漫才「結婚の挨拶」
ツッコミ「どーもー。よろしくお願い致します。漫才、がんばっていきまっしょか。」
ボケ「コント、結婚の挨拶。」
ツッコミ「ご心配なく漫才ですよ。やめてください現場を混乱させるのは。」
ボケ「娘さんを僕にください!」
ツッコミ「続けますか…。(お父さん口調で)ダメだ。」
ボケ「娘さんを僕にください!」
ツッコミ「ダメなものはダメだ!お前に娘はやらん!」
ボケ「お茶をください…。」
ツッコミ「あ、どうぞ…。母さん、お茶を。ごめんね、気遣えてなくて…。」
ボケ「今のは審査の対象外ですので気にしないでください。」
ツッコミ「お?もしかして何か採点されてるのかな?だとしたらお父さん頑張っちゃうよ?」
ボケ「(お茶を飲む)はあ…。落ち着きました。」
ツッコミ「それはよかったです。」
ボケ「あの、立ち話もなんですし、一回座りましょうか。」
ツッコミ「やめてくださいコントになりますので。立ちっぱなしでいきましょ。」
ボケ「立ちっぱなし…。」
ツッコミ「立ちっぱなし。」
ボケ「あのこれ、つまらないものですが。」
ツッコミ「お、ありがとうございます。」
ボケ「すみませんいろいろとはみ出してしまって…。」
ツッコミ「詰まらないこれ?ちゃんと詰められるものを持ってきてもらえる?」
ボケ「すみません、どうしてもポスターが収まらなくて…。」
ツッコミ「手土産にポスター持ってきたの?ギャンブルすぎない?気に入るやつだといいけど…。こういう時は詰められるもののほうがいいよ?」
ボケ「つめられるもの…。あのこれ…つめれるものですが。」
ツッコミ「お、ありがとう。お菓子か何かかな?」
ボケ「小指のセットです。」
ツッコミ「つめれるけれど。え?なに君そっちの人なの?こんな気持ちの悪いもの渡してきて…。」
ボケ「確かに腐りやすいですし、あまりもたないかもしれませんが。」
ツッコミ「気持ちが悪いって言ったんだよ?日持ちが悪いって言ってないからね。」
ボケ「お菓子と同じで1個1個ちゃんと包装紙で包んでますので。」
ツッコミ「いらないですよ。」
ボケ「生ものですのでお早めにどうぞ。」
ツッコミ「何をお早めにすればいいのかな?絶対食べないしね。あのお返ししますので。」
ボケ「ええ…!?お土産に渡したものを返してくるとか前代未聞…。」
ツッコミ「小指を渡してきたのが前代未聞なんですよ?その辺、ちゃんと自覚もってほしいかなあ。」
ボケ「あの、お父さん。改めてお願いがあります。」
ツッコミ「ん?なんだい?」
ボケ「お父さん、生娘さんを僕にください!」
ツッコミ「勝手に処女にされても…。いやあの、父親だからあんまりその辺のこと知らないけれど。え?っていうことは?」
ボケ「娘さんとは、健全なお付き合いをさせていただいています。」
ツッコミ「なるほど。渡してきたものが全然健全じゃなかったけれど。」
ボケ「娘さんも生ものですのでお早めにとは思っているのですが。」
ツッコミ「お?お?どうした緊張してるのか?一回家帰るか?それともお茶でも飲むか?」
ボケ「(お茶を飲む)はあ…。落ち着きました。」
ツッコミ「それはよかったです。」
ボケ「このお茶おいしいですね。出汁は何を?」
ツッコミ「あんまりお茶に対して出汁とは言わないけれど…。別に普通のお茶っ葉だよ。」
ボケ「お茶っ葉ですか。小指で淹れた時と同じ味がしますね。」
ツッコミ「これはそれ用なのかな?いまいちね、このお土産の使い方がよくわかってないんだよね。」
ボケ「それなら説明書きをお読みください。」
ツッコミ「あれ?そんなの入ってた?」
ボケ「ポスターにちゃんと書かれてますので。」
ツッコミ「これそうなの?そんな大きい説明書聞いたことないよ。スペースを無駄にしすぎだから。」
ボケ「お父さん、改めてお願いがあります。」
ツッコミ「お?ちゃんと聞こう。なんだい」?
ボケ「お父さん、娘さんの小指を僕にください。」
ツッコミ「絶対ダメだよ。無理に決まってるよねそんなの。」
ボケ「薬指も僕にください。」
ツッコミ「追加注文されても…。なんでここで増えるのかな?どういう考えしてるの?」
ボケ「実は、娘さんの指に合う結婚指輪をこの前見つけたんです。」
ツッコミ「え、え、何?もしかしてバラして置いとく気なの?」
ボケ「できるだけ近くで眺めていたい…。」
ツッコミ「恐い恐い恐い恐い。」
ボケ「娘さんの小指で淹れたお茶を飲みながら、指を眺めていたい…。」
ツッコミ「一回家帰ろうか。ごめんダメだよ。全然できてないよ。」
ボケ「え?」
ツッコミ「せっかく結婚の挨拶の練習をしたいって言ったからやらせてあげたのに。ダメだよそんなんじゃ。このままだと一生結婚させてもらえないよ?」
ボケ「え、ごめん…。俺、一言も練習したいなんて言ってないんだけど…。」
ツッコミ「あ、ごめん…、コントのつもりだったんだよね?やめさせてもらいます。ありがとうございました。」