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彼の車はそれはそれは綺麗だった。車が大好きらしくて、手入れを入念にしているみたいだ。



いつもとは真逆で、彼が運転席に、私が助手席にいる。運転する彼の姿がスマートで、いつも以上にドキドキする。




「じゃあ今から1コース走るから頑張って覚えてね」


「はい」


頑張ってはみるけど、覚えれるかな…。ただでさえ脳内がショート寸前なのに、いつもでも覚えれない道を覚えろなんて無理な話だ。






赤信号で停車したとき、彼がこちらを見て話しかけて来た。


「あ、そういえばありがとね、チーズケーキ」


とりあえず何か言っておこうと思い、思い付いたままに行動した。彼に強調するかのように腕に手を添える。


「お返し、楽しみにしてます」


「えぇ?」


期待通りの反応で何だか面白かった。普段私に話しかけてくる彼もこんな感じなんだろうかと思う。


「二倍で良いですよ」


「は?」


「中には三倍返しを要求する子もいるんですよ?」



彼が目を泳がせている。普段見ることの出来ないその様子についつい笑ってしまった。


「嘘ですよ!お返しなんていりません。見返り欲しさに作ったんじゃないんですから」



もともと彼に渡せたらな、と思いながら作った。だから本当に渡せるなんて有り難い話だ。




すると彼はちらっとこちらを向いた。


「いや、俺からちゃんと何かお返しするよ。何が良い?」



本当に?予想外の言葉に胸を躍らせてしまう。

今私が望んでいるものといえば…


「そうですねー…私専用のカーナビになってください」




言った後にはっとする。


これ、遠回しの告白じゃないか…。



思い付いたままに発言するという私の馬鹿さ加減に恥ずかしくなって来た。彼の顔が直視できない…。


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