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Ender Magia Chronicle  作者: 真夜
第一章 報復人 -BIRTH AVENGER-

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4.依頼 -Quest-(1)

 ジャックが船に戻ってきたときには太陽は完全に隠れ、代わりに満天の星が空の海に広がっていた。

 船から見える砂漠の景色は静かな海のように落ち着いていた。この景色はジャックにとって心を落ち着くことができる唯一の時間だった。

「……今日はいろいろありすぎた」

 ライラックがお人好しであることはもう慣れた。その結果、ジャック自身も巻き込まれたことは多々ある。それに関してはいつものことであり、文句を言う気にもならない。

 しかし、そこにピースメイカーが関わってくるとは思っていなかった。

 ジャックは精霊契約者を差別するつもりはなく、ピースメイカーに対してもマイナスの感情は持っていなかった。

 しかし、今日の出会いは最悪な部類に入るのは間違いなく、印象も一気に悪くなった。

 最初に戦ったステラだが、突然の攻撃で会話すら成立せず、さらに敵意を向けられれば嫌悪感を抱かずにはいられなかった。地形的有利と直線的な攻撃ばかりを行っていたため何とか対処はできたが彼女が自由に動き回れる空間があれば勝つことは難しいだろう。

 戦いを止めたエトワールは割って入った跳躍、そして押さえられた腕が一切動かせなかったことから人間とは思えない身体能力だった。余裕がある表情から勝てるビジョンがまったく浮かばなかった。だがエトワールはどこかライラックと似た雰囲気を感じ、友好的に見えたがそれが演技だとしたら、彼女はかなりの策士と言える。

 最後に現れたアステルだが彼女も偏見を持っているようには見えなかった。むしろどこか怯えているようにも見えたため小心な性格が影響しているのだろう。しかし、ピースメイカーであるならそれなりの実力を持っているのは間違いない。

 そして、ロザリアと呼ばれた少女だが、彼女がリムレイにいること自体がおかしいと思える。おそらく彼女絡みでピースメイカーがここにきていることは間違いない。しかし旅行、社会見学としてくるには治安が悪すぎるし何もない。そして個人的な問題としてあの顔でさらに『ロザリア』という名前というのがジャックにとっては非常に接しづらい。

「……まあもう会うことはないだろ」

 深く考えても悩みが増えるだけで、個人的にもこれ以上関わりたくないと考えている。

 星空を見上げ、気持ちを落ち着かせ、大きく深呼吸する。

 船内に戻ろうとしたとき、ちょうど甲板にジョーカーが上がってくる。

「……戻ってきたか」

 ジョーカーはあたりを見渡し、船内も明かりがついていないことを確認する。

「整備は?」

「いろいろあってそれどころじゃなかったんだよ」

「エンジン回りだけはしておけ」

「えっ……ああ」

 普段なら小言に一つ二つ言われるはずだが、あっさりとした返しに、ジャックは珍しいこともあるんだなと驚く。

「それと明日、昼にギルドに迎え」

「もう次の仕事か、補給が必要だろ?」

「お前だけだ、今回は別の奴と組んでもらう」

「俺を指名だけで依頼?初めてだな」

 ジャックは狩人になってまだ半年だが、ジョーカーの弟子ということで周りからは期待されている。しかし、指名の依頼はジョーカーに来ることが多く、ジャックはそのおまけでついてくるような扱いだった。

「随分変な奴がいるんだな、誰だ?」

「行けばわかる。それまでに船の整備は全部終わらせておけ」

 それは整備を今日と明日の朝までに仕上げておけという圧だった。

「本当に人使いが荒い」

 ぼやきながらジャックはエンジン部分に向かった。


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