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英雄の送人  作者: SOGEKIKUN
第二章「英雄の旅立ち」
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㉛「墓守の残魂騎士①」


 アンセム達はアンデッドの猛攻を退けて、もうすぐ岩山に近づこうとしていた。


「アンセム。もうすぐ目的地だ。」


バードが刀身をブルブルと振動させてながら警告をしてきた。


「任せとけっ!!」


岩山に近づいた瞬間、急に結界のような者が目の前に現れた。


「なっ!?結界?」


いきなり姿を現した結界に、全員が反応を遅らせて結界にぶつかってしまう。


「ウォッ!?」


ドンッ。


「キャア!」「ワァッ!!」「クッ…。」


バタバタ。


イテテテ…。


「もう痛いじゃないっ!!」


リリアは悪態を突きながら立ち上がろうともがいている。


「ちょっと、みんな退いてほしいんだけど…」


サンソンが女三人の下敷きになっていた。

それも女暗殺者の胸に顔が下敷きになっている。


オイ、そこ変わってくれっ!


女暗殺者は自分の胸が、青年の顔に埋まっているのを見て、顔を真っ赤にさせた。


「オ、オイ。青年。そ、そそそこをどけ!!」


「君が退いて…、ち、ちょっと、落ち着いて!!」


女暗殺者は、動揺し過ぎてナイフをサンソンの上で振り回している。


 唯一倒れていなかった俺は、一悶着の末、倒れて折り重なっていた三人にそれぞれ手を貸して、全員を立ち上がらせる。


 状況確認のために、周りを確認すると、岩山があった場所は透明な結界に囲まれていた。


「おい、バード。これなんだか知ってるか?」


「さあ?強力な結界なのは分かるけど…。僕にも分からないな~…多分固有結界術だろうね。」


「アン?、大丈夫?」


サンソンは寝ているアンにさっきの事故で何処かケガをしてないか、確認している。


「スースー。」

「良かった。問題ない。」


安心しているサンソンの横で、俺等から背を向けて女暗殺者は周りを警戒している。


流石、暗殺者だ。

こういうとき、警戒を怠らないのは正直ありがたい。


少し顔が火照っているのはバレバレだが…。


リリアが直接結界に触らないように手をかざして、目を瞑り、結界の解読を始める。


「結界…。それも高位の?けど、何者かを阻むものでない…何者かを封印しているの?……なにこれぇ!?」


「ん?どうしたんだ?リリア。」


サンソンが心配そうにリリアの隣に顔を覗かせる。

リリアは難しい顔をしながら顎に手を当てて、考えていた。


「アンデッド避けが施されてあるのに、中にアンデッドを封印してる?良く分からないわね…。」


「どういう事だ?」


なんとなくサンソンに聞いてみたが、サンソンも肩をすくめるジェスチャーを返すだけだった。


「さぁ?でも確かにこの岩山に近づけば近づくほど、あれだけいたアンデッドが、少なくなって言ってたね。ほら。今なんて全くいないよ。」


 サンソンに言われて気づいたが、確かにうじゃうじゃいたあのアンデッドの大群が、一体も姿が見当たらなかったことに気がついた。


遠くで、不気味な声がこだましている。


「どういう意図?こんな分からないことがなるなんて、先生にもう少し結界術について聞いておけば良かったわ。取り敢えず、中に入ってもデバフとかの危険はないわ。けど…。」


「けど、なんだ?」


「な、何でもない…!取り敢えず中に入りましょう。アンデッドの大群の原因がこの先にあるんだから。」


「そうだな…。」


「今から結界を開くわよ。」


結界よ、開け!!(オープン・ザ・バリア)


そう言って、リリアは前にゆっくりと進むと、目の前の結界が開き出して俺達を飲み込んでいった。



結界に取り込まれた俺達は暗い紫色の空に浮かぶ三日月が随分古い1つの墓の横に全く動かない、黒く錆びついている鎧をつけている騎士が不動の体勢で立っているを目にした。


可怪しい…。今は日の出の時間の筈だぞ?


コレも結界の力なのか?


墓の周りを見渡してみると、

 墓の周りの不自然に緑の草原の奥に廃墟の小さな町が広がっていた。


 町の中心にはボロボロになって、原型をギリギリとどめている大きな教会の跡があった。


 どれも、焼け跡?のような炎によって燃やされた跡がある。


謎の廃墟の町を囲っている岩山は結界の外で見た時とは違い、苔などの草や木が全くない。


 どれも結界の外から見た緑豊かな景色とは全く違う風景だった。


全体的に生気の全くない寂しげな場所だった。


どうやら俺達が立っている位置は街の外側にある丘の上にいるらしい。


俺達がいた場所は変わっていないことに安心する。


「なんて規格外の結界なの…。」


リリアが目を見開いて呆然とたっている。


「小さな結界を維持するのに物すごい魔力を使うのに、半径何キロあるの…。それに空間の短縮?」


サンソンは自らの両手を見ている。


「僕の両手剣の周りの空気だけ明るい…?」


サンソンの剣を見ると、サンソンの持っている剣の周りを微かに朝日の光を放っていた。


冷たい風が吹いて、枯れ葉や草原が揺れ動く音が聞こえてくる。


急に女暗殺者がいきなり警戒しだした。


「おいっ。あのオンボロ騎士が動き出したぞ。」


急に、全く動かなかった黒い鎧を着た騎士が動き出して真っ直ぐこちらを見てきた。


黒い鎧兜の下は暗くて良く見えない。


ただ、片目が赤く光っていた。


全員に緊張が走る。


黒色の騎士は、静かに墓に腰掛けて横に突き刺さっていた聖剣?を引き抜いて、

 下段の構えをとってきた。

 黒色の騎士が聖剣を引き抜くのと同時に緑に生い茂った草原が聖剣の突き刺さっていた場所を中心に、急激に枯れていった。


 漆黒に包まれた騎士と真っ白な光を帯びている聖剣は余りにも不自然で、不似合いだった…。


来週からは第二章「英雄の旅立ち」の改正にあたりますので、次回は未定になります。

改正期間は2〜3週間です。

詳細は私の掲示板に載せてありますので、よろしければそちらをご覧ください。


追伸:改正し終えたので、次回は次週の2024年11月23日0:00に投稿します。お待たせ致しました。

次回からは週1・2投稿になります。多分年末までは週2投稿は続きます。

それ以降は忙しくなるので、投稿は週1また月2投稿になりますのでご了承ください。

では、次回もお楽しみに〜!!

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