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Ender Magia Chronicle  作者: 真夜
第一章 報復人 -BIRTH AVENGER-

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18.不和 -disagreement-(2)

 ジャックの予想では、裏口から入ったクロウは恐らく不審船を借りた人間ではないかと考えた。それがクロウだとするなら、契約獣が現れたタイミングで、なぜ彼らが街の外に出ていたのかが気になった。

 クロウは基本的に街の中でしか行動をせず、砂漠に出て何かを行うようなことは滅多にない。

 それにさっきの話ではクロウ自体が何やら活発に動いているとも言っていた。


 自分に接触してきたキングはクロウ内部の改革を行うようなことを言っていたが、それが関係しているのかもしれないが現状のクロウの行動がそこに繋がらないため、確信が持てなかった。

 ギルドの受付に向かうといつもの受付に近づき、いつものポーカーフェイスで話しかける。


「少し聞きたいことがあるんだけど」

「ジャックか、いったい何の用だ?」

「大したことじゃないけど、ジョーカーに言伝を頼みたいんだ。討伐隊との連絡が来ていないか?」


 ありのまま確認すると、怪しまれる可能性を考え、少し言葉を変えて、ジャックは確認する。

 受付は特に気にする様子もなく、淡々と答える。


「いや、来ていないな。要件はなんだ、来たら伝えてやるよ」

「そっか、いや。本当に大したことじゃないんだ。ジョーカーが戻ってきてから言うよ」

「そうか……。ってお前ウィズピースからの仕事は?失礼なことはしてないだろうな?」

「今はシオンと一緒に休業中だよ。失礼かどうかは狩人なもので保証はできないけどな」


 あえて場所までは言わず、伝え方を変えて、受付は心配そうな視線を向けるが、ジャックは表情に余裕を見せながらその場から立ち去る。


 ギルドの外に出るとすぐに走り出す。

 ギルドの陰で話していた狩人たちと受付の話から全体を推測すると、ギルドからクロウの出入りが見られたが、それは連絡役であるかは不明。受付の様子を見るに特に怪しい点もなかったため、彼自身は関わっていないかもしれない、もしくは別の目的で訪れていた可能性もある。

 しかし、討伐隊の船は予定の進行を変更し、移動したということは外部から何かしらの情報提供があったことは間違いない。

 その情報が何かはわからないが、今回は契約獣が相手となると連絡を怠るといったミスはしないはずだ。

 もし、討伐隊がギルドからの正式な連絡と捉え、移動したのなら罠の可能性が高い。ジョーカーたちが偽情報に踊らされることはないと思いたいが、もし討伐隊内部に裏切者がいるなら、うまく情報が隠されたかもしれない。

 罠だとしてもジョーカーとサルビアがいることを考えるとやられることはないが、その偽情報を渡した、敵と呼べる存在も対策をしているため対応に時間が掛かるだろう。


 ジャックが走り出したのは、討伐隊の心配ではなく、もう一つの可能性に至ったからだ。

 エトワールたちの襲撃、今は街から主力がおらず、ライラックも抜けている。

 ライラックはその善性から街の住人からも人気が高いし、慕われている。彼がいる状況でピースメイカーを襲撃するのは賢明ではない。


 だが、それがいない今なら気にせずに襲撃することができる。

 ピースメイカーと言ってもたった三人で戦うことができないシオンとロザリアもいる。

 ライラックとの会話を思い出し、シオンのことを考える。

 いつもより、全力で走っているせいか汗が流れるが、それはどこか冷たい気がした。

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