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成長

かなり時間を吹っ飛ばします。 次回の投稿日は水曜日12時です。


 長い時間が過ぎた……何回も季節をまたぎ、成長していった。


 ディーノが初めて魔法を使えるようになったのは6歳の冬だった。


 彼はあの時から修行は主に一人でやるようになり、元々あまり構ったりはしない奇妙な師弟関係だったが、段々と会話は少なくなっていきかなり疎遠な関係となってしまった。


 それでもディーノと彼の師匠は随分と仲良くなった、会話は少なくなったが心で通じているようにも見えた。


 そんな彼らだが、いつまでもこのような日常が続くわけでなかった。


 ディーノが夢を持っている以上、彼の師匠が何かを求めている以上、変わらないわけがなかった。


 彼らの転機はディーノが11歳になりさらに5ヶ月が過ぎた時だった……




――――――――――――――――――――




 「ふぅ…これくらいでいいかな?」


 少年の目の前には彼が集めてきた薪があった。


 断面はヤスリのようなもので研磨されたように綺麗だったが、彼の周りには道具は一切置かれていない。


 「さて、持っていくとしますか!」


 少年は薪を近く人見える建物に持っていく。


 少年の身長は150cmはあるだろう、体は引き締まってはいるがやせ細っているわけではない健康的な体つきだ。


 彼は数回に分けて作った薪を持っていき、全て持って行き終わると近くに見える湖の方に足を進めていった。



 「いや~、今年も凍っておりますなぁ~ これが綺麗な水だったら夏場に自分で作らなくて済むだけどなぁ。 ま、世の中甘くはないわな。」


 

 彼はしばらく無言で湖を見ていると視界の端に何かが動くのを見つけた。


 目を凝らしてみると黒い生き物が湖の対岸からこちらに向かってくるのがわかった。


 「お! 獲物ハッケーン! (しかし最近頻繁に見るなぁ、前は滅多に来なかったんだがなぁ)


 黒い生き物は彼に向かって一直線に来る。


 そう、湖が凍っているため外周を通らず、まっすぐ来るのだ。


 「さてさて、今日のは……ウルフか… じゃあこれで行きますか!」


 最初は黒い塊にしか見えなかった生き物は段々近づいてくるとハッキリとその姿を晒した。


 生き物は狼だった。


 ただし大きさは全長3メートルは越すだろう巨体、爪は鋭利で氷にスパイク替わりにつきたてて走ってくる。


 そんな物を目にしても彼は動じずに行動した。


 「よけれるかなぁ~ いけ! エアカッター!」


 彼は声を出しながら右手を水平に振るった。


 彼の右手から目視することのできないモノが放たれた。


 それは一直線に狼に向かっていったが当たる直前に狼は気づき跳躍することでそれを交わした。


 「ゲ! よけられちゃったよ…… やっぱバカ正直に打つもんじゃないなぁ」


 狼は彼の目の前に着地した。


 狼と彼はもう手の届きそうなほど接近している。


 それでも彼は口を三日月のように曲げ飄々とした表情で狼を見る。


 狼も迂闊に手を出せないのかにらみ合うように様子を伺っている。


 「グルルルルラ!」


 最初に動いたのは狼の方だった。


 彼に向けて右前足を振るう、彼は一歩下がることでそれ避けるが狼はさらに左前足も振るう。


 「よっと! ハッハ~ン! 甘いぜワン公! もうお前程度余裕なんだよ!」 


 その攻撃もバク宙して距離を取ることで躱した。


 さらに彼は挑発するように手を叩いて狼を手招きしている。


 その行動に知性などあるはずのないベスティアである狼ですら激昂したのかのように飛びかかって来る。


 「やっぱ馬鹿だよなお前らって…」


 彼は右腕を下から上に振り上げた。


 そうすると先程と同じように何かが放たれ、狼を両断した。


 狼は左右に分かれ、彼の両隣を滑っていき後方に転がっていった。


 両断した断面からは血や臓物などは一切出ず、ただ真っ黒な断面が見えるだけだった。


 すると死体は右前足の爪を一本だけ残し霧散していった。


 「爪か…結構あるからもういらないんだけどな、目とかほんとに出ねぇなぁ」


 彼は爪を拾うと自らの家に向かっていった。


 「師匠は何やってるかねぇ…」


 彼が向かいあたりには何事もなかったように静寂が戻ってきた……




――――――――――――――――――――




 「師匠~! ウルフの爪が出たんでまた直しておきますね!」


 俺が家に帰り、師匠に報告すると師匠はこちらを見ずに「ああ、わかった」と答えた。


 爪を倉庫に片付けて戻ってくると師匠は研究に集中しているようだったので俺は夕食の仕込みを始めた。

 

 「寒いし今日はポトフにでもするかな、そうすると…畑からとってくるかぁ~」


 そうして用意を終わらせると俺は自室に戻り、今日の戦績と反省点を自分の本に書いていく。


 「完勝、戦利品は…爪っと。 反省点は~あ~最初の一撃で仕留められなかったことかな? でもなぁ~最初っから無駄に魔法使うのもあれだしなぁ~ わからんねぇ。」


 そこまで書くと俺はページをめくっていき、また本に書き出す。

 

 


――――――――――――――――――――



 ディーノは大きく成長したのだった。





はぁ2章から登場キャラ増やすけど動かせるのかぁ? 不安だァ~

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