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《信忠くんがなんか言ってるよ》シリーズ

奇妙丸なんてDQNネーム勘弁してよ!

作者: 小山内 晶

織田信忠は、平成の高校生に転生して、リア充人生を謳歌していたのにまた転生!また、信忠!

そんな二度目の信忠のお話です。(シリーズ二話目)


 僕、奇妙丸、三つです。えへっ。


 ......。


 駄目だぁ、どんなに可愛く言ったって、名前で台無しじゃんかよ~!


 あんのくそ親父~。


 わかってたよ、わかってたさ、俺の名前は奇妙丸になるんだろうってことは。


 たださ、電車の中で読んでた携帯小説とかではさ、『魔法もあるよ異世界転生』とか、『似て非なりパラレルワールド』とかあったのよ。


 だから、もしかするとここもそうかもってちょっと期待しちゃった俺は悪くないと思う。


 中庭で「ファイヤーボール!!」とか叫んだ俺は絶対おかしくない。


 爺がアワアワしてても俺は悪くないはずだ。


 パラレルワールドだったら魔法はなくとも、せめて名前は違うかもと期待したのに。


 あのアホ親父め。


「なんじゃ、この奇妙な面は。こやつは奇妙丸じゃな。うひゃひゃひゃひゃ。」


 うひゃひゃひゃひゃじゃねえよ!


 赤ちゃんってのは皆生まれたては赤い猿みたいな変顔なんだよ!


 親父も赤ん坊の時はそうだったんだよ!


 それでも爺ちゃんは、吉法師って良い名前つけてくれてるじゃんかよ。


 なのに俺には奇妙丸ってなんだよ、このDQNネームはよぉ。


 俺は知ってるぞ、これから生まれる弟たちの悲劇を!


 去年の茶筅丸や三七なんてましな方だ。

 茶筅は必要な道具だし、三七は誕生日忘れないしな。

 祝うのは正月だけどさ。


  それより大洞、小洞に、酌、そして極めつけは《人》!!


 もはや名前じゃねえ~!

 ただの説明じゃんか。

 説明しないと人か何かわからんのか!


 猫に「ネコ」って名付けるバカと同じレベルが、我が親だなんて。


 親父のネーミングセンス、どうなってんだよ。


 家臣たちにも、猿だの犬だの、これで雉もいたら桃太郎かい!

 キンカンだってひどいもんだ。


 平成だったらパワハラだっちゅうの。


 皆で『信長の最悪ネーミングセンス被害者の会』立ち上げてやろうか。


 今だって、親父が殿様だから皆思ってても言わないだけだぞ。


 だいたい平成だったら、名前変えようと思ったら裁判沙汰。

 不利益を被った証拠集めとか、無茶苦茶大変なんだぞ!


 それでも、変えるチャンスがあるからいいけど、戦国じゃ裁判所ねえじゃん。


 あ、親父が裁判所か。

 変えれないじゃん。


 名前に文句も言えないこんな世の中、嫌だぁ~!


 試しに親父に「こんな名前嫌だ。」って言ったらどうなるんだろう。


 なあ、爺、どう思う?


「首ちょんぱですかな。」


 ......元服まで我慢しよ。



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