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Ender Magia Chronicle  作者: 真夜
第一章 報復人 -BIRTH AVENGER-

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7.観光 -Travel- (1)

 朝にライラックはエトワールたちに確認を取り、シオンを連れてきても問題ないということになった。

 シオンも体調は良さそうであり、問題ないとライラックが判断した。

 そのため、ジャックはライラックの家で一度集合し三人でギルドの前へと向かっていた。

 シオンはなぜか大きなカバンを持ってきており、ライラックが代わりに持ったが大きさの割にはそこまで重さはなかった。

 向かう道中のライラックの様子はいつも通りの調子ではあるが、シオンは相手がピースメイカーと聞いて、どこか緊張しているように見えた。

「大丈夫か?」

 ジャックがシオンに尋ねると、彼女は小さく頷くだけであり、その様子を見たライラックはからかうように言う。

「怖がることない、悪い奴らじゃない。あー、でも無礼を働いたりしたら魔法の拷問されちゃうかもね」

「うるさい、それならお兄ちゃんが真っ先にやられてるから」

 シオンは嘘だとまるわかりの脅しに冷たい対応で返す。そのおかげか緊張はなくなったようだ。

 見慣れた軽い兄妹の喧騒が始まりながら、ジャックは少し距離を取りつつ眺める。

 少し距離を取っていたジャックに気付いたシオンはジャックと手を握り、自身の元へ寄せる。

 ライラックはそれを見ても何も言わずに気持ち悪い笑みを浮かべながら二人を見る。

「……なによ」

「なーんにも」

 そんなライラックの様子にシオンは軽蔑の目を送りながらもジャックの手を握り続けた。

 ギルドに到着するとさすがに周りの目を気にしたのか手を放して身なりの確認をする。

 三人がギルドに入ると受付が駆け寄り、すぐに個室へ案内される。

 そこには四人が昨日と同じようにくつろぎながら待っていた。

「やあ、時間通りだね。それと君がライラックの妹さんかな」

 エトワールは手に持っていたカップをさらに置いて立ち上がる。

 シオンはすぐに見本のような礼をする。

「初めまして、シオンです。馬鹿な兄がお世話になってます」

 ライラックはその言われよう首を横に振るがジャックは納得の視線を向けていた。

「よろしくね、シオンちゃん。私はエトワール。それと右からステラとアステル、ロザリア様です」

「はい、兄から聞いてます。シオンです、改めてよろしくお願いします」

 シオンはほか三人に向けても礼をする。

「じゃあ、集まったことだし早速外に出ようか」

「あっ、すいません。これ持ってきたんですけど」

 そう言ってシオンはライラックからかばんを奪い、中身を取り出す。

 取り出されたものは柄が少ないポンチョだった。

「ウィズピースの制服のままだとこの街じゃ変に目立ってしまいます。それでこれなら街を歩いていても目立たなくなるかなって」

 シオンの言うことは的を射ており、彼女たちの綺麗な制服はかなり目立つ。それだけではなく、ウィズピースとわかれば恨みを持つ連中や金目当ての馬鹿に狙われてもおかしくない。

「それは考えてなかったね。シオンちゃんの言うとおりだ。せっかくだし着ようか」

 エトワールとアステルは乗り気であり、ステラは躊躇いを見せているが渋々に着ている。ロザリアは渡されたものを何かわかってないのか眺めていたがそれを見たシオンが着させてあげていた。

 それぞれポンチョを着た四人の姿は少し小綺麗で違和感があるが、もともとの服は完全に隠れて、じっくり見ないとウィズピースの人間だとはわからないだろう。

「着心地は悪くないけど武器が使いづらいかな。まあ今回は置いて行こうか」

「確かに悪くはない。もう少しデザインが欲しいけど」

「私、初めてこんな服着ました。エト姉さんもスーちゃんも似合ってますよ」

「着せてくれてありがと」

 四人それぞれが感想を言い自身の服装を眺める。

「サイズが合ってよかったです。エトワールさん」

「うん、ありがとう。それより私のことはエトと呼んでも構わないよ」

「えっと、はいエトさん」

 少し緊張しながらもシオンはエトワールを愛称で呼ぶ。

「あっ、俺のことはラックでいいぜ」

 そこにマイペースなライラックの言葉にシオンは恥ずかしさから顔を赤く染める。

「ええ、そう呼ばせてもらうわ。ラック」

「そういえばロザリア……様って呼んだほうがいいの?」

 シオンの言葉にジャックとライラックも疑問になっていたことだ。ただそういうものだという認識で確認まではしていなかった。

「確かに、ここなら周りの目もないから堅苦しい呼び方じゃなくてもいいかもね」

「じゃあ、リアちゃんとかでどう?こっちのほうが可愛いと思う」

 シオンの提案にロザリアは恥ずかしそうに顔を赤くしながらも嬉しそうに何度も頷いた。

 ジャックとしてもロザリアという名前に呼び難さがあったためこれは渡りに船だと考えた。

「本人も嬉しそうだ。じゃあ準備もできたし早速行こうか」

「ですね。行こっか、リアちゃん」

 シオンはそう言ってロザリアに手を差し伸べる。一瞬戸惑ったロザリアだがその手を素直に握り返す。

「いやー、若い子同士仲良くなるのは早いな」

「……おっさんかよ」

 そんな二人を見て感心するライラックにジャックは冷たい視線を返す。

「私としてもシオンちゃんには来てくれて助かったかな。ロザリア……リアはどうしても私たちからでは対応が固くなってしまう。同年代で同性の彼女は接しやすいのかもしれない」

 エトワールもその二人の様子を我が子でも見るような優しい視線を向けている。

「それより、まずはどこに行くんですか?」

「確かにここで見て回るような場所はあるのか?」

 アステルは興味津々に目を輝かせ、ステラは疑うように確認する。

「ああ、この街を見て回るならやっぱり……」

「私、紹介したいお店があります」

 ライラックが露店巡りについて話そうとしたがシオンが遮る。

「おしゃれなお店でウィズピースの皆さんでも問題ないと思いますし、困ったときに助けになると思います」

「へえ、それは是非紹介していただきたいね」

 エトワールのその反応はウィズピースの協力者になるかの確認をしたいようにも聞こえた。

「はい、少し街のはずれにあるので少し歩きますが」

「遠いなら中央通りを少し回れば露店を色々見れるよな」

 ライラックの謎の露店への執着もあるが裏路地は通らないほうがいいのは全員が賛成した。

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