表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/237

-17-

「こんにちは、運転席どうぞ」


「はーい」




あれから一週間くらい経とうとしている。


彼女とはしばらく会えてない。

たくさん話したい、聞きたいことは山のようにあるのに。



『今月中には免許取れるね』

『あ、でも私しばらく来ません』

『はぁ!?何でよ!』

『何でもなにも…テストですもん。テスト明けには部活も始まりますし』



テスト、ね。

今日の生徒だってテスト期間真っ只中らしいのに。


「良いの?勉強しなくて」


「だって家にいたって勉強しないですもん」


「俺も学生の時そんな感じだった。家じゃ勉強しないけど、かといってわざわざ学校に行ってまで勉強する気にならないんだよね」


「ですよねー」



楽しいよ。楽しいけど…


物足りない。アレに勝る刺激がない。




「はい、原簿返します。

お疲れさまでした、忘れ物無いようにね」


「はーい!」




違う、何か違う。


作らない可愛さとか、狙ってるのかと聞きたくなる面白さとか、別に求めてる訳じゃないけど…



何かにつけて彼女と比較してしまう。


この子は彼女より教養がないとか、この子は彼女より地理を理解してるとか。



そして、生徒への指導中ですら考える。

彼女は今どこにいて何をしているのか、と。




彼女はアルコールか?そして俺はアル中か?


自嘲するように笑い、下山方面行きのスクールバスに目をやる。


勿論そこに彼女の姿はない。




彼女が誰よりも近く、誰よりも遠い存在に感じた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ