなくなって、国がより依存性の低いオピオイドや薬物を投与する施設などを設置しているほどです。日本でもこれらの強オピオイドは医薬品として処方できますが、全くこのような事態にはなっていません。この部分は日本の行政が起こした奇跡で自分の中ではノーベル賞級と考えています。一応、アメリカでのオピオイド危機のリンクを貼っておきます。2015年には3万人が亡くなったそうです。

https://www.drugabuse.gov/drugs-abuse/opioids/opioid-overdose-crisis



さて、大麻の話に戻ります。告白しますと、自分は大麻の疼痛への影響もデマの一つだと考えていました。どうせいい加減な参考程度にしかならない試験しかないだろうと。


PubMedを使って「cannabis pain RCT」で検索してみると、なんとRCT(ランダム化比較試験)があるではありました!


よってエビデンスが充分ありこれはデマでは無いですね。ごめんなさい。特に神経障害性疼痛については、可能性は見込みありそうです。https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/28934780/?i=2&from=cannabis%20aviram


ただ一方で、リウマチ性疾患に関連した慢性疼痛では大麻製剤を推奨するにはエビデンスが充分でないとする研究もあります。誰にでもどんな痛みでも効くという話ではなさそうです。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/26830780/?i=3&from=cannabis%20RCT%20pain


さて、痛みの効果についてのエビデンスはある程度あることがわかりました。次にそれがどのくらい有用なものかが大事でしょう。大麻推進派の一部の方からは、大麻を疼痛治療に使えば、オピオイドの使用を減少させる!という声も聞かれます。


調べてみたところ、そのあたりを調べた文献がありました。大麻合法化では、コデイン等の弱いオピオイドの使用量を30%近く減らす効果があったものの、肝心の強オピオイドの使用量は減少しなかったそうです。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/29989239/?i=3&from=liang%20cannabis

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/30390550/?i=2&from=/30419224/related


もう一度書きますが、減らす効果があったのは弱オピオイドだけです。


もともと公衆衛生上大きな問題でも無い弱オピオイドを依存性もある大麻に置き換える意味ってなんでしょう。強オピオイドなら意味はありそうですが、弱オピオイドでは意味はなさそうです。大麻の痛み止めのメリットはそれほど大きくないと言えます。推進派ブログやニュースなどで、(弱)オピオイドの話を、強オピオイドとごちゃ混ぜにして述べていたり誤認させるような記載のものがよくあります。はっきりとこの辺りを説明しないと悪質だと思います。強オピオイドの使用を減少させることができないなら、大麻はオピオイド危機を救えません。


それから、余談になるのですが、大麻の使用で判断力が低下したりしてオピオイドの乱用がされやすくなりそうかな?と考えたのですが、合法化によるオピオイドの乱用への影響は今のところ関連は認められていないようです(合法化前から広く大麻が使われていたことには要注意)。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/30419224/?i=9&from=cannabis%20opioid


自分は痛みの治療の専門家で無いので、ちょっと的外れなことや古い情報を言っていたらごめんなさい。

結論としては、痛みには効くが、他の薬で代用できるし、強オピオイドなどの副作用や乱用の問題を解決できるほどではない。


依存などの問題や違法な使用への影響(医療用を認めると違法の娯楽目的の大麻使用のイメージもアップする)を考えると、日本に導入しなきゃ!というものでは無いと思います。




なんか誤解されそうな気がしたので追記しておきます。


大麻の特定の疼痛への効果のエビデンスは、ある程度ありますが、もう覆されることはないだろうというほどまではエビデンスの蓄積はありません。


2017年に発表されたシステマチックレビュー(複数の研究を決まった手法で解析してより信頼性の高い結果を求める手法を使った研究)では、情報不足(症例の数の不足や、研究への参加を途中で辞めてしまう被験者がいたり…)で、神経障害性疼痛のエビデンスでさえも限定的なエビデンスとなっています。

Nugent SM, et al. Ann Intern Med. 2017.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/28806817/?i=2&from=/28806794/related


また、今回のページでいくつか研究を紹介しましたが、安全性という面でも情報不足(リスクがないという意味では無いよ)でこれらの研究だけから何か言えるわけではないです。特に、こういった文献については、医師の指導の元で使用されていること、医療用での使用なので嗜好品としての使用とはTHC曝露量も違うこと、長期での影響はそもそも追跡されていないことについては注意が必要です。

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