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英雄の送人  作者: SOGEKIKUN
第二章「英雄の旅立ち」
33/77

⑯「脱獄」

女暗殺者が眠りから覚めると、目の前には金髪の青年が目の前で立っていた。彼の目的とは?


楽しんでいってくださいね!!


「ねぇ…。起きてってば!」


私は目を疑うしかなかった。


目の前で、捕まっていた筈の人間が平気な顔して突っ立っていた事に。


いや。むしろ呆れてしまった。


「何故お前の妹を殺そうとした人間を助けようとする?近くの牢屋にいたのだろう?話から分からんでもないはずだ。」


こいつは私が収監されている牢屋の目の前にいたのを確認していたので、拷問中の会話で察しがつくはずだがどういう風の吹き回しだ?


「君を助けるのはこれから決めることだ。僕は鍵を持ってる。これから僕の質問に正直に答えてくれれば、出して上げても良いんだよ?」


「………。」


少女と同じ綺麗な青髪が、一階の床の隙間から僅かにさしている月光に照らされて光っている。


「嘘を言っても無駄だよ?僕は嘘をつくときの人間が分かるからね。」


もう、私一人でどうすることも出来ない。


ならいっそぶちまけても良いかもしれない。


「好きにすればいいさ。」


「質問を始めるよ。まず、君の一番の目的は?」


「アンという少女の身柄の安全。」


「僕の妹の殺害が本当の目的ではなくて?」


「アレは一つの手段だ。別の手段でも出来ないことではない。」


「僕の妹を殺める気は今後一切ない?」


「ああ。」


「よし、分かった。今から鍵でその鎖を外すから、かかとに隠してある毒針を出さないでね?」


「勘の良いガキは嫌いだよ。」


「アハハハ。褒め言葉として受け取っておくよ。」


ガシャンと鎖が地面に落ちる音がして、女暗殺者の身体が解放された。


「本当に良く信じたな?」


「君が嘘を言っていないのがわかったからね。仮に君が嘘を言ったとしていても鍵を開けてあげてたよ。」


「何故だ?」


「一人でこの牢獄を脱獄するのは流石に骨が折れるからね。協力者として、僕が現在一番状況を知ってて、目的が同じ君と脱獄するほうが、得だと思ってね。」

この無駄に顔が良い青年は私に綺麗にウインクをした。


こいつ…。アンのことを知っているのか?


「その身だけもよだつ行為を二度と私に向けるな。何故お前があの少女の身柄の安全を狙う?」


私は回し蹴りの要領で青年の首に隠していた毒針を当てた。


女とは言えないようなドスの効いた声が小さく響く。


「おお!怖い怖い。暗殺者が毒針を出して迫ってくる光景にはすごいな説得力を感じるね…。」


青年はこんな経験慣れっこなのか全く怯えた様子を見せず、代わりに軽い返しをしてきた。


変な奴だ。目の前で凶器が自分に向いているのに。


それか、肝っ玉が相当座っているのか?


通路の奥からランプの灯りと共に看守の差し音が近づいてきた。


「おっと?どうやら、話す時間は思ったより時間はないみたいだね。この時間はいつもより少し遅れて見回りが来るはずなのに。」


青年は普通の声からヒソヒソ声に切り替える。


「奴らは私が情報を吐かせるための拷問をしに来ただけだ。看守の見回り時間を知っていたのか?」


こいつ、最初から脱獄する気満々だったな。


「なるほど…。道理で少し足音の数が多いなと思ったのか。」


私の質問にはスルーをして青年は独り言を漏らした。


「おいっ。人の質問には答えろ。」


「あぁえっと…、冒険者をやっているうちに何度もこういうのに巻き込まれてるもんでね。慣れちゃった。」


慣れるものなのか?

まあ良い。


ほんとうにこいつに脱獄計画を任せて大丈夫なのか心配だが、そんな余裕は全くない。


すでにランプの光と話し声がすぐ近くに迫っていた。


「迫ってくる人数は三人。重い金属の音から一人が鎧を着ているね。僕は鎧を気絶させるから君は二人はのうちに一人は気絶させて。もう一人は情報を聞き出すために意識は残しておいてほしいけど。行ける?」


「ああ。私を何者だと思っている?」


その応えに青年は声を抑えて失笑した。


そうこうしているうちに話し声が聞こえるくらいにはLランプの音が聞こえてきた。


「いや〜、最近は裏の連中の動きが怪しくなってきましたな。」


「そうですな。グレーギルドの連中に大きな動きがあるそうで。」


「シッ!それは極秘情報ですぞ。あまりペラペラ喋ると私たちの首が飛んでしまいますぞ。」


「そうでしたな。失敬失敬…。」


扉を開けた収監黒い影が急に迫ってきて先頭の看守に溝内に拳を突きつける。


「ぐおっ!?」


ドカッバキッ。


「なっ何だ!?グフッ!!」


カーン。


「く、くせも……。フガフガ、ウーウー。」


三人の看守うち二人はあっという間に気絶させられた。


残りの一人は女暗殺者が口を手で押さえて、看守から奪ったショートソードを首元に当てられていてるため、恐怖で身体が震えている。


「さて、僕達の荷物が保管されている場所はどこにあるのかな?教えてくれない?」


青年が鎧を着ていた看守を気絶させたフライパン片手に、ランプしか明かりがない暗闇でも分かるほど優しそうな笑みを震えて身動きが取れない看守に優しく問いかける。


その笑顔を向けられた看守は震え上がってしまった。

女暗殺者が抑えていた口を退かすとノータイムで答えが帰ってきた。

「来た通路から3つ先で右に曲がってそこを真っ直ぐ歩いて二つ目の部屋だ。」


「ありがとう。」


カーン。

バタン。


手慣れ過ぎである。

思わず苦笑してしまった。


「私よりも暗殺者に向いてると思うぞ。」


「どっちかと言うと、僕らは狙われる側だけどね?

さて、ここから本番だよ?

武器を回収したら、さっさとこのホコリ臭い宿屋さんからおさらばしないと。」


ところで、そのフライパンは何処から出したんだ?


久しぶりのサンソン登場にサンソンの活躍を描いて見ました。これからはサンソンの活躍が見れますので期待して待っててくださいね!!


次回は土曜日の0:00です。

お楽しみに!!

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