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《七つの大罪》

どれかが一つでも欠けていたら君は人間じゃない、ヒトの皮をかぶったナニかだ

国連軍を撃退、虐殺した翌日、僕らはいつもと変わらない日常を過ごしていた。



あまりにも平然としすぎなんじゃないかと思う人がいるかもしれないが、月一で攻撃してくる彼らのことを気にしていたらきりがないのだ。



迎撃するたんびに、罪悪感なんか覚えても意味がない。



こっちだって命がかかっているのだから。



死んでしまったらお仕舞いだ。



次に僕が死んだら、彼女は全ての人類を生け贄に捧げて、僕を生き返らすだろう。



でも、それは、本当の世界の終わりだ。



ん?でもそれって、逆説的に言えば、僕が生きているから世界は終わっていないのか。



あれ?ってことは、僕ってヤバくね?スゴクね?僕の存在が世界平和に繋がってんじゃねーの?



どうしよう、歴史に名を残すくらいの英雄になっちゃたら。



とんでもない真実に気付いてしまった僕こと逸執いつしつ 天晴あまはるは、天才科学者八束 鶯(やつか うぐいす)にさっそく自慢しにいった。










「君は馬鹿かい?」

と、一蹴された。



ちょっとイラッてきたので、反撃をした。



「いや、でも事実だろ?」



「まぁ、事実だが……、それでも英雄はないよ、なれても、私と一緒で史上最悪の悪党だよ、あっぱれ」



「なんでだよ」



「だって、私が君を生き返らすために国を滅ぼしたなんて、私と君以外他の誰が知っているんだい、世界は最初から私と君でテロを起こしていると思っているよ」




「………あ」

しまった、間違った、ケアレスミスだ。すっかり自分が死んだことは公になっていると勘違いしてた。



僕の死は隠蔽されてたことを忘れてた。



「いやぁ、てっきり忘れてたよ、そうえばまだ世間には知られてなかったんだ。悪い、悪い、見落としてた」



すると彼女は、呆れたように



「やれやれ、大丈夫かい?まぁでも、自分の存在が世界平和繋がるなんて、ものすごい傲慢だね。あっぱれは」



「なに言ってるんだよ、人が傲慢なのは、当たり前だろ」



「当たり前なのかい?」

不思議そうに聞き返してきた彼女に僕はこう答えた。



「七つの大罪って知ってるか?」



「知っているさ、キリスト教において、他の罪の原因となると考えられた七項の罪のことだ。



傲慢・強欲・色欲・暴食・嫉妬・怠惰・憤怒



だろう?」




「ああ、そのとおりだ、七つの大罪っていうのは、人が人であるからこそかかるんだよ。


傲慢は、人より上に立ちたい、いたいっていう気持ちがある。自分を敬って欲しい、尊敬して欲しいという感情があって、虚栄をはっているんだ。

でも、傲慢という感情がなかったら、駄目だろ。なくなったら、積極性がなくなり、消極的になって、皆うじうじしてしまう。誰も前に進まない。





強欲は、あれも欲しいこれも欲しい、飽きることや止まることを知らない欲がある。



でも、これもなくなったら、駄目なんだよ。強欲じゃなくなったら、そこにとどまってしまう、満足するんだ、このくらいでいいやって、向上心なんて起こらないんだよ。





色欲は、誰かに恋したり、異性に恋して自分とパートナーの子供が欲しいって思ったりするんだ。


これがなくなったら、人間という種は滅びるし、愛や恋なんて感情があるだけで意味をなさない。また、本能への否定になってしまう






暴食は、食べることだ、腹が減ったからご飯を食べる。余りにも当たり前のことだ。



これがなくなったら、色欲と同じで本能への否定になる、『食べることは生きることだ』なんていう人もいるんだ。食欲がないと困る。






嫉妬だって、誰かを妬んだり、羨ましいと思うのは大切なことだ。だって自分が持ってないものを相手が持っているって分かるんだから



これがなくなったら、自分がなにを持ってなくて、相手がなにを持っているのかも分からない。自分の実力がどれほどかもわからなくなる。それじゃ、人間として駄目だ。





怠惰は、疲れたから休んだり、睡眠をとったりする。しんどいから怠けたりするんだ。



でも、これがなくなったら、怠けることをしない。もちろんそれはいいことだと思うでも、体が悲鳴をあげても、勤勉に働き続けるんだ。そんな状態になれば、体や心が壊れる。






最後に、憤怒だけど、何かに怒ったりするのは、理不尽な状況や不甲斐ない自分自身に怒りを感じるんだ。



もし、これがなくなったら、何に対しても怒りという感情がなくなり、空っぽになってしまう」




「つまり、七つの大罪は、人が人であるためにかかる大罪なんだよ。どれかが一つでも欠けてしまってたら、それは人間じゃないのさ。ヒトの皮をかぶった何かだ」




と、僕が自分の持論を説明したら、彼女は関心したように



「いやはや、こうゆうことに関しては、あっぱれは語るねぇ」



「まぁな、だから、逆説的に述べて、僕が傲慢なのは当たり前だ」



「ああ、そう……ん?」



最後、鶯が不思議そうにしていたが、だが、もう遅い、こっちは詭弁で論破している。納得のそぶりを見せた以上、もう手遅れだ。



追及されない内に、逃げるのが得策だ。



そう思った僕は、未だに首を傾げて不思議そうにしている鶯を裏目に、自室に戻った。




今回の七つの大罪はQED(証明終了)完了


次回

「役割と物語」

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