第四話
町の中に入って歩いて少しすると、いい匂いがしたのでそちらに向かってみた。
「よー、そこのボウズ。焼き鳥はいらねーか?銅貨1枚で1本だぜ。」
そう焼き鳥屋のおっちゃんに声をかけられたので
「おっちゃん、焼き鳥5本ください。」
そう言って銅貨5枚を渡した。
「毎度あり〜。また来てくれ!」
そう言われ、焼き鳥屋を離れた。
昨日からベリーの実しか食べていなかったので、とても美味しかった。日本の焼き鳥と比べると味もうすかったけど、そんなことが気に入らないほど、お腹が空いていたのですぐに5本食べ尽くした。
しばらく町の中を散策していると、幾つか気になる場所を見つけた。
冒険者ギルドや奴隷商館、そして宿屋だ。
まずは、冒険者ギルドで身分証となるギルドカードを作ろうと思ってギルドに向かった。
ギルドにの中は、手前にいくつかテーブルが置かれていてそこで冒険者の人達が酒を飲んでいた。
ギルドの奥に進むと、広い受付スペースがあり、そこで依頼などを受けたりできるそうだ。
見た目が可愛いらしく、頭に犬耳が付いている女の受付嬢がいたので、そちらのほうに向かった。
うわー、やっぱ異世界には獣人とかいるんだな〜、あの耳もふもふしてみたいな〜。
とかどうでもいいことを考えていると、その受付嬢が
「ギルドに何かご用でしょうか?」
そう聞いてきたので、
「はい、冒険者登録をしたいなとおもいまして。」
「そうですか、冒険者登録するにはこちらにお名前と希望する職業を記入してください。」
そう言われたので
名前:レンマ=カミシロ
職業:錬金魔術師
そう記入して提出した。
「名前はレンマさんですね。職業は錬金魔術師ですか…錬金術師とは違うんでしょうか?今までで初めて見たものでして…」
「そうなんですか、それじゃー珍しい職業なんですか?」
「はい、おそらくあなたしかいない職業だと思いますよ。」
「そうですか。でも、出来ることは錬金術師と同じだと思いますよ。」
「分かりました。…はい、ギルドカードが出来ました。始めはFランクからのスタートとなりますね。」
「ランクってどんなランクがあるんですか?」
「そうですね、それじゃーギルドの説明を致しますね。」
受付嬢さんの説明によると…
ギルドランクはFから順にE・D・C・B・A・Sと上がっていき、ランクを上げるには同ランク以上の依頼を一定数以上クリアするかギルドから認められなければいけないそうだ。
また、問題を起こしたり長期間ギルドの依頼を受けないと降格処分や最悪の場合、除名されることもあるそうだ。討伐数はギルドカードで勝手に記入されるそうで、討伐部位や魔石などはとなりのカウンターで買い取ってくれるそうだ。
一通り説明を聞いた後、早速依頼がないか聞いた。
「すいません、何か依頼はないですか?」
「そうですね、今受けられる依頼はこちらになっております。」
その依頼の中でいくつか良さそうなものがあった。
薬草集め(Fランク)
森に生えている薬草の採取。
1束銅貨1枚。5束で依頼達成。
ゴブリン討伐(Fランク)
森に生息しているゴブリンの討伐。
5体討伐により依頼達成。
報酬銅貨10枚
また、討伐部位のゴブリンの耳1つにつき銅貨1枚。
フォレストラビットの討伐(Fランク)
森に生息しているフォレストラビットの討伐。1体につき銅貨1枚。5体討伐により依頼達成。フォレストラビットの肉は状態により銅貨1枚から5枚で買取。
その3つの依頼を受けて森に向かった。