表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女の子になりたい  作者: はる
1/1

でも私は女の子にはなれない。

人生マラソンを休憩無しノンストップで走り続けてる19の女です。

発達障害とか鬱とかトラウマとか色々抱えすぎてパンクしそうな中必死に生きてます。

消えてやろうとも何度も思ってます。

そんな失格者の人生録をどうか見守ってください。

私みたいな人間は身近なところにゴロゴロいると思います。できればいつもお疲れ様、頑張ってるよねと背中を撫でてあげてください。

小さい頃はリボンやフリル、可愛い色や物が大好きだった。

でも、私は身長が周りの男の子よりも高くて、ほかの女の子より太っていた。

だから、自分はこんな可愛いものは持っていてはいけないと思い、手放した。

きっかけは小学校の男の子の何気ない意地悪。

「デブ!」

やめて欲しかったけれど、幼いながら事実であることは分かっていたため何も言えなかった。

それから傷つくことが怖くなり、変に知恵がついた。

周りから見た目に関して言われる前に自分から自らを罵った。それで周りは笑ってくれるならそれでいいと思った。

そして、中学生の夏に私は自分が傷ついていたことを知った。

誕生日の数日後だった。誕生日に友人から貰ったプリンセスのキャラクターのファイルを私は気に入って使っていた。しかし、ほかの友人はそれを見て

「えー?お前には似合わなくねー?らしくないって感じ。」

と言った。あの子たちが浮かべていたその苦笑いが私の心を抉った。

笑わなきゃ。なんて言えばいいんだっけ。

頭の中がぐるぐる回る。

「いや、友達からもらったから使ってるだけだよ。」

おどけて見せた。

その頃から顔に張り付いていたマスクの中では間違っても涙を溢れさせないように唇を噛み締めていた。

私は“女の子であってはいけない”という自己暗示から一人称が“俺”になってしまった。


しばらくして私は様々な環境要因により、精神疾患を患い、中学校に通わなくなった。


高校は通信制を選んだ。

高校では自分を知ってる人なんて一人もいないのだから新しい自分になろうと思った。

可愛いものを持とうと思った。可愛くありたいと思った。

しかし、私は自分を変えられるほど強くなかった。


高校2年生、好きな人が出来た。

その人は高校の先生だった。私の不器用さを「そこが可愛い」と言ってくれた。初めて異性から今まで喉から手が出るほど欲しくても手に入らない言葉を貰った。涙が出るほど嬉しくて、報われたのだと思ってしまい、センセイを信じてしまった。


ある時、遊園地に遊びに行ったお土産を職員室で配っていた。

ほかの先生には個包装のチョコレートを1つずつ渡し、センセイにはスーツの胸ポケットに収まるサイズのミニボールペンを渡した。センセイは「ありがとう。ここに差しておくわ。」と笑って言ってくれた。

翌日、職員室に行くとそこでは先輩が進路のやり取りをセンセイとしていた。センセイは先輩にボールペンを貸した。

胸ポケットの、私がプレゼントした、ミニサイズのボールペンを。

ぎょっとして血の気が引いた。

それを渡さなくてもいいじゃないか。なんで自分が使うより先に先輩に使わせるんだ。なんで、なんで。

頑張って元の形に戻した心はまた散り散りになってしまった。そこから私は狂ってしまった。

センセイと話したくて、どんなくだらないことも相談した。センセイのそばにいたくて嘘をついてでも面談した。センセイに見て欲しくて自傷行為を重ねた。

それを見る度センセイは悲しい顔をした。

おかしいことは分かっていた。でもセンセイ以外に自分みたいなゴミを見てくれる人はいなかった。それを考えるほどズブズブとのめり込んでしまい、私は壊れた。


高校3年生の秋、初めてワンピースを自分で選んで買った。

花柄のスカートにチュールがかかってて、肩のレースが可愛くて気に入っていた。

髪を巻いて、化粧もバッチリして、アクセサリーをつけて、1番綺麗な姿の最期を見てもらおうと思った。

センセイのメールアドレスに遺書を送り、処方されていた精神薬を過剰摂取した。


救急に載せられる。ガクガク震える手足。救急員の人の優しい声掛けすら愛おしい。母が頭を抱えている。電話口から聴こえる冷たい声。

病院について点滴を刺された。

何度も何度も手が曲がって固まり、針が抜けて刺し直された。

入院中、不安で不安で何度も友人に電話をかけた。

退院後、学校に行くと私は停学処分を受けた。

「大丈夫だった?」とか「無事でよかった」と言ってくれる人は誰一人としていなくて、挙句の果てには「そこまで責任は取れない」とセンセイは言った。

ただただ、冷たく処分を受けた。


狂った。


出会い系を開き、男を漁った。

どうせなら金も稼げたら一石二鳥だと思った。

「足を舐めさせてくれたら8千円。本番で2万円。」

こいつでいいや と思った。

私みたいなゴミでも価値があるんだと安心すら覚えた。

そいつに会うために電車に乗る。

電車が発車して、我に返った。

こんなことをしてはいけない。帰ろう。

帰るとそこには母が頭を抱えてい座っていた。

「ねぇ。知らない人に会いに行こうとしたの?」


気がつくと学校で、私は教頭に追い詰められていた。

まるで尋問。頭の中には反省なんて二文字は全くなかった。

私だけが悪いのか。追い詰めた人達は何も悪くないのか。誰も見てくれないのに。誰も信用出来ないのに。

無期停学。卒業式は行わない。誰にも連絡は取るな。学校に電話をするな。来るな。

告げられた事実はまだ優しい方らしい。

“女の子”と“女”と“女性”ってなんかニュアンスが違いますよね。

多分これで言うと私は女性で、生物学的に女なだけなんだと思います。

女なんだけど女っぽくなくてでも女の子っぽくなりたくて、、みたいな気持ちなんですが分かってもらいにくいため、自分の気持ちと過去を整理するためにも書いてみました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ