表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
183/237

-183-

家に帰ってきてからダイレクトメールの山を漁る。アイツからの招待状はどこだ…。




今となっては雑然としたおっさんの部屋。数年前彼女が綺麗にしてくれていた面影はもうない。


自分で片付けりゃ良い話だが、いまいちやる気にならない。汚い部屋だって生活出来るんだったら問題ないだろう。






そこでふと谷原の顔が出てくる。

清潔感がある見た目。何でもきっちりこなしそうな雰囲気。奴の部屋は綺麗に整理されているに違いない。



そう思うとやけにムカムカしてきて、明日も朝から仕事というのに部屋掃除に取り掛かった。意地でも谷原には負けない。どんな点においても、だ。







そして、あれから数時間が経過した。もともとゴミを放置してたわけじゃないから、処分するものとすればダイレクトメールくらいだったが、物が多くて綺麗に収納出来ない。何回置いていっても彼女がしてくれたような整頓された様子にはならない。


彼女はホントに片付け上手だったんだな…。



いなくなって気付く大切さ、なんてよく聞くが、まさに今そんな感じだ。彼女が当たり前のことのようにしてくれてたことが、俺にはなかなか出来ない。そして、5年経ったいまさら、それを痛感する。




机の上に置いてある一通の招待状。その中には俊哉からの直筆メッセージがあった。



『お久しぶりです!お元気ですか?

奥様と二人で式に来ていただければ嬉しいです。

新一さん、また今度久しぶりに飲みに行きましょう!』




美幸の話を聞く限りでは、奥様とは間違いない、彼女のことだ。


たぶん彼女の話を美幸がしたことがあるのだろう。だとしたら、彼女の事を俺の嫁だと思ってる人達は、俺たちの馴れ初めを知っているはずだ。そして、年齢差も…。





そばにいたい。そばにいてあげたい。


俺はいつの間に彼女に甘えたいと思っていたんだろう?あの頃は甘えさせることしかしてなかったのに。




無意識のうちに手が動く。

何を話そうかなんて考えてもないに、携帯を手に取って電話を掛ける。



相手は言うまでもない、彼女だ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ