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Ender Magia Chronicle  作者: 真夜
第一章 報復人 -BIRTH AVENGER-

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13.力量 -Ability-(1)

 ジョーカーが船を去り、ジャックはその視線を気にすることなく準備としての一日を過ごし、シオンの家の前に訪れていた。

 ドアをノックすると同時にすぐに寝間着姿のシオンが出てきて少し待って欲しいと言って家の中へと戻っていた。

「おはよう、他の子たちはもう少し時間が掛かるから待ってて」

「あんたは早起きなんだな」

 家の裏からエトワールが出てくる。

「みんなもいつもは起きてるよ。ただやっぱりこの街に来てから気を張ってたみたいだね。

 ここの居心地がよかったのか緊張が解けてぐっすりだよ。

 私はいつもの日課をしないと調子が出ないんだ」

 そう言ってエトワールの視線を向けた先には機械仕掛けの大剣があった。

 よく見るとジョーカーの大剣とは形状と大きさは一緒だが細部は大きく違う。ジョーカーの大剣には魔弾の装填口があったがこの大剣にはそれが見当たらなかった。

「気になるのかい?」

「まあな、あんたの体格でこいつを振り回せるとは思えなくてな」

「だったら試してみる?彼女たちが来るまで少し時間があるはずだよ」

 少し挑発的な表情を作るエトワールにあえてジャックもその挑発に乗る。

「といっても彼女たちもすぐ来るかもしれないし、簡単に行こう」

「簡単?」

「君は三十秒間、地面に膝を着かなければ勝ち。それ以外は私の負けだ」

「随分と自信があるんだな」

「確かにね。でも君の見たいのは私の力の秘密だろ」

「別に戦わなくても教えてくれればいいんじゃ」

「それだと面白くないじゃない。それに私も君の実力を見てみたいしね」

 前にライラックと戦った裏庭でエトワールとジャックは距離を取る。

「開始の合図は君に任せるよ」

 ジャックはその辺の石を拾う。

「この石を上に投げて落ちたらスタートだ」

「わかったよ」

 エトワールが了承したのを確認するとジャックは石を上空へと投げる。

 ジャックは構えるがエトワールは特に構えず、リラックスした状態に見える。

 石が落ちるとエトワールはわざわざ声を出して、ジャックに準備を促す。

「それじゃあ、行くよ」

 ジャックはエトワールの動きを見逃さないように注視する。

 エトワールが動き出すと同時にジャックは改めて防御の姿勢を取るが、ジャックの予測を超え、一瞬紫の閃光が輝いたと思うとジャックの前に躍り出る。

 ジャックはとっさに後ろに飛びのくが、エトワールはすでにジャックに追いつき、後ろに周りこもうとしていた。

 ジャックはその姿を目でとらえるのが精一杯であり、咄嗟に後ろへ飛んだ結果まだ体勢が整えられていなかった。

 不安定な体制からジャックはあっさり拘束される形で地に膝を着いた。

「これで私の勝ちだよ」

 そう言ってエトワールはすぐにジャックの拘束を解く。

 ジャックはすぐに立ち上がり服についた砂を何も言わずに払う。

 その表情は特に悔しがっているようには見えない。ジャック自身は想像以上のエトワールの能力に悔しさより驚きと能力の考察をしている。

「気にすることないよ。むしろ私の動きを初見で見られていたのは初めてだよ」

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