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退屈って大事だよ

 ある日

「母上様ー! 猫を拾いましたー!」

「元いた所に捨ててきなさい」

「ええー、そんなあ」

「つべこべ言わずサッサと棄てる!」

 少年は猫を元いた所に置いてきた。



 翌日

「母上様ー! 子犬を拾いましたー!」

「元いた所に捨ててきなさい」

「ええー、そんなあ」

「つべこべ言わずサッサと棄てる!」

 少年は子犬を元いた所に置いてきた。



 その翌日

「母上様ー! 蛇の抜け殻拾いましたー!」

「ヒイィッ! なんでそんな気持ち悪いモノ持って帰って来るの!」

「え? 友達が財布に入れたら金運上がるよって……」

「迷信だから捨ててきなさい! 例え本当に金運が上がったとしてもそんなの入れません!」

「ちぇっ、蛇柄の財布は欲しがるくせに」 少年は蛇の抜け殻を元あった所に置いてきた。



 さらに翌日

「母上様ー!」

「またか、今日はなんね」

「あれ母上様、イントネーションが可笑しいですよ。具体的には身長170センチぐらいで九州に住んでて時折奇怪な言動を口走る目元のホクロが特徴の変た……」

「それ以上言ったらこの小説の先行きがおかしくなるから言わないでね!?」

「まあようするに、作者みたいでしたよ」

「……うん。全然嬉しくない。ま、それは置いといて、今日は何拾ってきたの?」

「はい? 今日は何も拾ってませんよ。ただ呼んでみただけです」

「……そ、そう」

「そうです。じゃあ、ご飯できたら呼んでください

 少年はゆっくり引き返していった。



 またまた翌日

「母上様ー! 宝くじ拾いましたー!」

「……期限は?」

「三ヶ月前です!」

「捨ててこい」

「ええー?」

「何がええーなの、いったい何が!」

「いえ、気分です」

 少年は宝くじをごみ箱に棄てると自室へ向かった。



 もう分かってると思うけど、翌日

「……もう嫌この子」

「何言ってるんですか。貴方の子ですよ」

「……」

 少年はキラリとした笑顔で拾ってきた子ワニを見せ付けた。

 母親は無表情のまま動物保健所へ電話した。



 くどいけど、翌日

「母上様ー!」

「はいはい、捨てて来てね」

「ええー、そんなあ」

「ええーじゃありま……なにぃい!?」

 母親は少年が持つそれを見て絶句した。

 どうみても爆弾にしか見えない、というか『これは爆弾だ』などという頭の悪い貼紙がついたタイマー付きの箱を少年が持っていた。

「どう? 凄いでしょ!」

 少年がキラリと笑った。

「け、警察ー! 119番ー!」

 母親は110番を知らなかった。



 はい。日々が退屈で詰まらないとか言ってるそこの君!


 こんな日常、耐えられる?



「母上様ー!」

「もう止めてぇ、お願いだから変なモノ拾ってこないでぇぇっ」

「ええー、今日はお金だったのになあ。仕方ないかぁ、捨ててきま……」

「あーあーっ!」

「どうしたんですか、お金と言う単語が聞こえた瞬間反応したがめついを体言したかのような母上様」

「喧嘩なら買……ゴホンゴホン、マーマー。ちょっと待ちなさい。それ幾ら?」

「さあ、分かりません。なんか分厚い束です。お爺さんがお小遣いだってくれました」

「でかした息子! アハハハハ! 今日は宴会だあ!」

「まあ、嘘ですけど」

「アーハッハッハッ……ハ?」

「まあ、嘘ですけど」

「……。え?」

「まあ、嘘ですけど」

「グハッ、な、何だと……」

「まあ、嘘ですけど」

「ウ、ウワァーンッ、いっそ殺してぇー」



 ……もう一度聞きます。これ、耐えられますか?

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