欠けたピース
君が好きな小説は 決まっていつも人が死ぬ
「泣けるから」と渡された この本も ほら やっぱりね
命を大事に思うから、そんな本が増えるんだってさ
そんな大事なものなのに、失わないと受けない世界
ねぇ、君は僕が死んだら 泣いて心を動かすのかい?
僕が好きな小説は 決まっていつも人が死ぬ
「泣けるから」と渡された この本も ほら 好きみたい
誰だって そりゃ 笑いたいと思っている
いつだって そばにいたいと願っている
欠けたピースを探して パズルを組み上げるみたいに
明日を笑いたくて 出会いを求めている
それなのに今 喪失を望んでいる
矛盾した感情はいつも 自分じゃないと信じている
失うのはいつだって…
あと何回こうやって笑えるだろう?
約束された明日なんてないのに
僕達はそれに気付かない
目を逸らしたまま「また明日」
ねぇ、僕は君が死んだら 自分を棚に上げて泣くよ
僕が好きな小説は 小説だから好きなのに
「泣けるから」の感染が 悲劇を僕に望ませる
誰だって そりゃ 笑いたいと思っている
いつだって そばにいたいと願っている
欠けたピースを探して パズルを組み上げるみたいに
明日を笑いたくて 出会いを求めている
それなのに今 喪失を望んでいる
矛盾した感情はいつも 自分じゃないと信じている
失うのはいつだって…
誰だって本当は気付いている
だけど現実を直視をできないままでいる
曖昧な未来だって 残酷な空想だって
よく似ている 目に見えないだけ
だから僕達は きっと 笑って泣いてを繰り返すんだ
ありがとうございました。
魔法の竜をもう一度。連載中です。
そちらもよろしくお願いします。