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回転寿司になってみた。

作者: ryu

僕は何者なんだろう

急に強い力で体を捕まれて柔らかなベットのような場所に寝かされた。

「君は何処から来たの?」声が聞こえた

「うーん、僕がどこからやってきて何者なのか分からない」「そうか最初は僕もそうだった。一緒に来た兄弟たちが次々に街へ行き、戻ってきた兄弟に街の様子を聞くことができた。だから僕はまだ街へ行ったことがないけど何人か戻ってきて話を聞くことができた。戻ってきたときには体がボロボロで死んでしまったが」「街って怖いところなの?」「僕もまだ行ったことがないから分からないけど、兄弟の様子を見ると震え上がってしまう。戻ってこない兄弟もいるぐらいだ、怖い場所に決まっている」「行きたくないな」「行きたくないのは皆同じだよ、けどね選ばれてしまったら行くしかないんだ。連れていかれてしまうんだ」



「お前は人気者だから、すぐに呼ばれるよ」偉そうに話す顔が真っ白のものの顔が見えた。「あんたは人気ないものね、寒い場所でずっと長いこといるものね」赤い顔のものが話に入ってくる。「寒い場所?俺は産まれも育ちも寒い場所だから平気だ。それに街に行かなくて済む。安全なの場所で暮らせることが俺にとっての幸せだ」「まーね。あたしはそろそろ呼ばれるだろうね、大きなお母さんからたくさんの兄妹が産まれてみーんな連れていかれっちゃったし、あたしも覚悟は出来ているよ」直後、赤い顔のものはベットに乗せられ連れていかれてしまった。




時間がどのくらい経っただろうか戻ってこないのをみるともう戻らないのだと思い、恐怖で体が固くなってきてしまう。「あのゲートにベットに横になったまま流されてしまうんだ。もし、万が一戻ってこれるようなことがあればあっちのあのゲートから戻ってくる。まー戻ってきたところで体はボロボロで今までのように部屋で寝かせてもらえることもないのだけどな」



「まだ僕は産まれてきたばっかりなんだ。なんでこんな目に合わなきゃいけないんだ。もっともっと楽しいことしたいし色んな事を知りたい」「そうだよな、けどなここで産まれたものはみんな同じ、お前と同じで俺たちも産まれてきて楽しいこともなく毎日おびえながら暮らしている、あのゲートに呼ばれる順番を次かもしれない、次かもしれないと」「おーーー」いくつもの声が混じり合い歓声となった。





「今日が終わったか。ゲートの向こうの光が消えると呼ばれることも終わり俺たちは部屋に戻される。外にいたら暑くて体が腐っちまう。部屋は涼しくて過ごしやすいんだ。お前も今日は一緒だ」安堵しいつの間にか眠ってしまう。僕は怖いのが事実でできればこの部屋でずっと暮らしていきたい。ここの部屋、屋敷はとても大きくたくさんの仲間が住んでいる。僕らはこのフロアで寝泊まりしているが2階もあるようだった。まだ僕は来たばかりなので周りにいたもの達は親切だった。「君は初めての場所のようだからここに一番長く住んでいる長老に挨拶に行くといいよ」そう言われて部屋の奥に腰かけていた長老をおしえてくれた。



長老はたくさんの人に囲まれて「明日は我が身だ、」と話し、歓声を浴びていた。演説が終わり一休みしているところに僕は挨拶をしに行く。「初めまして僕は今日来たばかりのものです。色々なことを教えて頂きたいのですが・・」「おお、若者、今日何人目の若者だったかな?」「長老本日来たのはそれぞれ20ほどです。なので計算してざっと8千はいますね」「そうかそうか、ほれ若者、お前たちは私たちを守り前に出なくてはいけない。分かるか?部屋の入り口で寝泊まりをしなさい。そして明日一番に部屋を出るんだ」そういうと追い払うかのように手のひらを仰いだ。



横になっていると「おい新入り」と声をかけられる。「あっ初めまして、えーっと」「いいよ自己紹介なんて、自分が何者か分かるものなんていない。挨拶なんて適当に、俺と組まないか」「組まない?どうゆうことですか」「お前は何も知らないようだな。まあいい。俺とお前は外見がよく似ている、生まれも、、下手したら親も一緒かもな、あーはっはっはっは。とにかくちょっとついてこい」言われるがままに僕は部屋の隅についていく。



「おーし、ここなら安全だろ、このブロックの陰に隠れる。明日の呼ばれる時間ずっとだ。掴まらなきゃゲートの向こうに行くこともない。俺たちはずっと逃げ続けるんだ。あの長老と同じようにな」「どうゆうこと?」「あの長老は、長老という名を利用して部屋の奥、あの陰でずっと身を潜めているんだ。だから掴まらない。毎日新しいものがやってきてそいつら、まあー俺らみたいなものを前に出して自分だけ助かろうとしているんだ。怖いのはみんな同じはずなのにずるいと思わないか」「うん。君は掴まれてゲートに流されてどこに連れていかれるか知っているのかい?」「知らないね。けど掴まれたら死ぬのと一緒。それだけは分かる。だからこうも色々考えてるんだろ、まあーいい。今日は俺もあちこち情報収集して疲れたからもう寝るぞ。お前もこっちへ来て眠れ」



ががーーん

大きな音とともに扉が勢いよく開く。入り口そばで眠っていた若者たちが次々に外へ連れ出されてしまった。ぼくがあの場所にいたらと想像するだけでも恐ろしい。何度も入り口を開け、たくさんの若者が連れていかれる中、僕と相棒は何とか陰でやり過ごすことに成功した。「おい、まだ終わったわけじゃない、外に出されて呼ばれなかったものたちが戻ってくるまでは安心できないぞ」また少し緊張してしまったが相棒の力強い声に安心感をも貰った。その後も何度か扉が開き連れていかれるものがいるものの扉手前のものが連れていかれるだけで僕らが連れていかれる気配はなかった。勿論、長老たちも。



隠れていると「おいお前たち何をしている」大きな怒鳴り声が響き渡る。僕らの目の前には長老がいた。年のせいもありしわだらけの顔に茶色の血色の悪い肌。じっと見ていられない。罵声とともに近づいてきた瞬間、部屋の大きな扉は開いた。扉が開いたタイミングで長老はすぐに側にあったブロックに身を潜めた。相棒は隠れることも出来ず、大きな何かに掴まってしまう。「お前と一緒にいれてよかった。兄弟」それが相棒の最後の言葉だった。「行かないで。僕をひとりぼっちにしないでよ」叫ぶ声は虚しく部屋に響き渡っていた。





扉が閉まると長老は側に来て僕に優しい口調で話しかけた。「さっきは怒鳴ってしまってすまなかった。わしたちもお前たちと同じなんじゃ。わしたちも掴まるのが怖いんじゃ、だから長いこと隠れてきた。兄弟を失った悲しみは深いはずじゃ。わしたちと一緒にこの屋敷を素晴らしいものにしていこうじゃないかわしたちもお前の兄弟になろう」よく相棒は言っていた。あの長老を信用するなって。だから僕は「お前のように逃げて隠れて暮らして死んでいくのは嫌だ。兄弟は掴まってしまったんじゃない、外にある楽しい世界を僕よりも少し先に見に行っただけなんだ」そう自信満々の表情で言い切った。本当は悲しくて涙が出そうだったけど負けたくなかった。だから、部屋の入り口に立ち次に扉が開くのをまった。「愚かな、あんな場所にいたら確実に連れていかれてしまう。愚かだ」後ろからそんな声が聞こえたが振り返らず、何者かに自分から掴まれにいく。屋敷の外は数日前と同じ光景。周囲を見渡すが相棒の姿はもうなく不安になったがもう恐怖は微塵にも感じなかった。昨夜話した戦士の言っていた男になった気がした。ベットに寝かされて黒いベルトで縛り付けられる。




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