第七話
翌日、目が覚めたので桶の水で顔を洗ってから下に降りて、
「マリーさん、おはようございます。朝食をお願いします。」
「はーい、じゃー銅貨5枚ね。ちょっとまっててね。今作るから。」
そう言ってお金を渡した後、マリーさんは調理場に向かっていった。
しばらくして朝食を持ってきてくれたのでそれを食べた。今日も昨日と同じくとてもおいしかったのでしばらくここに泊まろうと思い、一週間分の銅貨70枚を渡して宿を出た。
宿を出た後は森に向かった。
森につくと[サーチ]を使って薬草を探し、2時間ほど探し回った結果50束ほど取ることができた。
それから、町に戻って雑貨屋さんに向かいビンを60個で銅貨60枚払って宿に戻った。
宿の井戸で水を汲んでから、部屋に戻り早速錬成し始めた。
[複数錬成]で一気に50個、[精密錬成]で10個HPポーションを作り出した。
その後、再び宿を出て街の中を歩き回り売るのによさそうな店を探した。
いくつかの店を見て回り、ようやくよさそうなお店を見つけた。
その店の名前は「エリック商会」。
この町で一番大きな店で商品の数も多く、接客もちゃんとしている店だ。
ほとんどのお店のポーションの値段は銀貨5枚で品質も低レベル。これなら話さえ聞いてもらえば何とか交渉できそうだ。
「すいませーん。ここの代表者の人と商談したいんですけど。」
「お前みたいな見た目のやつがどんな商談をするんだぁ?どうせそんな利益にもならなそうな商談だろ。帰れ帰れ。」
「そこを何とかお願いします。必ずこの店にとって利益になりますから~。」
そう何度もお願いしているとようやく代表の人が来てくれた。
「すみません、私の名前はレンマ=カミシロと申します。今日はあなた様に商談があってこちらに来ました。」
「はー、わかりました。そこまで言うなら話を聞きましょう。こちらにきてください。」
そう言って店の奥についっていった。
「それじゃーさっそく商談の話をしましょう。どんな商談なんです?」
そう言って、こちらをしっかり見つめてきた。
「実はポーションの話でして。」
「はーまた、ポーションの話ですか。たしかにポーションは1個や2個なら安く作ることが出来るでしょう。でも、私達は1日に100個以上販売しているので、作るのに多大な労力と時間がかかり、人件費も多くかかるのです。なので結果として私達は薬師ギルドから買い取っているんですよ。それを分かっていますか?」
「はい、それは分かっています。その上で、私なら薬師ギルドより高い品質で量産することが出来ます。まずはこちらをご覧ください。始めに出したものが量産可能なポーションで、後に出したものが高品質のポーションです。」
「分かりました。それでは見せてもらいますね。」
…しばらく鑑定士とエリックさんがポーションを確認していた。
「これは品質はどちらも薬師ギルドのより上ですね。特に後のポーションは、パイポーションと変わらないほどの効果がありますね。
これを1日でどれぐらい用意出来るんですか?」
「そうですね。始めに出した普通のポーションなら材料さえあればいくらでも作れますね。高品質のポーションは1日5本ぐらいですかね。」
「そうですか。それじゃーとりあえず一週間私が材料を用意するので毎日開店前に普通のポーションを100本、高品質ポーションを5本持ってきて下さい。それができれば、あなたと正式な契約を結びましょう。」
「分かりました。それで構いません。」
そう言ってから材料を受け取り、宿屋に戻った。