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Ender Magia Chronicle  作者: 真夜
第一章 報復人 -BIRTH AVENGER-

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15.調査 -Survey-(2)

 ジャックから見てステラは典型的なピースメイカーと思っていたが今日の様子からそれは違うことに気付いた。

 ジャックからの印象は自分の見たもの聞いたものを真正面から受け止めるタイプの人間だ。

 彼女はここに来る前は恐らくウィズピース内で噂されている内容をその通りに受け取り、ジャックたちを見ていた。

 しかし、ここで過ごし交流した結果、前ほどの刺々しさは感じられなかった。

 また船に乗っているとき、甲板でシオンと話しているときは笑っているときもあり、仲良くなれたことは傍から見てもわかった。

 むしろピースメイカーの三人の中で一番ここの住人と距離があるのはエトワールだとジャックは考えていた。

 彼女自身に差別をしている意識はないだろう。だが無意識に自分たちと俺たちに対して違いを持って接している。その接し方も悪い意味ではない。むしろ保護対象として扱っているような感覚だ。そして彼女にはその自覚がないのだから質が悪い。

 そう考えればステラはエトワールが言っていた『純粋な子(いい子)』なことには間違いないだろう。

「……どこまで進むの?」

 ステラの言葉にジャックは歩みを止めずに淡々と答える。

「あと少しだ、この先に少し開けた場所に砂狼の巣がある」

「……そう」

 ステラからの文句が一つくらい飛んでくると思っていたジャックはあっさりとした返事に少し驚く。

 どうやら靴を借りているから強くものを言えないのか、それとも疲れたのか、だがジャックは静かになって助かった。

「ここからはあいつらのテリトリーだ。慎重に、そして静かに行動しろ」

 ハンドジェスチャーも入れながら小さな声でジャックは伝える。ステラは声を出さずに頷く。

 ジャックが言った通り、その周辺は盆地のようになっており、植物も道中よりは存在していた。

 ジャックは真っ直ぐ中央には向かわずに岩陰に隠れるようなルートでゆっくりと進む。ステラもジャックの動きをなぞるように付いて行く。

「……止まれ」

 その言葉に従いステラも止まり、ジャックの見ている方向を確認する。しかし、動いている生物は全く見当たらずにジャックに小さな声で確認する。

「何もいないけど」

「あそこだ、あそこに砂狼の死骸がある」

 ジャックの示す先には枯れた草が風によって揺れているように見えたが、よく見ると茶色い毛皮だとステラは気付く。そしてその周りをよく見ると地面の色が黒くなっており、それが血痕の後だということもわかった。

「いないなら隠れる必要はないんじゃないの?」

「いや、一匹も残っていないのが気になる」

「どうして?」

「この辺りで砂狼の外敵になる獣は大怪鳥だが、大怪鳥は殺した獲物は巣に持ち帰るし、群れのすべてを食らいつくすことはしない」

「ルフ?」

「わかりやすく言うなら……」

 ジャックが言葉をかき消すような甲高い音が上空から聞こえ、二人から太陽の光を遮り影ができる。

 二人は上空を見上げると同時にその陰から飛びのき、巨大な何かが急降下してくる。

 落下地点は砂埃が舞うがすぐに大きな翼が威嚇するように広がり視界が晴れる。

「こいつが大怪鳥だよ」

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