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救いもクソもない話

読まないで下さい

 昔々、あるところにお爺さんとお婆さんが居ましたなんて当たり前の始まり方はどうかと思ったので以下省略ぅう!


 という訳でとある山の中のとあるあばら家。


「婆さんや、こりゃ何ぞね」


 そのお爺さんは名前を竹取の翁と言いましたなんてことはありませんでしたが、毎日竹を取っては売ってを繰り返す気の良い人でした。


「ヒヒヒッ、見て分かりましょ? タヌキじゃないですか。今日はご馳走ですねぇ」


 そんなお爺さんと共に生きる事、うん十何年、包丁を持ちつつ片手に大きな狸を引っ提げて、更には舌なめずりを繰り返している見るからに恐ろしいお婆さんの名前はヤマンバ、じゃあありませんので悪しからず。


「やめてぇ! オイラ美味しくないよぉう、助けてぇ!」


 はてさて、良く見るとこの狸、喋っているではありませんか。化け物です、もしくは着ぐるみを着た普通の人間に違いありません。


 お爺さんは、お婆さんに尻尾を掴まれたまま身体を捻っては何とかして逃げようとしている狸を見て酷く可哀相になりました。


 それより、一メートルはある狸を簡単に、それも片腕で持ち上げるなんて、お婆さんのこの小さな身体の何処にそんな力があるのでしょうか。


 このお婆さん、恐ろしい外見といいこのぱぅわ~といい、イロイロ人間を辞めているようです。


「あーあー、その、何じゃ。ちと、可哀相じゃなかとね?」


 お爺さんは頭をポリポリ、低姿勢でお婆さんに言います。やはり尻に敷かれているようです。まあイロイロな意味で、こんな女性に逆らおうとする人間は居ないでしょうけどね。


 それを聞いたお婆さんは、お爺さんが自分に何かを言ったのが心底面白いと言うように笑いました。


「ほほっ、オカシナ事を。爺さんを食べちゃいましょうかい?」

「ハハハ狸かうん楽しみじゃのう久しぶりの動物性タンパク質じゃからのうワシは婆さんに賛成じゃアハハハハ」


 お爺さんの眼が一瞬にして灰色になりました。さすがはお婆さんです。やはり人間を辞めていたようですね。


「というわけじゃ。諦めてくれ狸くん」


 笑顔で告げるお爺さん。わしまだ死にたくないの。


「うわあぁん、テメーラ人間じゃねー!」


 狸の悲鳴は何時までも山に響き渡っていましたとさ。めでたしめでたし。

……読んだなぁ? ヒヒ、ヒヒヒッ

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