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英雄の送人  作者: SOGEKIKUN
第一章〜深淵なる洞窟〜
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③「第二層」

二人は魔物を倒しながら、上を目指していく。

そんな2人を待ち受けるものとは!?

是非楽しんでいってくださいね。

コメント待ってます!!


2人が洞窟を彷徨ってからだいたい1日が過ぎた頃から、しばらく上に登り続けて行くとだんだんと景色が変わってくるのが分かる。


周りは岩と水だけしか見えなかったのが少しずつ植物のある地形が増えていきふと気づいたら、今周りは植物だらけなっている。


 その光景を初めて見て驚いているのか「アオ」 はピョンピョン飛び跳ねている。


あまりの興奮に見かねた俺が仕方なくゴーサインを出すと、「アオ」は草むらの中に消えていった。


(まあ、そのうち帰ってくるだろう。)


ちなみに「アオ」とは俺が名付けたスライムの名前だ。

明るいところにはっきり映いたこの魔物は普通のスライムよりずいぶんと青かったのを見てこの名を思いついたのでアオと名付けた。


アオは多分突然変異か何かだろうな。


試しに大量に近くに生えてきていた薬草を上げてみると俺が傷ついたときに回復してくれるようになった。


普通のスライムは適応能力は高い方だがこんなに急速な適応は起きない。


それに、何故かこのスライムは俺の言葉をある程度理解し始めている節があった。

このスライムのあまりの強力な適応能力と知能の高さに驚いてばかりだ。


(このスライム、本当に世に出して大丈夫なのか?うっかりどっかの貴族に一生捕まりそうだ。)


そう考えながら俺は寝床用の拠点づくりを始める。

 この1日間いろいろ探索してみて、ここは何らかの巨大なダンジョンだというのがわかってきた。


多分俺が眠りから覚めた所はダンジョンで言うところの「第一層」というところらしい。

 上に進むほど魔力が濃くなり、魔物の力が強くなっていくのを感じた。

魔物が強くなってからさすがにゴブリンを倒して手に入れた棍棒では物足りなくなってきので、幸い途中の空間でスケルトンが持っていた古くさい、錆びた剣を拝借(強奪)してきた。


 拠点づくりを終わらしたので、火打ち石で焚き火に火をともし、錆びた剣を炎光に照らす。

あまり斬れ味がよろしくなかったので、剣を火打ち石の平らな部分で擦ってみる。

 しばらく擦ると錆びた剣がピカピカになり、多少だが斬れ味が鋭くなったので、壊れかけた棍棒を火の燃料代わりにして、この剣を試しに振った。


周りの空気が急に動き出して、やがて風となり植物を揺らしていき消えていった。

いきなり起きた強風にたまたま近くにいた小さな魔物が驚いて逃げていく。


この剣は見た目の割にはよく手に馴染む。

俺の愛剣のバスターソードには遠く及ばないがいつ壊れるか分からないゴブリンの棍棒が武器に比べてかなり頼もしい相棒だ。


元々錆びていて抜き差しするのに大変だったが、俺が磨き上げた剣は思ったよりもすんなりと鞘に収めることができた。


おっ?意外と持ち運びしやすいな。


間合いも丁度いい。洞窟探索において完璧な武器だ。

そういえば、腕が鈍ったか?


気のせいだろうか?


そう考えていると、アオが狩りから帰ってきてEランクのホーンラビットを二匹ほど捕まえてきた。


なんでもともとFランクにも満たない底辺モンスターがFランク二体を捕まえられるようになってんだよ!?


俺はその姿に呆れるしかなかった。

 

 なんとなくゴブリンの魔石を与えたのが始まりだった。ゴブリンのランクはEだ。そいつの魔石を食らってからアオは、Fランクぐらいの強さになり、その後少しずつ魔石を与えていたら、気付いたときにはいつの間にかアオはEランクくらいの強さになっていた。


その時には、第一層にはアオに敵う魔物はいなくなっていた。

急成長したのは格上の魔石を上げたときのみだったらしく、しばらくはEランクからあまり強さが変わらなくなった。


―ちなみに魔物のランクは大きく分けて上から、

SSSランク(世界全体にとっての脅威)

SSランク(複数の国が対応しなければいけない脅威)

Sランク (国が総力を上げてギリギリ倒せるレベル)

Aランク (軍団、師団単位で倒せる範囲)

Bランク (兵団規模でギリギリ倒せる範囲)

Cランク (旅団規模でギリギリ討伐出来るまでの範囲)

Dランク (複数の平均的な強さの兵士が対応できるまでの範囲)

Eランク (平均的な強さの兵士が単独で対応出来る範囲)

Fランク(兵士の訓練を受けていない一般人でも対応出来る範囲)

Gランク(脅威ほとんどなし)

―の10のクラスに分けられている。


ちなみに俺はA〜Bランクくらいらしい。

えっ?なんで俺が化け物判定食らってたのかって?

まあ俺も戦場で暴れすぎてたかもしれないな。


長く傭兵をやってるといろんな奴から恨みを買ってしまい、結果、懸賞金がつくようになっちまったんだ。


しょうがないだろ!


そんな危険な環境に対して、俺は満更でもなく、毎日楽しそうに刺客が来るのを楽しみにしているのをオリビアに見られてまた引かれていた。


だってよ〜、すぐに強い奴と戦えるのが楽しくて、楽しくてしょうがなかったんだよ。


なんでそんな目で俺を見るんだオリビア。

お前だって一応戦闘狂だろ…。


俺を殺しに来た刺客を全員ボコボコにして依頼主に送り届けたのが原因なのか、その依頼主達に直接強さが足りないからもっと強いのを出せ!!と直談判したのがいけなかったのか…。


 その後は全然刺客が来なくなってしまい、最終的に懸賞金も取り下げられる始末だ。せっかく強くなれる訓練になっていたのに残念で仕方なかった。


代わりにオリビアと一緒に近くの荒くれ共に喧嘩を売りにいった。オリビアは渋々ついてきてたのだが、このときのオリビアはとても楽しそうにしているのを俺は見逃さなかった。


お前も同じじゃねーかよ。


そう言うとオリビアに真っ赤な顔をして黙って俺のスネをを思いっきり蹴り、蹴られた俺がヒーヒー言うのがお約束だ。


一段の騒動が終わったあと、二人共ギークとソフィアに正座で1時間こってり絞られた。


片方はなんで俺も誘ってくれないんだ!!とほざいていたため、正座の列に加わりもう片方にもう1時間まとめて怒られた。


なんで俺の団はまともなのが少ねーんだよ…。


俺は内心飽き飽きしてしまったのだった。


勿論俺の内心などは義妹には筒抜けで、もう1時間説教を追加されたが。


あいつらのとの記憶を思い出しながら、俺はホーンラビットの解体を終えてホーンラビットの肉を火で炙っていく。


ホーンラビットの肉は魔物のなかで一番柔らかい肉で、焼いて食べると美味しいのだ。


俺も何度か戦の後に食べたことがある。その時は目玉が飛び出るほどの美味しさだった。


食用に飼われているところもある。

とにかく家庭料理に人気だ。大人子供関係なく、みんなに人気のある肉なのだ。


いらない魔石はアオにやって、焼き終わるのを待つ。

アオは二つの魔石を美味しそうに吸収していく。


「お前、また強くなったな…。」


俺の言葉を聞いたアオはすごく嬉しそうに跳ねている。


やっぱ俺の言葉理解してるじゃねーか!!

本当に大丈夫なのか、このスライム…。


俺は考えるのが苦手だ。

だから、これ以上考えるのが面倒になった俺は思考を止めて今目の前に焼き上がってきたホーンラビットの肉に集中することにした。


だんだん表面が焼けてきて香ばしい匂いがしてくる。

おっ!!焼き上がって来やがった!!!


俺はそれをものすごい速度で食い上げる。

あれ、もうなくなっちまった。


1体が鶏以上もある大きさなのに、どこいった?

腹を満たして、後はやることがなくなった俺は寝床に転がって、久しぶりにのんびりする。


 ふとアオを見ると、外を警戒しながら何度か飛び跳ねて主人の命令を待っていた。

この姿にこれまでの疲れが癒やされていくのを感じた。


それと同時に、急に疲れがドッと出てきて瞼が重くなってくる。俺が寝静まるのを悟ったアオは俺の代わりに外の警戒を本格的にし始めた。


アオには眠りが必要ない。

だからいつも俺が休息を睡眠を取るときはこうして守ってもらっているのだ。


アオもこのことは十分理解しているようで、自分より強い主人を守れることを誇りに思っているらしい。

そんなアオが飛び跳ねてアタリを警戒しているのを見て微笑ましく思いながらゆっくりと瞼を閉じていった。


そんな中、自分たちの縄張りに入った侵入者をいくつもの存在が鼻をブヒブヒ鳴らしながら探していたのだった…………。




―――――――――――今日の進捗――――――――――――――

スライムはさらに強くなった!!

スライムはさらに強くなった!!

アンセムはスケルトンの剣を手に入れた!

第一層から第二層に進んだ!!

警告、現在ある存在達が縄張りに入ってきた侵入者を探しています。

すぐにこのエリアを脱することを推奨します。


―――――――――――――――――――――――――――――――








 スライムも頭おかしいんですが、アンセムも大概ぶっ飛んでますよね…。 

私もドン引きです。

えっ、あんたは作者だろって?

ええ不思議なことにドン引き出ますよっこらどっしょい!!

……ゔゔんっ………ゴホンゴホン。

暴走するのはここまでにして話を戻しましょう。

次回は今週の土曜日になります。お楽しみに!!



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