大麻(CBD)オイルの異世界冒険譚
前にヤフコメをやっていた時に、CBDオイル業者のステルスマーケティングを見つけました。CBDオイルががんに効く個人談などを騙っていました。どんな薬を飲んでいてどんな副作用が出たか、どんながんでなんの治療法をしているかなど、詳しく質問するとボロだらけで患者ではないとすぐにわかりました。そんなことがあったので、今回はCBDオイルの問題について書いていきます。
大麻は、規制されている部位は限られています。例えば、タネや茎の場合は大麻取締法の範囲外です。そして、茎には大麻の効能をもたらす主な物質の一つであるカンナビジオール(CBD)が含まれています。大麻の茎から抽出し、有害な成分であるTHCを含まない成分であれば、日本でも犯罪ではありません。そして、茎にはTHCはほとんど含まれていません。(ちなみに、大麻のタネのオイルはヘンプシードオイルといってこれこそただの食用オイルです)
実に商魂たくましいなと思います。そしてこれは良いアイデアだなと最初は思いました。大麻を合法化しなくても、良い成分だけを社会に活用できます。大麻推進派学会である日本臨床カンナビノイド学会も、まずは、CBDの臨床研究や機能性食品としての評価を目標に掲げていますし。。
そんなCBDオイルですが、よくよく調べた結果、今ではとても懐疑的というか嫌悪感を持っています。消費者がオイルを使うことにはいくつものリスクや問題点があります。もちろん、自主規制や業者さんの努力次第で良くなると思いますが、現状では全く安心してCBDオイルを使用できない状況です。安全性、品質、有効性の3点について問題を説明していきたいと思います。
➀ 安全性
昔、アガリクスという、がんに効くというキノコがありました。もちろん、がんに効くという信頼できる根拠はありませんが、宣伝手法が上手くかなり流行りました。しかし、「アガリクス(カワリハラタケ)を含む製品に関するQ&A」に詳しく書かれているのですが、肝障害を発端として行われた調査で一部の製品に発がん促進作用が認められています。がんに効くと思っていたものが、がんを悪化させるものだったのです。この原因は、アガリクスにはアガリチンという毒性物質があることや残留した農薬が考えられています。医薬品の場合は徹底的に有効性と安全性、品質の審査を受けるから心配はいりません。しかし、食品ではそのようなことはなく自己責任であることをよくよく考えるべきです。CBDにはCBDには薬物相互作用があり、現在お薬を使用されている方は気をつけて使用する必要があります。CBDは肝臓で代謝されるので、一緒に飲んでいるお薬の血液中の濃度に影響を与えてしまうのです。きちんと使用していることをお医者さんや薬剤師に伝えていないと予期しない副作用が起きる危険があります。
②品質
品質は、粗悪な製品から健康を守る意味で、またTHCの混入を防ぐ意味でも、大麻製品においては特に重要です。THCが一定以上含まれているCBDオイルを所持していた場合、逮捕される恐れもあります。あなたの買ったCBDオイルは大丈夫ですか?例えば、健康にいいと人気のエゴマではエゴマでない製品が一定数含まれていることが消費生活センターの調べでわかっています。
http://www.kokusen.go.jp/test/data/s_test/n-20160128_1.html
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20160128_1.pdf
大麻オイルは高額で、どんなオイルか知らない方も多いから…消費者の付け入るスキはエゴマよりもありそうです。
また、一部のオイル業者さんで、製造業者などから証明書を得ることで担保しているところもあります。ですが、これは全く証明になりません。品質を担保できているという証明は、そんな"紙切れ"ではできません。例えば医薬品であれば、定期的に製造所に査察に行ったり、必要な記録を提出させたりして品質を担保します。監査や記録の確認など品質を維持するためのシステムを作って品質を常に守る仕組みになっていることが重要です。要するに、品質は品質を守るための仕組みによってのみ担保されるのです。そして、品質維持システムはGMPという製造管理や品質管理の基準があるので(ISOにもある)、それに準拠していれば品質を担保できていると言えるでしょう。医薬品の製造は全てGMP準拠ですが、CBDオイルでGMP準拠のものはネットで調べた限りでは数社しかありませんでした。ただ、GMP認証を受けていれば安心とうわけでもなく、健康食品GMPは2社の認証機関があり、片方の機関で認証が取りやすいという噂もあり、実際にGMP認証を受けているのにGMP違反を起こしていた事例も発生しています(ちょっと緩いのでしょうか)。こんな状況で、安心して買えますか?怖くて買えないですよね。健康に良いと思ったら品質めっちゃくちゃのものをつかまされている可能性がある状況だと思います。もし、THCの含有が規定よりも越えていたら…その不安を払拭できるだけの品質システムをCBDオイル販売業者は持っているのでしょうか?
③有効性
まずはっきりいいます。健康食品に有効性はありません。有効性を主張することは医薬品でないと薬機法で認められていません。有名な◯酸菌でも健康に良さそうな◯汁でもそうですね。
まあ、百歩譲って健康に良いデータがあったとしても、主張している多くの効能はエビデンスが不足しています。ラットの実験だったり、個別の症例報告、プラセボの無い試験結果は参考程度にしかならず、それだけでは有効性があるとは言えません。CBDがガンに効くとするCBDオイルの宣伝がよくありますが、全くエビデンスが足らずデマです。
まあ、それでも可能性があるなら試してみたいなんていうチャレンジ精神がある人もいるでしょう。自分も実験マウスになったつもりで健康食品やサプリを試すことはあります(健康食品の素材情報データベースとかPubMedとかでよく調べて大手の会社からしか買いませんがhttps://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/indiv.html)
。イチョウエキスが記憶力(笑)とかブルーベリーが視力(www)とかまともなエビデンスがあるものは少ないですが。夢があるという主張はわかります。そしてそれを試してみたいというのもわかります。自己責任でやる分にはそれでもいいと思います。ですが、その淡い夢を過大に主張して売りさばいたり、ご家族をモルモットにすることに何の正義があるのでしょう。ガンで闘病中のおじいちゃんはモルモットではありませんよ!!
本来なら効果が実証されていないものを効果があると主張する。安全性の注意喚起は全く不十分で誤った情報を書く業者もある。品質が担保できてると言えないものを紙切れ一枚で保証する。CBDに限った話ではないですが、日本では規制されている大麻製品であることも考えると、もっと業界でしっかり自主規制等の基準を作るべきでしょう。もちろん、すべての業者が当てはまるわけでは無いとは思いますが。
一部の業者らしき人が、ヤフコメで臨床的におかしな架空の症例(うちのおばあちゃんに使ってみて良かったとか)を騙ったり、酷すぎます。そもそも、大麻について広告を出すことは法律で禁止されていますし、医薬品でも無いのに効能を主張することも法律で禁止されています。それなのに堂々と〇〇に効きます!と書くような会社って何なんですかね。
海外から日本という異世界に転移してきた勇者様(CBDオイル)、なろうでよくある社会を壊す悪い勇者さんかもしれません。異世界転移は慎重に。。
投稿に間が空いてしまいました。
実はWHOのクリティカルレビューの報告書が公開されないかなって待ってます。一応、テクニカルドキュメントはあげられているけれど、41回のECDDの会議に配られた資料であって正式なWHOのドキュメントではなく、一般に公開すべき資料ではないと書かれていた。
https://www.who.int/medicines/access/controlled-substances/Cannabis-and-cannabis-resin.pdf?ua=1
そして、どうやら2018年12月7日にCNDという委員会で意見を聞き、規制区分がどうなるか勧告され、2019年3月に投票で採決されるようだ。
https://www.who.int/medicines/news/2018/ecdd-meets-to-review-cannabis-other-substance/en/
CBDや大麻の利用可能性も含めて大麻の規制区分(今は利用価値はゴミ、有害性Max)は変更される可能性が高いと考えられる。また大麻が無害だというデマが出回りそうだ。
40回のECDDの資料
https://www.who.int/medicines/access/controlled-substances/ecdd_40_meeting/en/
Q&A
https://www.who.int/medicines/access/controlled-substances/ecdd/q-a-ecdd-2018/en/
現在のWHOの大麻についてのレポートは以下の通り。
http://www.who.int/substance_abuse/publications/cannabis_report/en/
https://www.who.int/substance_abuse/publications/cannabis/en/




