~エピローグ~『甦る誓銘【黄泉還る生命】』
甦る誓銘はあったとしても
生命は黄泉還りしかできない
白い白い白い真っ白だ。目の前にあるのは白だらけだ。どこなんだろうな・・・ここ。まさか、天国ってやつかな?僕らのやってきたことを考えると地獄行きだと思ってたんだが、それともここが地獄なのかな?ただ白で覆い尽くされたこの場所が地獄かな?
ありえなくはない。ただ白だけで覆い尽くされたこの場所にあと数時間以上いれば、僕は少しずつ気が狂って行くだろう。人とはただ一色の場所にい続けると心が壊れるって聞いたことがある。それなのかもしれない。
だとしたらかなりやってくれる。これは多分ひどいことになるだろう。そう思っていた。でも、まぁ、最後にあいつと話したあれを覚えているなら、何ら心残りが無きにしも非ず。ってところだ。本音をいえば、もっと彼女と生きたかった。でも、でもそれはやっちゃいけなかったから。それは幸せすぎるから、多くを望みすぎるから、駄目なんだ。ここで終わらせなければならなかったのだ。
まぁ、座禅でもしてぼんやりと気が狂うまでじっとしておくかと決めた。
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「ねぇ、いまどんな気持ち?」
(どうなんだろうな、たぶん幸せだと思うよ)
「ホントに?ホントのホント??」
(本当に、本当の本当だ、あいつと最後にいれて僕は幸せだった。この気持ちは嘘偽るつもりはないよ)
「そうなんだ。でも寂しくない?それって」
(何が寂しいんだよ?)
「その生き方」
(全然、そもそも論として、僕は逸執 天晴っていう人の性格をインプットして作られた偽物なんだから、それにそれをあんたがいうのか?)
「僕だから言わなければならないんだよ。誰よりも逸執 天晴を知ってる僕じゃなければ駄目なんだよ」
(そうかよ、そいつはご苦労なことだな)
そう言い切り、僕は座禅を崩し目を見開く。
正面には、僕をそのまま幼くした小学生が立っていた。
幼い僕がしゃべる。
「こんにちわ、僕」
(こんにちわ、僕)
(さっそく、僕としては聞きたいことがあるんだけど、いいかな?)
「どうぞ、僕」
(なんで、ホンモノがいるんだい?ここは僕のセカイだろ。逸執 天晴という偽物だからこそいれるんだ。なのになんで逸執 天晴というホンモノがこのセカイにいることができるんだ?)
「それは実に簡単だよ、僕。なぜなら君の中にもいた微かなホンモノの残留子に、偽物の僕が死後という奇しくも同じ幕に上がってきてしまったから、この場所に残っていた残留思念みたいなものが合成されてしまったみたいなかんじだよ」
(へぇ)
「まぁ、残留思念といっても結局は僕にしか見えないと思うよ?あくまで微かだったんだから」
(じゃあ、他のやつには見えないのか?)
「どうだろうね、僕を強く願う人になら見えるかもしれないな」
(そうなのか、あとなんで、そんなに大人びた口調なんだよ)
「それは、微かに残っていた残留子だから、君と同じ思考能力はあるさ、いうなれば、見た目は小学生、心は高校生といったところさ」
(おいおい、あのさ、八束 鶯はどうなったかわかるか?)
「残念だけど、それは分からないよ僕、あくまで僕は君の中の残留子だからね、だが、彼女にも彼女の残留子があるなら、僕らと同じことをやってるんじゃないか?」
(おんなじこと?)
「ホンモノと偽物の対面式」
(確かに、やってそうだな・・・じゃあ、)
「ああ、さっきに言っとくけど転生しても会える確率はゼロに等しいよ、そもそも僕らがこの地獄の果てでどうなるのかなんて知りやしないし」
(なんで)
「なんで言いたいことが分かったんだ?なんて古臭いことを言うのはやめてほしいな、僕。僕は僕なんだから僕のいうことは言わずともわかるさ」
(じゃあ)
「ああ、一応理由も説明しようか、質問はそれからにしてくれよ。喋っている途中にしゃべられると話がややこしくなる」
「まず、僕は残留思念が具現化したモノみたいな感じだ。肉体は、記憶は完全にはないのさ。僕の体は死んでいるのだから、転生したとしても黄泉で命は清められるキレイさっぱりにされる。生命は繰り返されず創り変えられる。生命は甦ることなんざできない。それは八束 鶯からも聞いているだろう。彼女は僕の生き返りができなかったからセカイを作ったんだから、生命は黄泉還りをするが甦ることはできない。僕が不完全ながらも君と話すことができるのは、思いという誓銘を持って残留思念として一時的に甦った、肉体のない幽霊みたいな形で、だからこの場で甦れるのはは僕の思いという誓銘だけだったという実につまらなくて、どうしようもなく、くだらない話だというわけなのさ。理解したかい?僕」
(ああ、ある程度かなら)
「そうかい、ある程度でも理解できたなら、そいつは冗長だよ、僕。あと、何か聞きたいことはあるかい?時間が残す限り答えよう」
(聞きたいことねぇ、正直な話さっきでほとんど聞きたいことは聞けたんだよな、僕は)
「本当かい?それはこまったなぁ、雑談でもするかい?」
(あ、いや、あともう一つだけ聞きたいことがある)
「なんだい?」
(この場所でなら、僕が知る八束 鶯には会えるかな?)
「・・・・・・君が知る方の八束 鶯つまり、僕でいう偽物の方かい?」
(うん、そうだよ)
「どうだろうな、正直それはさっき言ったかもしれないけど、彼女は彼女の方で対話をしてるかもしれない。彼女の方も君に会いたいと思ったなら望みはあるかもしれないな」
(本当?)
「ああ、じゃあ試してみるかい?実を言うと僕もホンモノの八束 鶯と再び会いたいと思っていたからね、八束 鶯の偽物がこっちに来たら僕が彼女の元に行けるかもしれない。やってみようか」
(よろしく頼む)
「OK!問題ないさ、じゃあ、目をつむってくれ、試してみよう」
(目をつむらないといけないのか?)
「雰囲気づくりさ、察してくれよ、僕」
(なるほど、雰囲気づくりか、分かった)
「んじゃ、行くよ・・・・・・、それ!」
光がこの場所を埋め尽くした。目を開けると彼女がさっきまでホンモノの僕がいた場所に立っていた。
「ん?ここは?」
「やぁ、鶯」
「あっぱれ・・・・・・どうゆうことだい?これは」
「僕の本体に頼んで君とこの場所で会えるか試したんだ。僕のホンモノは互いに会いたいという気持ちがあったら会えるかもしれない。といってたから成功してよかったよ」
「そうゆうことかい、納得いや理解したよ。だけど私をこの場所に移してどうするんだい、別れは済ませただろう?」
「簡単だよ、死ぬまで一緒にここにいようってことだよ」
「・・・・・・それはプロポーズとなんら変わらないセリフだと私は思うよ、あっぱれ」
「死ぬまで一緒にいたいんだ。プロポーズでいいさ、それとこれは告白じゃないぜ、告白は鶯が先に言っちゃたからなら、僕はプロポーズしようと思ったんだ。それにここはどうせ廃人になるか壊れるかのどっちかだ。それなら君とずっと一緒にいられるだろ?」
「だが、私たちのホンモノの方はどうなんだ。君の偽物がこっちに転移してきたら私は向こうに私がいる方に戻るんじゃないか?」
「それも心配いらないよ、ホンモノも君のホンモノと一緒にいたいと思うし、何よりいくら自分とはいえやろうと一緒に居続けるのは精神的にくるものがあると僕は思う」
「なんとまぁ、呆れたようなことだな」
「そうゆうなよ、鶯も僕との方がいいだろ」
「まぁ・・・・・・な」
「じゃいいじゃないか、悩む心配や要素なんてどこにもない、で、だ。鶯僕としてはさっきの返事を貰いたいんだけど」
「せかすな、どうしたんだい、君の性格らしくない」
「僕だってこんな時がある。さぁ」
「・・・・・・っていうか、好きじゃなかったら私はあのセカイを壊す前にお前に告白っぽいことをしないんだがな」
「へ?」
「はぁ・・・・・・、私も好きだよ。あっぱれ。こちらこそ死ぬまでずっと私のそばにいてください。ってこれはあっちのセカイでやったんだけどね。まさかこっちにきて焼き直しをするはめになろうとわ思わなかったよ」
「いいだろ、雰囲気も出てたんだから」
「そこらへんについては、同意しなければならないな」
「いやぁ、よかったよかった。振られちゃたら、危うく進んで廃人もしくは狂人になるところだった」
「ならなかったのだからいいじゃないか」
「ああ、まったくだ」
「私としてもうれしいんだから、そんなことは言ってほしくなかったけどね」
「そこらへんわ、許してほしんだが」
「許すよ。それじゃ、まぁ、何というか改めて言わせてもらおうか、これから先もよろしく、天晴」
「こちらこそ、鶯」
今回のエピローグ『甦る誓銘【黄泉還る生命】』はQED(証明終了)完成
THE END
これにて終了です。完結っぽくできてよかったです。
また新作や短編を出すと思います。その時もよろしくです。




