⑤「豚面と肉(2)」
アンセムの目の前に、オークの群れが広がっていた。
アンセムはどのようにこの窮地を脱するのか?
楽しんで読んでいってくださいね。
俺とアオ、オークの群れはお互いに武器を構えて対峙する。
お互いに相手から目を離さない。
いきなり襲い掛かれたらかなりキツかったが、考える隙ができたのでその隙を見て俺はオークの数を数えていた。
ふむ…。
だいたい50体くらいか?
長い対峙に見かねたのか、オークの群れの中で、リーダーらしきガタイの良いオークが言う。
「ピギィーッ!!お前、侵入者だな!スライムと群れを組むなんて、お前スライムより弱いのか!?」
そいつは周りのオークが2~3メートルなのに対し、なんと4~5メートルあった。
そのオークが俺を馬鹿にすると、周りのオークたちもプヒプヒと笑い出す。
まあ冷静に…。怒らない、怒らない。
相手は俺を怒らせようと挑発してるだけだ。
そう聞き流せば…(ピキッ)ぶっ殺してやる!!
俺は欠陥を浮かび上がせながらアオのことを置き去りにして、オークの群れに突っ込んでいった。
オークの群れは圧倒的な数の差に油断していたのか、急な俺の行動に一瞬動揺したがすぐにハンドアックスを振り下ろそうとするが俺は勢いを落とさず、オークたちに襲いかかった。
俺は一番近くに居たオークに斬りかかって、真っ二つにすると次のオークに襲いかかる。
一瞬で二人の仲間を倒したこの獲物に対し、周りのオークたちは焦りだした。
そんなオークたちにお構いなく次々とオークを切り刻んでいく。
怯えているオークたちの士気が下がっているのを感じ取ったリーダーのオークが指揮を上げるために前に出てくきた。
「ピギィー!俺が相手をする!!」
そう大声で言うとリーダーらしきオークはハンドアックスを横から振るうが、その攻撃は俺にはスローモーションに見える。
すぐに反応して、そいつのことをハンドアックスごと真っ二つにする。
オークのリーダーだったものから血が飛び出てきてその血が俺に降り掛かる。
自分たちよりも強い群れのリーダーが殺されてしまい。明らかに動揺がオークたちに伝わる。
オークのリーダーが倒れたあとオークたちは一歩も動けなかった。
なぜなら、オークの血を浴びた俺が真っ赤に染まり彼らの天敵のオーガに見えたからだ。
あいつ等は俺達を餌だとしか見てない。
こいつも俺達をそんな目で見てくる。ならこいつはオーガだったんだ!!
さっきまではよく襲う、人間の姿だったのを少しでも考えればわかるはずだが。
彼らはは致命的に頭が良くない。
そんな言葉を発することができて体が大きいだけのゴブリンに近い奴らは、一晩かかってもわからないだろう。そんだけ知能が低い。
「こいつ、オーガだ!!」
一匹のオークがそう言うとオークたちはパニックになって、蜘蛛の子を散らすように逃げていく。
少しでも逃がすまいと追撃したが半分程、とり逃がしてしまった。
アオは激しい戦いにビクビク震えていた。
なにせ、オークのランクは1体がDランクに匹敵する。
そいつ等がまとめて50体現れたのだからビビってもしょうがないのだ。
普通の人間でもビビってしまうだろう。
せっかくの獲物を大勢逃がして落胆してしまったが、オークの肉を大量に手に入れたのでまあ良しとしよう。
オークの肉は高級品だ。
あいつ等は準亜人族だがその肉はうまい。
ホーンラビットは柔らかい肉ならばオークの肉は脂の乗った、ジューシーな肉だ。
昨日満足に夕飯を食べれなかった俺はオークの肉に目がくらみ、大事なことを忘れてしまっていた。
そう、オークは復讐となると、どこまでも執念深い生き物であると。
俺はこの行動を後に後悔するのだった。
アンセムの食い意地っぷりは凄まじいですね!
ちなみにこの世界ではオークの肉は冒険者の中で一般的な食事らしいですよ〜。聞いた話によるとかなり美味しいらしいです!!
あぁ…。一度は食べてみたいな、オークの肉……。
ジュルリ。
おっと!失礼しました。
次回は日曜日24時00分に投稿する予定です。
次回もよろしくお願いします。
ではさいなら〜!!