5話
時の流れというのは案外早いもので、あれから数年の月日が流れ、私たちは17歳を迎えた。
17歳になると、魔法が使える人間は彼ら専用の学園である『エーデルシュタイン』に入学しなければならない。そう、その学園こそがまさしくチュプリの舞台である。
この学園『エーデルシュタイン』では、生徒は学園に通う2年間は必ず寮に住まなければならないらしく、寮生活の準備をするのがそりゃもう大変だった。
入学するとルビーに会う機会もぐんと減ってしまうわけだが、ちゃんとまとまった休みが取れた時にでもお邪魔させてもらおうかなとは思っている。猫ちゃんに会うためだけにノゼアン家にお邪魔するなんて厚かましいって??やかましい、猫は正義なんだよ。
そうそう、名前が出たのでついでに言うと、サミュエルとは現在進行形で随分と長い付き合いになっている。これが幼なじみってやつ??
まあ、一つ問題があるとすればすれば……。
「何ボケっとしてんだ。ほら、足動かせ。さっさと行くぞエクレア」
「だれがスイーツじゃ!クレアだってば」
お口と性格が残念な感じに育ったこと、ですかね……。
あのまだ可愛げがあった頃は何処へ…この何年かでだいぶ慣れてきたからいいんだけどさ。
まあ、こんな感じの彼ではあるが…めちゃくちゃ悪いヤツってわけではないので、幼なじみのよしみとしてゲームのような闇堕ちはできるだけ回避させる所存ではある。
学園の門をくぐると、目の前に広がるは年季の入った荘厳な建物。ヨーロッパのレンガ造りの城のようなオシャレな見た目に思わずテンションが上がる。奥の方では、上の学年の生徒の授業風景がちらっと見えた。
すっげー!!ほんとのほんとにゲームの世界まんまじゃん!!
新入生の前で、生徒会『プリズム』の先輩方が学園のことについて話し始める。
隣では長い話に飽きたのか、サミュエルがつまらなそうに欠伸をしていた。
その時ふと、私は気づいてしまった。
これってつまりは今この瞬間同じ場所にヒロインちゃんや推し達が存在するってことでは〜ッ!?そりゃそうだよね、だって隣にサミュエルいるもん。当たり前か。え、当たり前でいいの??推し達と同じ空気吸えてるじゃんヤバスギィ。
ゲームと同じなら、オープニングムービーが終わりちょうど1話が始まるあたりだろう。
もしかしたら周りにいるのかな、とキョロキョロ首を回して探していると、首をぶんぶんしてたせいで髪が思いっきりサミュエルに当たり、私は若干キレ気味の彼に頭を鷲掴まれてしまった。




